松原秀樹先生連載119

証拠さがし

良いことであれ、悪いことについてであれ、 人は時々自分の確信を確認するように証明しようとし、 その証拠を集めていく傾向があるようです。 パニック障害をはじめとして、 神経症的な人々や人格障害の人々は、 起きてから寝るまでの一日中を、 自分の信念や確信の証拠になることを集め続けようとしているよう に見えます。

 たとえば、蛇恐怖の人は、蛇を避けたいので、 野山でのピクニックには誘われても行きたがらないです。 まして自ら行こうなどとは絶対に考えません。しかし、 どうしても行かざるを得なくなったときには、 蛇に出会うことを恐れ、同行している人々と同じように、 遠い景色の広がりや美しさを楽しみ、 澄んだ空気を吸うなどのよろこびよりも、 草むらや木陰に気を奪われ、 蛇がいないだろうかと目をあちらこちらに向けて探しまわり、 結局、仲間の誰よりも早く、多くの場合、 仲間の中の唯一の蛇の目撃者になるのがおちなのです。同様に、 だめな自分という確信、人に嫌われているという信念の持ち主も、 その証拠となる周囲の人々の反応やことば、 表情をいつも捜しています。

 こうした悪い証拠を見つけたら、 嬉しく元気になるわけはありませんね。是非、 良い証拠探しの癖を身につけていただきたいものです。

 

連載120 

up 2008/12/24

 

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