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どうやったら、アレルゲンを食べられるようにできるのか 2009.1.22 upload |
なぜ耐性導入をするのか−耐性獲得の努力に対する、ふたつの意見があります。
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1.いったん除去をはじめたら(たとえ湿疹が治っていたとしても)2−3年間、除去を続けるべきである。そのうちに食べられるようになっている。むやみにチャレンジをしてもいい結果は得られない。
2.湿疹が改善し、安定したならば、食べられる量から段々に食べさせて行くべきである。その方が湿疹が残存している場合もかえって緩解・完治が早くなる。 |
両者の意見は対立しています。この、どちらが正しいのでしょうか。その前にこのような意見が出てきた背景というものを考えて見ましょう。
1.の意見は私が除去食療法を学んだとき、最初に聞かされた意見です。
1.の意見の背景
除去食療法の先人たちがこの治療を開発したとき、当然、湿疹が軽快・全快したときにはただちに除去の解除をしようとしました。ところが、いったん解除したものを再び食べさせようと思うと思わぬ壁が立ちはだかっていました。通常量を食べさせようがその1/10量を食べさせようが、除去前には想像しないほどの強い症状が襲ってきたのです。
それでも、初期の治療者はどうにかして元のように食べさせようと努力しました。どうにかして元のように食べさせたいと懸命の努力をした結果、ひどく悪化させてしまい、除去食
で得られた改善も台無しになってしまいました。そのため、むやみにチャレンジしてはならないという教訓を得たのです。
2.の意見は除去食療法を10年近く続けて、はじめて聞いた意見です。
2.の意見の背景
1970年以降、日本人の食事は高カロリー、高タンパク食となり、アトピー性皮膚炎が増えてきました。1980年以降、除去食が普及すると同時に、多くの除去食患者に接するうちに長く、つらい除去期間を過ごすことへの反省も見られるようになりました。とりわけ1995年の阪神淡路大震災のときは除去期間中のアレルギー児がアレルギー食品を確保できず、多くの子どもが激しい症状を起こしました。中にはアナフィラキシーを起こしたこどももいました。そのため、除去期間をなるべく短くすべきである、必要最小限の除去に限るべきだという反省が起こって来ました。
それから、現実に除去食を継続中の患者の中でも、指示された除去からの違反をしたにもかかわらず、症状がかえって改善するという不思議な現象も以前から知られています。このような例は希ではあるが、確実にあります。そのことから、除去期間中から積極的に食べさせようという機運が芽生えてきています。
つまり、この二つの意見はともに正しい。
やみくもに食べさせようとしたらひどい目に遭う。
しかし、積極的に食べさせていい場合もある。
私は10年くらい除去食療法を経験したのち2.の意見に遭遇しました。除去食についても、その限界、不便さを強く感じていました。そこで2.の意見に大いに動かされるものを感じました。
しかし、積極的に食べさせると言ってもどうやったらいいのか。
たとえば、ここに除去食療法を数ヶ月しておおむね湿疹がなくなったこどもがいます。
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牛乳を1さじ飲ませたら症状が出た。 そこで1/8さじを飲ましてみた、今度は出ない。 そこで1/4さじ飲ましてみたら出る。 その後、どうしたらいいのか? 1週間たってまた、1/4さじを飲ましてみたら、やはり出る。 |
これではどうあがいても同じところをいったり来たりするだけです。
一滴ずつ増やしていけば必ず飲めるようになる、と無責任なことを言う医師もいますが、一滴ずつ増やしていっても、1/8さじと1/4さじとの間のどこかでストップして、それで終わりになる
だけです。
どのように食べさせていけば食べられるようになるのか、その点については、だれも説明してくれていませんでした。
出口を見つけられないまま、それでも、どの当たりで食べられないようになるか、どれだけなら食べられる状態にあるのか、それを調べていました。そのうちに偶然、自己血の利用に
たどり付いたのです。
その後、自己血抜きで、耐性導入(すなわち、経口免疫寛容)の手順というものをまとめてみました。
耐性導入の手順
1.限界値から食べさせ始める。
| 限界値以下の量を食べても、現状の限界値を変更する力はない。 その逆に、限界値を越える量を食べさせればアレルギーを強化するだけに終わる。 両者の真ん中の「限界値」の量を食べさせ続けることによって現状を変えることができる。 |
2.徐々に増やして行く。「徐々に」とは言っても二倍増をデフォルトとしている。
免疫細胞に対してはサプライズが必要である。
| 限界値を変更するのは「免疫細胞」であるリンパ球である。耐性導入(免疫寛容)を起こさせるには、「アッ、こんな大量のアレルゲンがしょっちゅう体に入ってくると大変だから、真面目にアレルゲンと闘うよりは、むしろ免疫寛容を起こしてやろう、と免疫細胞を驚かす、サプライズが必要なのである。 |
3.負荷の後には完全除去期間を置く。通常は1週間間隔(6日間の除去期間)。
免疫細胞の内部の刺激の蓄積を防ぐためである。
| 連続刺激、持続刺激はアレルギー強化への道である。 十分間隔をおいてドカンと(サプライズを起こさせる量を)食べさせるとアレルギーを弱くするということがすでに知られている。 |
4.負荷が通れば(注:「通る」というのは誘発反応なしで負荷試験を終えること)、
負荷量を一段階進め、通らなかったら、いったん一段階下げて再チャレンジする。
| 負荷試験で誘発症状が出ているにもかかわらず、同じ量で何回チャレンジしても無駄なことであるだろう。また、限界値以上の量を食べさせるのは1.の手順に反する。とすれば、チャレンジした量で通らなかったら、一たん、量を引き下げて、通ったなり再び前回の量にチャレンジするしかないのではあるまいか。 |
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考えられる手順はこれだけしかない。 しかし、やってみると、これだけでは耐性導入は進められなかった。 |
どうしても、耐性導入を効率的に進める新たな工夫が必要になる。
最初に発見した
工夫が「自己血注射による耐性導入法」である。
ふたつめの工夫は「微量連続摂取による耐性導入法」である。
両者とも次に予定される負荷に対して、誘発症状の発現を抑制する。その仕組みはおそらく、ヘルパー細胞の過敏性を抑制することにあるらしい。
自己血注射と微量連続摂取については別のページを参考にして下さい。
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