さかたに小児科における
スギ花粉症治療の流れ
2009.2.17 upload
1.限界値検査
2.自己血注射
3.スギエキス、ヒノキエキスの内服
4.限界値の上昇
※1−4をおおむね1週間単位で繰り返すことによって
スギ花粉症が段々軽くなります。
1.限界値検査
ごく薄いスギ花粉エキスからはじめて、それを鼻粘膜または眼瞼結膜(下まぶたの裏)に塗って行き、はじめて症状が出る濃度を限界値といいます。限界値があがるということは症状が軽くなるということです。方法の詳細は実施のときに説明します。
2.自己血注射
成人は毎回採血し、直後に腕の付け根の後の無痛点にします。
幼児、小児はまとめて4−8回分採血し、冷凍保存しておきます。
自己血注射を行うと5時間後から56時間後にアレルギーに関与する免疫が一時的に正常化します。そのため花粉症の症状が軽くなります。限界値が一時的に上昇し、スギ花粉に対して「強くなります」
この時間帯に適切な濃度のスギ花粉エキス(ヒノキ花粉エキス)を内服すると、限界値の上昇が促進します。
(ただ、適切な濃度は限界値でいい場合もあるし、それより高いときもあるし、低いときもあり、なかなかわかりにくいです。)
3.スギエキス、ヒノキエキスの内服
適切な濃度のエキスを持ち帰り、3時間後あるいは6時間後、または翌日の朝などに飲んでもらいます。エキスは小さい先の尖った1.5mlチューブに入っています。蓋をあけて逆さにしてコップの上で指ではじいて水を足すなどして全量を服用します。
4.限界値の上昇
次回来院の際の限界値検査によって上昇していることを確認します。
5.薬
耐性導入治療であっても通常の抗アレルギー剤の内服、点眼、点鼻液は
必要に応じて処方します
。これは限界値検査の妨げにはなりません。
6.通院間隔
通常1週間ですが、これは社会生活が1週間単位であるのでそうすることが多いだけです。治療を急ぐ場合や症状がひどい場合は
3日以上開けたら次の受診をしても構いません
。ただし、土曜日は混み合いますのでなるべく避けて下さい。
7.持ち帰り検査
来院時の限界値検査だけでは適切な濃度がわかりづらい人は、自己血の後の3時間後と6時間後の限界値を測って、適切な濃度を決めた方がいいときもあります。この場合は持ち帰り検査用のエキスセットを渡し、家庭で検査します。また、次回の来院直前に検査を済ませて、医院内での滞在時間を短くすることもできます。
8.微量連続内服
A1−4を繰り返すことによって限界値が0番(原液)に達した人はスギ花粉エキスの約6−10番相当のエキスを毎日飲んでもらいます。
9.治療効果
A.短期的な治療効果
自己血注射単独でも少し効果があります。早い人は2時間くらいで効いてきたというひともあります。単独では効果が感じられない人もあります。通常3日くらいはよく効きます。5−6日効いているというひともあります。
シーズン中であっても
前年は薬をのんでもほとんど効果がなかった人が薬を飲んだら効くようになる。
前年は薬をのんでいないといけなかった人が、薬が不要になる。
という効果が見られます。
B.長期的な治療効果
@約80%の人が1年後には症状の強さが前年の50%以下になりました。
A約20%の人が1年後には症状の強さが前年の10%以下になりました。
B約5%の人は1年後も症状が変わりませんでした。
C.治療効果の決め手
1回で効いて通院が不要になるひともいる反面、数年続けて通うひともあります。何年間も続けているひとも年々軽くはなっています。長期間スギ花粉症に罹患しているとやはり治りにくい人が多いという傾向はあります。
いったんは軽くなっても大量の花粉を浴びると限界値が再度低下することがあります。
微量の花粉エキスの持続内服でそれを防ぎたいと思っていますが、これはまだ研究中です。
花粉のシーズンに入る1−2カ月前から治療を開始し、十分限界値を高めてシーズンに入る前にすでに微量持続内服に入ることがいいのではないかと考えています。
スギ花粉エキスの耐性導入には抵抗を示す場合も、他の吸入性抗原、ヒノキ、ダニ、カンジダ、他の花粉抗原などで耐性導入をして限界値を上げるとスギ花粉症も軽くなることがあります。
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