常色山記

12.寂地山
1337m
2001.7.15

  晴れ間が多いが依然として梅雨が開けない日であった。予報では広島市内は晴れるが、山間部では午後から雨という。車で186号線を西に走っているとき、時折にわか雨のゾーンに入った。犬戻し滝への道に入って、幸い雨はほんの小降りである。林道と遊歩道の分かれ道に達した。雨が心配なので林道をそのまま車で進みかけたが、悪路なので引き返し、遊歩道に入る。遊歩道の場合滝が見れる。遊歩道から河原に下りて犬戻しの滝を見た。日本の滝100選に入るという。ほんまかいな。ただし、今日の滝は水量豊富で確かに立派な滝である。滝好きのわたしも満足。再び遊歩道に戻り、滝の上部を通過。見下ろすとヘルメット姿の5−6人の沢登り客が休憩しているのか、水量が多くて行きあぐねているのか、岩場で座り込んでいた。道は再び林道に接続する。エゾアジサイやアジサイの仲間が競って咲いている。見たことのない花や面白い形の植物を見つけるといちいち女房に尋ねてみながら歩く。涼しく、急坂ではなく、みるべき植物が多いので女房は上機嫌である。

         犬戻しの滝         イワガラミ
       群生するエゾアジサイ            霧の山頂

  林道のどん詰まりから本格的な山道になる。水の音は絶え間なく聞こえてくる。この山はスギの植林と自然林の混合林である。山中のスギ林が嫌いな私だが、この山のスギは立派である。樹齢は数10年から100年か。下枝まで葉がついており、上部の葉は青々としている。比較的まばらに生えているのでスギの下の灌木や下草もよく育っているのが好ましい。途中から重苦しい暑さがすーと抜けてさわやかな空気になった。家内によると前線が通過したための変化という。下って来る登山客に二組ほど出会ったが、いずれもレインコートの上下、スパッツばき、大きめのザックという暑苦しい装備だった。こんな日は少々雨に濡れて涼しさ第一と思い、私はズボンは半パンである。林道から点々とみえていたアジサイがとてもきれいだ。後から後からより美しいアジサイに遭遇したので何枚もデジカメでにおさめた。ヤマシャクヤクの葉が茂っているので取って幹をかじってみるとなるほど漢方薬の芍薬の味、匂いがする。山で腹が痛くなったらかじるとよさそうだ。
  出発が遅かったので登り道の途中で食事をとる。この山では尾根近くまでほとんど沢の水音が絶えることがなかった。この当たりから、ブナの自然林が主体となる。そこから山頂までは近かった。尾根に達するとゆるやかな尾根道に沿って気持ちのいいブナ林が続き直ぐに山頂に達した。山頂は見晴らしはきかないが、霧に包まれ、落ち着いたたたずまいで、樹々の間から見る景色は深山の趣がある。
  下山途中で雨が降り出した。私はレインコートの上だけ着た。すぐ道が川になった。ひどい降りは15分間くらいだったろうか。レインコートの下は時期を失して穿かないままだった。木綿のズボンは水を吸ってときどき搾って歩く状態。家内は傘を差しただけだが、快適そうだった。この程度の雨では傘の方が蒸し暑くなくて楽そうだ。雨、霧、沢、滝、アジサイの山行。夏向きでした。

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