松原秀樹先生連載115

 

症状改善優位か、聴いてもらいたい優位か



 クライエントの周波数というべきなのか、そのチャンネルが、症状改善優位なのか、聴いてもらいたいことが優位なのかによって、セラピストのアプローチには違いがなくてはならないでしょう。クライエントの発している周波数にあわせないと、コミュニケーションはうまくできませんし、滞ります。相手のチャンネルにあわせた場合には、スムースなコミュニケーションが継続できます。

 興味深いことですが、問題(症状)があまり変化していないし改善もあまりしていないにもかかわらず、聴いてもらえているという治療関係には満足感を持っているクライエントもあるとうことです。

 ここで気をつけるべきことは、共感のしすぎということだと思います。たしかに、セラピストがクライエントのおかれている悲惨さや気持ちに共感することは、大事であることは認めていますが、しすぎると、下手をすると過去の問題に固着させる場合があるのです。固着させることによって、修正不能に思えるほどの大きく問題化していくことも、臨床で気をつけておきたい要点です。

 誰かに聴いてもらいたいという欲求は、人間の基本的欲求なのかもしれません。これに応じることは、セラピストの基本的スタンスでしょう。で、その後何をどうしていくかが、プロの責任と言えるでしょう。


連載116

up 2008/07/11

 

便利リンク トップへ戻る

心療内科研修医参照頁 トップへ戻る