2003年度治療成績 
2003.11.26 upload


経口及び経皮耐性導入法の効果(表1)


   鼻粘膜閾値が測定されるものについてはすべて経口耐性導入法を併用したので、併用したときの効果を掲示します。最終的な結論は「症状の強さの昨年比」です。昨年の症状を100としたとき、今年はいくらか。0%というのは症状が全然なかった、ということで最もよく効いたひとです。上の方からいい数値を並べていますが、37例中、著効(10%以下のもの)が8例、有効(50%以下のもの)が29例、不変が2例でした。

花粉の飛散量はH15年度はH14年度より少なかったので慎重に判断しなければなりませんが、経皮耐性導入法の2年目の今年はシーズンの前に十分余裕を持って耐性導入法を開始できた患者さんが多かった。症状が始まってから通院しはじめたひとの中でも、三月中までに閾値が1万−1000倍に達したものは、4月初めには症状が軽くて済んだひとが多いです。これまでは、抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬を使ってもほとんど効かなかったが、耐性導入をした今年は薬でしのげるようになったとする人も多い。

また、症例中にはレーザー治療を経験したもの2例、減感作療法を経験したもの4例がいたが、レーザー治療の2例は本治療の方が有用であったと答え、減感作療法中3例は本治療の方が有用であったとし、残り1例は10年間減感作治療をしていたが昨年から効かなくなり、本治療で症状改善したという。

      スギ花粉RAST値の低下(表2)

耐性導入法が本当に効いているのなら、アレルギー反応の強さの物差しである、RAST値(血液検査)が下がるはずです。ところで、事前に検討してみますと、どの人のRAST値も一様に2月初旬から急上昇し、5月中旬からゆるやかに下降して、翌年の1月下旬に最低となるというパターンをとることがわかりました。そのため、年度の同時期でないとデータとして意味がないことがわかりました。そこで、治療前値の測定日が花粉シーズンのときは後値の測定日が1年から10日以内、シーズン外のときは1年から1ヶ月以内のペア・データのみを採用したところ、条件を満足するのは16例でした。この16例中15例において有意の(かなりはっきりした)低下を見ました。

   まとめと展望

統計を取ってみるとはっきりした、治療効果が見られました。昨年はシーズン前から余裕を持って治療開始できた例数が少なかったため、シーズンに十分な皮内濃度に達していない症例が多く、治療成績もよくなかったのですが、今年は数がそろいました。また、2年越し、あるいは経口のときと合わせると3年越しの症例もありますが、少しずつよくなっているようです。そして、よく見ると治療効果が上がっていない例を見ますと実は、昨年までしか治療、特に経皮耐性導入法を行っていない例がおおいのです。したがって来年の方がもっといい成績になると思われます。

 

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