ようこそ!魔女の秘密の部屋へ!

そこの絨毯に座って・・・。おいしい紅茶でも召し上がれ! ![]()

「悪い過酷な消費税、是非お止し、泣く子がいるわ」
ん?これって、政治スローガン?と思われそうですが、この文、ちょっとサカサから読んでみて下さい。
「ワルイカコクナシヨオヒゼイゼヒオヨシナクコカイルワ」
どうです?上から読んでも下から読んでも同じでしょう?
「サカサことば=回文」…多分どなたも小さい頃、自分の名前をサカサに言って遊んだ覚えがあると思うのです。
回文の魅力にとりつかれ、ついにはサンリオから、「子供向けケロッピ・回文カルタ」まで発売、という私ですが、その下地はやはり幼い頃にあったような気がします。
私が育った頃、日本は戦争に向かってまっしぐらという時代でした。おもちゃも、今のように豊富ではありません。
しかし子供はどんな環境にあっても、遊びに関しては貪欲です。幸いなことに私にはたくさんの兄弟姉妹がいましたから、言葉遊びなどで、全く退屈知らずに過ごしていました。
「なぞなぞ」「タヌキ言葉(提示された歌の歌詞を「タ」という文字を抜いて歌う。たとえば「春がきた」ですと「♪春がキー・春がキー・どこにキー」という具合に。
当然そこで登場するのが「サカサ言葉」です。
家族の名前はもちろんのこと、何でもひっくり返して読んでみて、そこから一つの回文ができたときの驚きと歓び…。弟の「政男」はすぐに「マサオサマ」ですし、母の「菊代」は「よく効くよ」と、薬の広告みたいな回文。「胡椒食う芳子(コシヨウクウヨシコ)」が作れたのはたしか小学校三年生位のときだったと思います。
けれど、成長するにつれ、いつしかそんな遊びとも無縁となっていきました。
それが突然復活した時…何と、私はすでに孫を持つ年代になっていたのです。
同居の息子に初孫が出来てウキウキ…の直後、私はひどい風邪で寝込んでしまいました。
お嫁さん曰く、
「赤ちゃんが生まれて半年以内に風邪を引かせたら、それは親の責任だそうです。おばあちゃまの風邪、移されては困ります。治るまで、赤ん坊には近付かないでくださいね!」
それからまる五日間というもの、私は階下の一室に幽閉の身、二階から聞こえてくる孫のかわいい泣き声にベッドの上で悶絶…の日々を送ることになったのでした。
熱よりも咳よりも、孫に逢わせてもらえないことの方が遥かに辛かったのです。仕方なく新聞を隅から隅まで読むことで気を紛らわせていたその時、ふと目に入ったのが、「笑文芸」の投稿欄でした。川柳やコントに混じって、回文のコーナーもあります。
久々に蘇った幼少時代の遊び心…。そのとき出来たのが
「なめらかに卵のソース落とし、飯とお酢をその後、また 煮からめな」
(ナメラカニタマゴノソオスオトシメシトオスオソノゴマタニカラメナ)
という、料理のレシピみたいな回文。さらにもう一つ、
「飛騨の夕景色に見とれ、彼と見に来し今日、湯の旅」
(ヒタノユフケシキニミトレカレトミニキシケフユノタヒ)という、これまた旅行会社のキャッチフレーズのような回文でした。
ペンネーム「野ばら」で朝日新聞社に送った直後に、その電話はかかってきました。
「貴方はいったいどういう方ですか?」私の回文が編集部に一大旋風(?)を巻き起こしたらしいのです。
「はい、ごくフツウの主婦ですが…」
電話の向こうからあきらかに「失望」の気配が漂ってきました。聴けば、回文の投稿者はゼッタイ「男」である。それも恐らく「数学の先生」に違いない!というのが、新聞社内での一致した意見だったらしいのです。
ギャクに考えて見ますと、こういうことは一般的に見て「女性は」あまり得意ではない。=次に「数学の先生」と推理したのは理数系の頭、つまり左脳の働きが活発であることが回文作りの必須条件…ということなのかもしれません。
しかし残念ながら私は物理・科学大嫌いの文系人間です。でも、今にして思うに、回文を作り始めてからというもの、明らかに記憶力はアップしたように思います。
五十代の半ばにギョっとなったことがありました。電話番号を見て、それをプッシュするのに、途中で分からなくなり、二度も三度も見直すのです。つまり暗記力が低下していたのでしょう。
今では考えられない事態でした。やはり、頭脳は使えば使うほど進化する…、これは確かです。
その後、私の回文はアレヨアレヨという間に変貌を遂げ、文章のみでなく、歌をサカサに歌ってそれをギャク回転すると、キチンとした「元歌」に聴こえるという、摩訶不思議な特技も身に付いていきました。
「kiraco」でもお馴染みの講談界の大御所、田辺一鶴先生からの御声がかりで、上野の本牧亭で「えー、一席お笑いを…」ならぬ、「回文談義」で高座に上らせて 頂くという、めったにない貴重な経験をさせて頂いたのもその頃の懐かしい思い出です。それも一度ならず二度も・・・。
「一鶴先生、その節はほんとうに有難うございました!この場をお借りして厚くお礼を申し上げます!」
さて、この回文の作り方ですが、カナ文字を下から上にむけて書いていきます。そこに現われた言葉を読み、意味の通じる文字をその上下に新たに書き足していくのです。短い、簡単な回文ならどなたにも出来るはずです。
では例えば「キラコ」で作ってみましょうか。下から書きますからコラキです。上に何かつけるとしたら「…の、子等、き」さて、キに続く何かは?キラキラってのも面白いですね。このままバックすれば「の子等、キラキラ…この」。さて、次に何か続けるとしたら?いろいろ考えられますが、折り返した時、すんなり収まる言葉はないか…と、探すワケです。子供がキラキラするのは?遠足?音楽会?ゲーム?
そう、仮に「コンサート」としてみましょうか?「こんさーとのこらきらきらこのとーさんこ」ほら、もう出来ましたよ。
「コンサートの子等、キラキラ!この父さん子」。どうです?
お父さんの前で大きな声で歌ってる子ども達。目をキラキラと輝かせて…。
「キラコ」から発展して考えられる回文、
このほかにもまだまだ出てきそうですね。
ところで「回文」と「逆さ歌」とでは大きな違いがあります。例えば「新聞紙」のサカサ言葉は「シンブンシ」ですが、逆回転の場合は「イスヌブニス」となります。
何故でしょう?そう、ギャク回転はローマ字表記でSINBUNSI(この場合、シはSIで表わす)となるからです。これをサカサから読んでみてください。ね、たしかに「イスヌブニス」でしょう?
最近では、エレクトーンで伴奏を弾きながら「逆さ歌」を歌うという丸秘ワザ(?!)も習得、テレビ出演の機会も多くなってきました。
頭脳の若返りにはピッタシ!のこの遊び、是非みなさんにもトライして頂くことをおススメいたします。