松原秀樹先生連載109

 
 仮性多重人格?

 会社で、今日は帰ったらこの仕事をしようと思い極めていたにもかかわらず、きちんとその仕事の書類を鞄に入れて持ち帰りながら、見ることさえしなかった経験はありませんか?たしかに、会社では、今日は帰ったらこの仕事をするぞと、心にしっかりと決めたはずなのに・・・。家に帰って、仕事を持ち帰ったことすら忘れている場合もありますね。

こうしたことは、会社の自分と家の自分とがまったくの別人、多重人格であるがためだから起こることなのでしょうか?

 仕事をするには、ある程度のエネルギーが必要です。車でたとえると、必要なギア・チェンジをしたり、アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げることでしょう。確かに、帰ってからこの仕事をするぞと決めた時には、会社モードの自分でした。すなわちある程度のパワフルな、回転数の大きな、アクセルを踏んでいるときの自分の決心でした。しかし会社の帰り道、いつものように、いつものコースを同じように電車に乗ったり乗り換えたりしながら帰っていくうちに、エンジンの回転数は段々落ちてきますし、そのうちアクセルから足がすっかり離れてくるのです。そして家に帰り着いたときには、AT車のクリープ現象のような動きのみになっていて、仕事モードはすっかり失せ果てて、家に帰ったときのいつものくつろぎモードに変わってしまっています。当然仕事しているときのモードではありませんから、何かすることはなかったかな、という検索モードもすっかり引っ込んでしまっているのです。ですから、仕事を持ち帰ったこと自体を忘れたり、気づいても明日にしようと、やる気が失せてしまっているのです。

 困ることは、帰ったときのモード、すなわちくつろぎモードでもできるような質量の仕事ではありませんから、仕事がより大きく感じてしまうのです。より大きく感じた仕事は余計に手が出しにくくなってしまうという問題が生じることです。実感として、こんなに大変に感じるのだから、できるはずがない、どうしようと落ち込む方もおられるでしょう。

必要なことは、しっかりとアクセルを踏んで、その仕事に見合った必要なエネルギーを動員することです。身体運動的刺激は、脳を賦活し活発化させますので、運動をしてから取り掛かると良いでしょう。また、この連載のコラムの66で紹介した技法などが有効になります。

 

連載110

up 2008/02/11

 

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