FAQコーナー2001

このコーナーでは皆様からのmailによる質問、お問い合わせに対する返答のmailを中心に構成しています。皆様からの質問をもとに新にページを書くこともあります。

どうぞ質問をお寄せください。このページの関連質問でも結構です。


2001.11.23 T.M.さん   「厳格食に準じてやっているが、アトピーが出るのはなぜ」
2001.11.9  K.N.さん   「活性酸素を除くドリンクを飲んでもいいか」
2001.9.7/9.10  Y.N.の母  「腸内細菌を正常に保たないと食べられるようにならないのか?」
2001.9.3 N.M.さん(獣医) 「イヌ・ネコ用のアレルギー食品について」
2001.8.11 A.Yさん(生命科学系の研究者)「日本で小児にプロトピックは使えるようにならないのか」
2001.7.12 子育てマガジンFunFANFun編集部/7つの質問
2001.6.18  K.A.さん   「除去食は大人にも有効か」
2001.6.5  K.Kさん    「つかっていい食用油」
2001.6.1  S.H.さん    「プールの消毒薬は大丈夫?」
2001.5.27 emさん     「福岡市に耐性導入法をしてくれる病院はないですか?」
2001.5.21 N.H.さん  「風邪の治り際にアトピー性皮膚炎が軽くなりました」
2001.3.31 soramame   「妊娠中の除去をどう考えますか」
2001.3.27 marieさん   「限界値はどうやって測るの」

2001.11.23 T.M.さん「厳格食に準じてやっているが、アトピーが出るのはなぜ」

Q.私どもの子供は生後4ヶ月女子です。3週間ぐらい前から左頬から始まり、今では顔全体、目の周りまで湿疹が出ています。特に左の頬は,じくじくしています。桶谷式のマッサージに行って母乳で頑張っています。また、そちらの指導でプル―ンを呑ませています。母親自身も食事は白米と野菜を中心に自然食にしています。かなり厳しい厳格食の経験があり(上の子を育てた際)それを基に食事を考えています。それなのに湿疹が出るのは何故なのか。そちらで何か良い治療方法はないでしょうか?

A.母乳育児はいいことです。プルーンもアトピー性皮膚炎に悪いことはないでしょう。「白米と野菜中心の自然食」というのは大体はあっていますが、ひとりひとりアレルゲンは違うので検討の余地はあります。
  「アレルゲンのものをすべてやめたら湿疹は治る」というのが除去食を指導する医師のこれまでの考え方でした。実際には、やめてたら速やかになくなる湿疹とやめてもいつまでたっても治らない湿疹があります。ひどい湿疹ほどやめてもなおらないという傾向があります−これが事実です。したがっていくら厳しく、厳格食をやっても治らないものは治らないのです。
  この「治りにくい」湿疹はすでにアレルゲンによって起こっている湿疹ではありません。体の免疫細胞によって起こされる湿疹です。この型の湿疹は耐性導入によって消え去ります。耐性導入法は1週間に1度通院が必要です。通院可能な方でしょうか?

2001.11.9 K.N.さん「活性酸素を除くドリンクを飲んでもいいか」

Q.私は、現在妊娠6ヶ月です。私は、子供の頃からアトピーでかなりつらい思いをして来ました。
現在は、時々出るぐらいです。主人もアトピーで、子供にはあんな思いをさせたくないと思っています。
アトピーの原因の一つに活性酸素が言われているそうですが、活性酸素を除去するドリンクを飲んでもいいか、迷っています。植物性100パーセントみたいですが・・・。よきアドバイスおねがいします

A.活性酸素はアトピー性皮膚炎に限らず、いろんな炎症で産生されています。そればかりか、生命活動に際していろんな場面で産生されています。けっしてアトピー性皮膚炎独特のものではありません。またアトピー性皮膚炎では炎症(湿疹)を引き起こす生理活性物質、もしくは起炎物質が多数働いています。活性酸素だけが悪いのではありません。活性酸素を抑えてアトピー性皮膚炎を防ぐというのは、たとえていえば、「戦場にいってもけがをしないように防弾ジャケットを着用しよう」というのに似ています。防弾ジャケットを着ていても、銃弾は完全に防げるわけではないし、戦争では大砲の弾も爆弾もミサイルも降って来ます。また、実際問題、活性酸素を抑える食品を摂取しても肝心の皮膚炎の起こっている場所では濃度が薄くて問題になりません。
 母親や父親がアトピー性皮膚炎だと、子どもがアトピー性皮膚炎になる率は増えるといわれますが、それほど増えるわけではありません。また、妊娠中に母親が食事療法をする必要もありません。いまのところは気にせずに構えて、子どもが生まれてアトピー性皮膚炎になったらそのときに考えればいいことです。

2001.9.7/9.10 Y.N.の母「腸内細菌を正常に保たないと食べられるようにならないのか?」

Q1.先日質問したことに関してですが、アトピーばんざいの雑感を読むと、経口免疫寛容(耐性導入法のことですよね)がうまく働くためには腸の調子をはじめとしてさまざまな条件が整わなければならないようです。
  私の息子は自己血治療と耐性導入法のあわせ技で今は何でも食べていますが、この結果からすると、私の息子の腸内細菌が正常だったということなんですか? 異常な子は、効かないんですか? 先生はいつの間に息子の腸内細菌をお調べになったのでしょうか・・。
  他のサイトでも、アトピーと腸内細菌の関係を強く訴えているのを見たことがあります。腸内細菌を正常に保つための薬があるのでしょうか。薬局のHPではアトピーッ子のために「ラフィノース」という薬を勧めていました。


A1.「さまざまな条件が整わなければ」というのは言葉遣いはどの条件が一番重要か、そしてそれぞれの条件がどれだけ重要かということがわかっていないときに言うことです。つまり、まだよくわかっていないのです。
  ヒトでは腸の条件をどのくらい調べることができるでしょうか。マウスの腸内細菌そうならマウスを殺して腸を取り出して調べるから簡単です。ヒトの腸内細菌そう(フローラ)はどうやって調べるのか。実はまだ「簡単には」調べることが出来ません。腸内細菌そうというのは小腸の細菌そうのことです。これは便培養ではわかりません。便培養でわかるのは大腸の細菌そうです。小腸の細菌そうを調べようとすればお尻から管をつっこんで小腸まで入れて便をとってこないとわかりません。
  マウスの腸のパイエル板はマウスを殺して顕微鏡で調べますが、ヒトではそういうわけにいきません。マウスにしてもパイエル板の機能がどのようにおかしいのかは顕微鏡で見てもわかりません。形がおかしいのがわかるだけで機能が悪いのじゃないかというのも類推です。
  もちろん私は腸内細菌そうなど調べていません。調べようとしても出来ないです。何が経口免疫寛容を導入する最大の要因か、は私に与えられた方法、条件で研究することしか出来ません。そして、アレルゲンの完全除去を行いの自己血注射後に適当な量を食べさせることにより、効率的に経口免疫寛容を誘導することが出来たわけです。
  私は腸の条件はアレルギーの発生や経口免疫寛容に大いに関わりを持っているとは思っています。しかし、現在知られているそれの改善策(例えばラフィノース)によって経口免疫寛容を誘導することに成功したという報告はひとつもないのです。
 
Q2.自己血治療はアナフィラキシー型には通りにくいのですね。私の友人の子はとてもキレイな肌でアトピーとは無縁だと思っていたのですが、先日保育園で出された昼食を採った後、顔色が青ざめひどい吐き戻しがあり、急遽病院で検査を受けたところアレルギーとのことでした。昼食に出た「子持ちししゃも」が原因なようです。こういうのを「アナフィラキシー型」というのでしょうか。

A2.すみません。いいかたが悪かったようです。正確にはアナフィラキシーを呈するものの中に耐性導入がほとんど効を奏さないものがあると言い換えます。
  ところでアナフィラキシー型といういいかたは私はよくわからないのです。アレルギー反応のうち即時に激烈な症状を示し、循環器症状まで伴うものをアナフィラキシーが呼ばれたのですが、最近は即時に強い消化器症状、呼吸器症状をおこすだけでアナフィラキシーと呼ぶひとがいるのです。それらは消化器アレルギー、呼吸器アレルギーと呼べばいいのではないでしょうか。友達のお子さんも消化器アレルギーでいいと思います。
  それから、一般的にはより多くのアレルゲンを摂取すれば、より強い症状を引き起こします。ということはアレルギーがあることがわかっていて除去を続けているひととか、微量食べて軽い消化器症状や呼吸器症状を起こしたことのあるひとがアナフィラキシー型かどうかというのはもっと多く食べてみないわからないわけです。アナフィラキシーを起こしたことのあるひと、ないひとという線引きは出来ますが、アナフィラキシー型という線引きは不適当ではないかと思っているのです。

Q3.話は変わりますが、食べ物アレルゲンと吸入性アレルゲンがありますね。息子は年齢的にも(1歳4ヶ月)まだ食べ物アレルゲンにしか反応しないようですが、将来的に吸入性アレルゲンにも反応するようになる可能性があるのでしょうか。
  自己血治療と耐性導入法で今は卵や牛乳も食べられるようになり、喜んでいるのですが、先日布団の上げ下ろしをしたばかりの埃っぽい部屋に入ったときに急にくしゃみをはじめたので、ハウスダストに反応したのかと思ったのです。
  アレルギーがない人でも、埃っぽいところでは鼻水が出たりくしゃみをしたりするのでしょうか・・・。

A3.乳児期に食べ物アレルギーになったひと、そしてそれが重症だったひと、治るのに時間がかかってしまったひとは吸入性アレルギーになりやすいです。しかし、食べ物アレルギーにならなければ吸入性アレルギーに絶対ならないか、といえばそうではありません。吸入性アレルギーになりやすいひとと食べ物アレルギーになりやすいひとというのはある程度、遺伝子によって仕分けがあるようです。そして、吸入性アレルギーになる最大の条件はもちろん、頻回、大量の吸入性アレルゲンに暴露されることです。
 お子さまの症状はダニ(ハウスダスト)アレルゲンによる鼻アレルギーの症状です。ふとんの上げ下ろしのとき、室内塵は一時的に通常の200−300倍になります。ふとんのあげおろしのときは窓を開け、30分くらいたってからお子さんを部屋に入れるようにしましょう。

2001.9.3 N.M.さん(獣医)「イヌ・ネコ用のアレルギー食品について」

Q1.最近、犬や猫の食物アレルギーに対する処方食として鶏肉の加水分解物、分子量を6,000ダルトン以下まで小さくしたフードが販売されました。食物アレルギーに対する効果は良いのですが、症例によっては副作用として軟便や下痢などの消化器症状を示します。
  医学の方では以前より食物アレルギーの患者に対して加水分解蛋白を使用していたというお話を聞いております。人に加水分解蛋白を使用してみて消化器症状など副作用は認められないのでしょうか? もしそのような症状がみられるとしたら何が原因なのでしょうか?

A1.犬、猫にもアトピー性皮膚炎やアレルギーがあるとは聞いていましたが、犬、猫用のアレルギー食品があるというのは初めて聞き、驚きました。
  ヒトではミルク・アレルギーの乳児に対して牛乳のタンパク加水分解物からつくるミルクをかなり前から使っています。MA−1、エピトレスくらいでは下痢を起こすことはありませんが、加水分解の程度を高めたエレメンタル・フォーミュラでは下痢がよく起こります。
  原因は加水分解によって、分子量が小さくなり、ということは1g当たりの分子数が多くなり、溶解したときの浸透圧が高くなることにより、浸透圧性の下痢を起こすことです。この対策としてはミルクを薄めれば下痢は起こらなくなります。
  犬、猫のアレルギー食品についても、浸透圧性の下痢の可能性もあるのではないでしょうか。

Q2.話は変わりますが、自己血療法は大変興味があります。
  これは抗凝固剤を入れた全血を筋肉注射しているのでしょうか?もし抗凝固剤を使用するのであれば、何が良いのでしょうか?この自己血療法に関しての論文等はおありなのでしょうか?
採血をしてその場で筋肉注射をすれば良いのであれば、この治療法は獣医療にきわめてマッチしているような気がします。

A2.採血後ただちにうつのであれば、抗凝固剤は必要ありません。1回にまとめて採血するのであれば、ヘパリンを使えばいいと思います。量は注射器の内筒をぬらすだけ。人間の場合はあえて白血球だけ分離して注射していますが、全血で冷凍保存しても効果に変わりはないと思います。量は人間では10kgまでは0.1ml/kg、成人で2.5−3mlと決めていますが、用量依存性というのは乏しいように思います。
他の医師には成人でも0.1ml/kgにしている方もいます。
犬、猫でもこれに準じていいでしょう。

犬、猫の成績であっても参考になります。結果がでれば教えて下さい。
自己血がよく効くのは、
(1)若い仔
(2)重症ほどよく効く
(3)アトピー性皮膚炎のなりはじめほど
です。数例やっただけで結果が出ないと放り出した医師もいたのですが、上記の点に注意して5例、10例としていくと必ず効きます。(同じ、哺乳類だものね)。

Q3. 自己血療法をしてどの程度で効果がみられるのでしょうか。
おおよそ平均でかまいませんから教えてください。

A3.乳児のアトピー性皮膚炎をよく観察しますと注射後1−2日後に非常に改善します(早期反応)。3日目からは少し悪くなりますが(といっても元に戻ろうとするだけ)、1週間後でもわずかな改善は認められます。
  長期的効果として、誰の目にもわかるのは一応3ヶ月くらい立ってからでしょう。

Q4.先生はどうして自己血療法が効くと思っていますか。 先生のお話を読んでいるとTh1、Th2が関係しているように 感じるのですが、なぜ自分の血を筋肉注射してアレルギーが 改善するのかが全く想像できません。 先生の理論でかまいませんからもしよろしければ教えてください。

A4.これは自己血療法のページに書いている以上のことはわかっていません。Th1、Th2よりはCD4、CD8のほうが私の関心事ですが、現時点で原因を詮索しても分かることは少ないです。
  それよりはどういう症例でよく効き、どういう症例で効かないとか、とにかく臨床的に考える材料を集めなければなりません。
  症例をたくさんやればやるほど効き方に対する評価は上がってきます。しかし、それは一直線ではなく、ジグザグの過程でした。



2001.8.11 A.Yさん(生命科学系の研究者)「日本で小児にプロトピックは使えるようにならないのか」
Q.プロトピック軟膏(tacrolimus)はアメリカでは小児でもアトピー皮膚炎の症状のコントロールに使用されています。日本ではなぜ小児に使えないのでしょうか。近い将来、使用が認められるということはあるのでしょうか?

  私は以前、tacrolimusを仕事で調べたことがあります。皮膚にぬる投与方法では、アトピー皮膚炎の症状のある皮膚からは吸収して効果があるが、症状がなくなれば皮膚からの吸収がなくなるという報告もありました。1年と短いながらも連続投与では幼児でも副作用はないと複数の報告があり、2001年のレヴューでも結論としてそのようになっていました。ステロイドより副作用に関して安全ではないかと思いました。

  実際、症状にあわせてステロイドを使い分けていくのは私のような素人では無理です。子供を医者に頻繁につれていくのも正直言いまして、たいへんです。プロトロピックは使いやすい薬なのではないか、使えたらいいのにと思います。


A.昔から日本の厚労省より、アメリカのFDAの方が仕事が速いのは残念なことです。アメリカで徹底した医薬品の治療研究がされても、それはただちに日本に受け入れられることはありません。エイズだけが例外でエイズ治療薬はアメリカのFDAの承認がただちに日本でも入れられました。

  成人には効果がある、副作用がないことがはっきりしている薬で、小児に適応症が認められていない薬はプロトピックの他にたくさんあります。成人で効けば小児でも効くだろうとか、成人で副作用がなければ小児でも同じだろうと安易に考えることは出来ません。またアメリカ人と日本人では薬の効き方が多少違うこともときにあります。したがってアメリカと日本では薬品の認可、効能などの決め方が違うのもある程度しかたがないことだとは思います。

  これまで、外用ステロイド剤の使いすぎによる副作用、ステロイド皮膚症に対する患者、医師からの告発があり、厚労省はプロトピックについてはステロイドの二の舞を避けようと神経質になりました。そこで、発売されたプロトピックの濃度はかなり低濃度に抑えられ、抗炎症効果はマイルドのステロイド以下になっています。用法、容量、適応症などの「しばり」もきつくなています。小児に対する適応は遅れて通るのかもしれませんし、通さないかもしれません。

  プロトピック軟膏についての私の印象ですが、成人アトピー性皮膚炎の顔面、頚部の難治性皮膚症状に使って、いい効果があります。ただし、塗るのをやめるとすぐまた元の皮膚に戻ります。それでも、ステロイドのようなたちの悪い副作用はないので、安心して使えます。有用性は高いと思います。

  小児に対する有用性は成人より小さいと思います。成人のものは非常に難治で、ステロイドが効かないものが多いのですが、小児のものは治療に反応しやすく、自然治癒も多く、ステロイドや、非ステロイド系抗炎症剤で対応が可能なことが多いのです。プロトピック軟膏を是非とも使いたいと思う症例は成人に較べてかなり少数でしょう。しかし、少数の小児患者のためであっても選択の幅は広い方がいいとは思っています。

  プロトピック軟膏は少数の難治性患者に使う薬だと思います。薬の使い分けの指示は納得のいくまで医師に問いただして下さい。通院は大変かも知れませんが、小児のアトピー性皮膚炎は軟膏を塗って抑えてしまうものではなく、根気よく根治を目指して努力すべきものだと思っています。

2001.7.12 子育てマガジンFunFANFun編集部/7つの質問

Q1.アレルギーはなぜおこるのですか?

A1 この世にはアレルギーを引き起こしやすい物質と、そうでない物質があります。アレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンといいますが、アレルゲンが頻回に、大量に体に入ってくると、体がアレルゲンに激しく反応する性質を獲得します。これをアレルゲンによる感作といいます。感作とはすなわちアレルギー体質の獲得でもあります。感作の後にアレルゲンが体の許す量を超えて入ってくるとアレルギー症状を起こします。したがって、アレルギーが起こるのは「アレルゲンが体の中に入ってくるという外からの要因」と「体が既にアレルギー体質になっているという内からの要因」の2つで起こります。

Q2.アトピー疾患は遺伝的要素が強いとされていますが、アトピー性皮膚炎になるのはアトピー体質のひとだけですか? また、アトピー体質とはどのような体質の人を指すのでしょうか?
 
A2 いまよりもずっとアレルギー疾患が少なかった頃、アトピー疾患は遺伝による関与が大きいと考えられていました。その後、世界中で高蛋白、高カロリーの食生活が広まってアレルギー疾患はどんどん増えました。遺伝的な要素が多いのなら、生活環境が変わっても患者が増えることはありえません。昔考えられたよりはずっと遺伝的要素は少なく主に環境的な要因から起こる病気です。ところでアトピー体質という言葉は私は使っていません。アレルギー体質はアレルゲンによる感作によって出来たもので治療によって正常化することもある体質です。

Q3.アトピー性皮膚炎の主な症状を教えてください?

A3 @赤み、A痒い、Bブツブツ、皮膚の盛り上がり、C皮膚のザラつき、かさかさ、D色素沈着、E汁が出る という症状が様々な組み合わせで出ます。皮膚の症状は十人十色、千変万化です。一番重要なのは赤みと痒みです。

Q4.親のアトピー性皮膚炎は子どもに遺伝しますか?

A4 アレルギーにかかりやすい遺伝的要素はある程度受け継がれます。アトピー性皮膚炎そのものが遺伝するわけではありません。母親がアトピー性皮膚炎だとしても、子どもがアトピー性皮膚炎になる確率は考えられているよりはずっと低いです。

Q5.卵、牛乳、大豆は3大アレルゲンとされていますが、これは年齢を通じて変わらないもなのでしょうか? また、この3つのほかにアレルゲンとなりやすい食品があれば教えて下さい。

A5 小児では卵、牛乳が多く、大豆はやや遅れてアレルゲンになります。成人では小麦、米大豆が多くなっています。しかし、乳児であっても重症であれば米、小麦は早くからアレルゲンになります。牛乳、卵、大豆、米、小麦を5大アレルゲンと呼んでいます。また、思春期からはダニ、カビの1種であるカンジダの割合が多くなります。肉、魚、豆類などもアレルゲンになりやすいのですが、毎日、毎日食べるものでないとアトピー性皮膚炎の原因にはなりにくいです。

Q6.アレルゲンとなった食物は一生食べられないのですか?

A6 アトピー性皮膚炎のため食事制限をした子どもも多くは再び食べられるようになります。しかし、一部の子どもたちは大きくなっても食べられるようになっていません。その中には食べる努力をしたけれど駄目だった子もあり、また医師や親が恐れて食べさせていない子もいます。何年たって、どのくらいの割合で食べられるようになっているのか、詳しい、そして最新のデータというのがないというのが現状です。いつまでたっても食べられない子どもが増えつつある現状に対して、私は将来必ず食べられるようにするための治療法「耐性導入法」を作り上げ、さらに研究しているところです。

Q7.家庭でできる、アトピー性皮膚炎を悪化させないための対応法を教えてください(衣・食・住それぞれ)

A7 皮膚の清潔を保ったり、入浴時の適切な洗い方(特に乳児期)、皮膚の保湿、皮膚の感染症を早期に治療するとか、適切な軟膏の使用とかいろいろありますが、これは患児によって異なるので一概に書けません。その前提として経験が豊かで患者さんの訴えをよく聞いてくれる医師にかかることが重要です。

2001.6.18 K.A.さん 「除去食は大人にも有効か」

Q:さかたに先生のページを読ませていただきました。小児科の先生らしく除去食による治療を試みられているのですね。一つお聞きしたいのですが、大人に対しても有効なものなのでしょうか?一般に子供は腸の消化管が未発達で大きな分子のままタンパク質を取り込んでしまい食物アレルギーを起こしやすいと聞きました。このため小児科の先生は除去食を進めるケースが多いとも。この除去食は、消化管が発達した大人にも有効なものでしょうか?

A:成人のひとにも効果があります。成人であってもPTテストや除去負荷試験で徹底して食物アレルゲンを探しますと、多くのひとに食物アレルゲンが見つかります。しかし、医師の中でも徹底して食物アレルゲンを見つけられるひとはまだわずかです。
 成人では除去食療法が奏功するひとは小児より少なく、その割合は1−2割です。アレルゲンはあっても、除去食をしてもよくならない、という状態が多く見られます。これは食物アレルルギーがあっても、なんとかそれと折り合いをつけようという、体の働きによるものです。食物に対して直ぐに鋭く反応することはなくなっています。しかし、その反面、除去食療法には反応しにくくなっているのです。
 それを補うのが体の免疫の歪みを直していく、と考えられる自己血療法です。私のところでは自己血療法を初めてから、除去食だけの時代より倍くらいよく治るようになってきました。

子どもは消化管が未熟だから、アレルギーになりやすいというのは多少はありますが、それがすべてではありません。耐性導入法によれば、消化管が未熟なはずの乳児期においても100倍、1000倍も限界値が上がって食べられるようになります。アレルギーとは免疫、アレルギーを受け持つ、リンパ球の食物に対する限界値が下がっていることで起こっているのです。



2001.6.5 K.Kさん「つかっていい食用油」
Q1 分からないことがあるのですが質問させてください。
油のことですが(今まであまり考えずスーパーで買ってたのですが)ごま油、オリーブ油、菜種油はとらない方がよいのでしょうか。(よく、成分が分からないので 知っておきたいのです)

A:味の素のような大手食品メーカーの販売する食用油は油の搾り機が共通で大豆油を搾ったあとで紅花油を搾ったり、タンクローリーで大豆油を運んだあとにコーン油を運ぶというようなことが起こります。紅花油100%とか、コーン油100%とか表示してありますが、これは通常の食品の常識で混ぜ物はしていないという意味ですが、アレルギー的には1%、0.1%の混入も許されない場合があります。
 ごま油はごま自身がアレルゲンとなることが多いので大豆油の代替としては指定していません。
 オリーブ油はほとんどが地中海諸国の原産で大豆油が混入することはありません。菜種油は大手のものはやはり混入のおそれがあります。手搾りに近い油や自然食品店のものは大丈夫です。ポピー薬局で扱っている油はこれまでつかって大丈夫だったものばかりです。

Q2:別にこれを食べなくても生きていけるのですが卵抜きのマヨネーズが売ってました。日清だったと思いますが、成分を見ると植物油、大豆たんぱく・・・とか気になる表示がありました。説明を見ると卵を使わない代わりに大豆たんぱくを使ってるとのことです。これは卵抜きで考えると大丈夫な気がしますが大豆たんぱくがちょっと気になるのですがどうでしょうか?

A:K.Kさんには大豆油をやめるよう指示しています。植物油にも大豆油が混じっているかもしれません。大豆たんぱくはいまのところいいということにしていますが、使わないほうがいいでしょう。

2001.6.1 S.H.さん「プールの消毒薬は大丈夫?」
Q:この春小学校に上がった男児の母です。 明日、学校でプール開きです。プールの水と、プールに入る前に、消毒薬の入った水槽につからなければならないと聞き、急に心配になりまして、ご相談いたします。
A:消毒薬もアトピー性皮膚炎のお子さんには刺激になることはあります。プールの消毒に使う塩素は健康人でも肌がカサカサしてきます。
 しかし、これらは単純な刺激であり、アトピー性皮膚炎をどんどん悪くすることはありません。プールに入ったときだけ、少し肌を荒らすだけ、あるいはプールのシーズンだけ少し皮膚の状態が悪いだけで、すぐ元に戻ります。健康全体を考えると泳いだ方がいいです。

Q:今年3月頃から、就寝中に痒さのために度々目を覚まして、特に腕、脚、胴体部を掻き毟るようになりました。近くのアレルギー科で、飲み薬と塗り薬をいただきました。血液検査では、陰性でした。
A:血液検査で出ないからアレルゲンがないとは言えません。皮膚テストのほうが敏感に出ます。

Q:これまで、一度も肌のトラブルはなかったことと、知人から、「春休みになると、アトピーになる子がいると、何かで読んだことがあるよ。」と聞き、心因性のアトピーといったものがあるのかなと、・・・
A:心因性でアトピー性皮膚炎が起こることはありません。

Q:また、伺う時は、予約が必要でしょうか?
A:予約の必要はありません。
 

 

2001.5.31 Y.N.の母「免疫寛容って?」
Q:「経口免疫寛容」というのはさかたに先生の耐性導入法と関係がありますか?

A:関係があるどころか、それそのものです。耐性導入法とはというのは経口免疫寛容を導入させる治療法のことです。

Q:以下記事はHP「アトピーばんざい」の「最近の雑感」というページからの抜粋です。
『 食べて慣らす、いわゆる経口免疫寛容のメカニズムはかなり研究されているようですが、まだまだこれからです。パイエル板という腸管リンパ節の組織が重要であること、マウス試験によれば、腸の細菌叢(細菌の集団のパターン)が異常だとこの組 織の発達が不十分になり、免疫寛容が誘導できないことが分かっています。つまり腸内細菌を正常に保つことが必要です。
 経口免疫寛容が働くための要素としては、腸の調子の他、年齢、遺伝的背景はもちろん、「罹患前か発症後か、パイエル板の上皮細胞・抗原提示細胞・B細胞等の機能、肝臓や脾臓の免疫担当細胞群の機能」など、多くの要因が関与しており、安易に食べて慣らすべきではないと思われます。少なくとも低年齢、体調の悪い時期を避け> ることは大前提です。医師の指導のもと、種類を選んで少しずつ実施するべきでしょう。』
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/2917/saikin.html

A:「アトピーばんざい」の管理人は分析化学系のお仕事をされいる熱心な親御さんです。アトピーについても詳しいほうですが、記事の内容について深くご存じのわけではありません。本文の内容についてですが、確かにそういうことは以前からいわれています。しかし、腸の細菌そうを直そうとして、ビフィズス菌などを投与したらアレルギーが治るのではないかといろいろ試みられていますが、いまだに成果はあがっていません。

『腸の調子の他、年齢、遺伝的背景、「罹患前か発症後か、パイエル板の上皮細胞・抗原提示細胞・B細胞等の機能、肝臓や脾臓の免疫担当細胞群の機能」など、多くの要因』とありますがこんなふうにたくさん並べるということは実は何もわかっていないときの言いぐさです。

私の主張は単純・明解です。免疫寛容を導くためには「適当な除去期間を置き、即時型アレルギー優位の状態にして、適当な量(閾値量の近く)のアレルゲンを投与すればよい」「そのときに邪魔しているのは遅延型アレルギーの状態であり、それを押さえ込むために自己血をしている」のです。

安易に食べてならすのがいけない?
「安易」ってどういうことでしょうか。実は経口免疫寛容は小さいときほど起こりやすく、年齢がいくとおこりにくいのです。小さいうちはダメというのはうそです。
私は閾値を測ってはじめて食べさせているのです。科学的でしょう? 私の他に閾値を測っているひとはいません。私にいわせればこれこそ安易な食べさせ方です。
体調については熱性疾患、下痢のときはダメです。


2001.5.29 T.Fさん「どういうときに自己血療法をしますか」
Q:先生のホームページを拝見しまして、自己血療法に興味を持ちました。下記についてお問い合わせ致したくお手数ですが、お願いいたします。
1.自己血療法は、どのような症状のアトピーに対しても行われているのでしょうか?
症状の軽、重により行われる場合と行われない場合があるのでしょうか?
2.先生のホームページを拝見すると、福山の瀬尾先生という方も同様の治療をされ
ているとのことでしたがご連絡先等をを御教示頂けないでしょうか?

A:三原市からは常時患者さんが見えています。一度診察してから方針を決定したいと思います。
まず、私の治療法は除去食療法、自己血療法、耐性導入法と発展してきています。
自己血をはじめても除去食は続けています。しかし、耐性導入法は除去食と自己血を
有機的に結合させた治療法なので、現在は自己血単独ですることは子どもさんでは
ほとんどありません。私の治療法の代表は現在は耐性導入法と考えて下さい。

1.子どもでは100%食物アレルギーがあり、したがって耐性導入法を行います。
除去食が困難、軽症、発症して間もない、皮膚所見が即時型的要素が多いという
条件のときには自己血単独で行うこともあります。
 最も軽い場合は軟膏のみです。軟膏で治す、ということではなく自然治癒を待つという意味です。
 大半は耐性導入法を行います。

2.福山市住吉町「セオ病院」です。調べないと名刺がでませんが、電話案内でも調べられます。しかし、それより、当院でどの程度のアトピー性皮膚炎なのか、見きわめる方が先です。福山に通う場合でも、冷凍保存血は当院ですると便利ですし。
三原市の先生にもかねて、お願いして耐性導入法を勧めてはいるのですが。



2001.5.27 emさん「福岡市に耐性導入法をしてくれる病院はないですか?」
Q:耐性導入方の説明を拝見しました。
とても、興味深く、是非私もと思っております。
福岡県福岡市に住んでいます。
この治療方法でやってくれる病院は、どうやって探せばよいでしょうか

A:興味を持って下さってありがとうございました。
えみももさんと同じような趣旨のmailを多数いただきますが、耐性導入法はいまのところ、私一人がしている状況です。ご期待に沿えなくてもうしわけありません。今後治療・研究を進めて、学会、論文発表の機会を増やして、同調する医師を増やしていくことがえみももさんの要望に応える途だと考えています。


2001.5.21 N.H.さん「風邪の治り際にアトピー性皮膚炎が軽くなりました」
Q:私は広島市内に住んでいる21歳の男性です。
ここ2年くらいからアトピー性皮膚炎がひどくなり最近では薬も効かなくなってしまいました。色々本などを読んで試してみたのですが、効果的に効いた物はありませんでした。その中でインターネットを使って調べていたところこのHPを見つけることができました。以前風邪をひいた時、皮膚の荒れがひどくなりとても辛くなった事がありました。
しかし、その風邪が治って何日間は肌のあれが驚く程ひいたことがあります。
私のアトピー性皮膚炎は肌が荒れてざらざらした物になるのではなく赤い斑点が出てくるタイプです。
今まで色々な治療法を聞いてきましたが、この『自己血治療』という名前は初めて聞きました。それを実際になさっている先生が広島にいらっしゃるとわかったときは本当に嬉しかったです。色々詳しい事をお聞きしたいので時間の空いた時で結構なのでお返事をください。

A:風邪をひいたときの話は私が書いた通りなので、勇気づけられます。
基本的なことはホームページに書いているので、あとは遠慮なく御質問下さい。
また、院内で講演会をすることがあるのですが、今年はサボっています。
近いうちにはじめますが、その時はご案内します。



2001.3.31 soramame「妊娠中の除去をどう考えますか」

Q:Yと申します。
ちなみにHP「いっぱい食べよ!」の管理人です。すみません。小児科の先生ということで少し質問なのですが、
先生は上の子がアレルギー児で、次の子を妊娠中の妊婦の除去についてどうお考えですか?
もしよろしければご意見を伺わせて頂きたいのですが、よろしくお願いします。

A:妊娠中の除去についてですが、最初に提起されたのは同愛記念病院の馬場先生で第1子が食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の場合第2子の妊娠中に卵の除去をすると第2子の発病率が減るという趣旨でした。これを機会に、妊娠中の除去を行うことは除去食治療をすすめる医師の間で広がったのですが、その後は誰が追試をしても妊娠中の除去によってアレルギーを防ぐことは出来ないという、逆の結論しか出ませんでした。

 最初のうちは私も除去を積極的にすすめましたが、私も統計を取ったわけではないので漠然としかわからないのですが、除去によってアレルギーを防ぐことは出来ていないように思いました。
いまでは妊娠中の除去をあえて勧めることはありません。ただし、次の子のために何かしたいという母親の気持ちがありますので、妊娠8ヶ月以降は卵を摂らないようにとか卵そのものだけやめなさい、と言うことはありますが、実はまったく期待していません。
実は、なぜ子どもにアレルギーがおこるか、どうしたらふせげるか、まったく別の推測があるのですが、今はそこまで書けません。



2001.3.27 marieさん「限界値はどうやって測るの」
Q:限界値というのは、どうやって測ればいいのでしょうか?
牛乳であれば、牛乳そのものの方が良いのですか?
主治医は、喘息専門なので、はっきりとした指示を出してくださらないのです。
 いつも、「症状がでなければ、たべていったほうが早く食べられるようになるといわれていますが・・」としかいわれないので、心細いのです。
 先生のホームページの耐性導入法を読ませていただきましたが、素人が勝手に進めていいものではないような気がして・・・・
ちなみに、息子は、沸騰させた牛乳数ccで、10分以内に顔が赤くなったり、咳がでたり、ゼーゼーしたり、目が真っ赤になって顔が腫れたり、唇が腫れたりします。体も痒くなったり、そのときによって、いろんな症状がでます。のどが痛いとか、辛いというときもあります。
私自身、与えるのが怖いというのが正直な気持ちです。
喘息があるので、慎重にせざるをえないといった感じなのです。

A:牛乳は加熱しないで与えます。普段は加熱しない牛乳を摂取することの方が多いので加熱しないで与えています。例えば卵であれば、この逆で加熱した方が普通の摂取形態なので加熱の方を標準とします。
これなら絶対に出ない、と思われる、極く少量から始めるので大事にいたることはありません。
 ただ、その量の判断については経験を要します。当院にかかられている患者さん以外にはお勧めできません。当院で耐性導入法を受けられる方以外にとってはメリットがあまりないとは思います。
  やり方については限界値測定のページを良く読んでください。そのうち現在、進行中の食物アナフィラキシーの治療経過を同時進行でアップしようかと思っています。また、自力の耐性導入法のファイルもそのうちアップする予定です。

(この返事はその後の考えの深まりにより、3月の時点から大幅に書き換えています。)

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