常色山記
13.白木山、中深川ルート
2001.7.20

  登山口を探して、目印の明光寺に来た。お寺の駐車場に無断で車をとめて、近所で農作業する青年に道を尋ねると、道を指し示したあとで、このへんは熊が出るよ、と不愛想に一言。家内は一緒に来なかったが、もし来ていれば、帰る、帰ると騒ぎ出していたことだろう。登山口に着くとプラスチックの立看板に中深川−鬼ケ城コースに熊が出没すると書いてある。いつ頃の情報か見当がつかないので改めて不安になった。人気のない登山道を手を叩いたり、口笛を吹いたりしながら歩いたが、あほらしくてどちらも長くやっていられない。林道を越したあたりで林業関係の作業員二人と出会う。先ほど修道高校の登山部二人が40kgのザックをかついで登っていったそうである。それなら心配はない、急に気が軽くなった。「熊、出ませんよねえ」「ええ、会ってみたいくらいのもので」
 とにかく、今年初めて経験する暑さである。ザックの中には高校生にはかなわないが、米袋5kg、水1.5リットルを入れている。急坂である。しんどい、暑い。炙られるように汗が噴き出す。帰ろうかなという考えが頭をよぎる。だが、そのうち足取りはこれ以上速くも行けない、遅くも行けないというテンポに安定。道は白木のメインルートに較べ踏まれていない。送電線の鉄塔が何基もルートに沿って建っている。ここにもメインルートにあるのとそっくりの尾根廊下が2カ所ある。山頂近くなり、杉、檜は大きくなり日陰になったので涼しくなった。頂上は無線塔が立つ。ここで汗びっしょりのシャツを脱ぎ、鉄柵に懸けて干し、飯を食った。


明光寺、薬師堂。この寺の起源は結構古い。

「尾根廊下」、これは、私の命名である。

送電線鉄塔から南西、八木方面を見る。

頂上の無線塔からの下り道。

  と、思いがけないところから登山姿の人が姿を現した。あとから気づいたが、何気ない感じで白木山頂への道標が茂みの前に立っていた。このひとは年間40−50回白木山に登るのだそうだ。この人はこの頂上から見える、明神池や堂床山もご存じなかった。体を鍛えるために登っているのであり、他の山には一切行っていないとのこと、もったいないですねというと、よく人からそういわれるんです、という返事だった。熊は見たことがないが、サル、鹿、イノシシは見たことがあるという。結構、野生動物というのはいるものだ。この日私はタヌキを2回見かけたが、熊にはついぞお目にかからなかった。帰りは明光寺に立ちよって無断駐車のお詫びと熊に襲われなかったお礼、あわせてお賽銭100円也。

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