松原秀樹先生連載100

 

 

 


セラピストの自信のない受け答え



セラピストの自信のなさを示す言葉遣いの中に声が低くぼそぼそと話す話し方があります。しかし逆にはっきりとと言うことばの中にも、自信のなさをクライエントに感じさせるものがあるのです。

心理療法の枠組みの提示は、大切なものであるとされていますから、強迫的にクライエントにその内容を伝えているセラピストが多く見られるようになってきました。確かにインフォームド・コンセントは大切かつ必要なものなのですが・・・。このことを話すときに、セラピーの信頼感の足の引っ張りになっていないだろうか?という疑問があるのです。伝えることの中身の提示の順番の違いは、クライエントが受け取る意味が大きく変わってくるものですし、違って伝わる可能性もあります。とても誠実に言ったとしても、「はい、私にも限界があると思います。その場合は、しかるべき施設に紹介いたします」では、クライエントにはここでかかるより最初からその施設に行きたい、というマイナス・イメージが大きくなりかねないでしょう。ラポールの橋が架かる前から、橋が架からなくなります。伝え方によって、意味あいやことばの重さが変わるのです。こうしたことは、日常の臨床のなかでも、予期することなくしばしばおこるセラピスト側の問題です。

 

連載101

up 2007/

 

便利リンク トップへ戻る

心療内科研修医参照頁 トップへ戻る