1.限界値測定
a.限界値測定を行う食べ物の選択
親が食べさせたいと思うもの
食べられないと不便なもの(入園、入学を含む)
食べる時期にきているもの
早く耐性導入しないと通りにくくなる可能性のあるもの
本人が好む食べ物 |
などを組み合わせて考慮します。
通常は米、小麦、大豆は早く食べさせたいはずです。
牛乳、小麦は純粋食物アレルギーになることがあるのでその面からは早く食べさせたいです。
b.限界値測定時の初期値の設定のしかた
これならば、絶対に症状が出ないだろうという量から測定を始めます。
今までそのアレルゲンを除去後に間違って食べて症状が出たことがあればその状況を参考にして初期値を決めます。その他、年齢、症状の強さ、RAST値も参考にします。
初期値(1回目)でいきなり症状が出た場合、その症状の強さによって、その1/16倍(4回コース)または1/8倍(3回コース)からやり直します。症状が完全に消失してから、再開します。
c.毎日倍増法と10−20分倍増法
食べて数分、10数分後に症状が出る即時型であることが分かっている症例については10分おき、または
20分おきにアレルゲン食物を倍増しながら連続して食べる、10分−20分倍増法で行います。ほとんどのアトピー性皮膚炎では数時間後に症状が出ます。この場合は一日に何回も与えられませんから毎日倍増
法で行います。
d.判定
誘発症状が出たかどうかは、当日の前3−4日の症状の消長を背景にして判断します。普段でもある程度は症状の強い、弱いの変化はあるので、症状が比較的強かった日のことを思い浮かべてそれの1.5倍くらいより強い症状が出たならまず、誘発症状と判断してまず、間違いありません。間違ったケースの中で症状を過大に見過ぎたということはこれまでほとんどありません。つまり、出ていないのに出たと判断したケースは
ほとんどなく、出ていたのに見過ごして食べ進んだケースが多いです。
ただし、1.3倍くらい強い症状ならどうなのか、などグレイ・ゾーンもあります。そういうときはもう一日延長して確かめます。このとき、アレルゲンは同じ量
を続けるのではなしに、倍増します。
一日のうちでも食事のあと、哺乳のあと、入浴のあとは皮膚が赤くなったり、痒くなったりしますし、寝入りばなにはよく掻くことがあります。この症状もその前の数日の同じ状況に較べて倍くらい強いと誘発症状として見た方がいいときもあります。
誘発症状の出現時間は数十分後、1−2時間後、数時間後、1日後と様々です。すべてあります。
誘発症状の出現時間が遅いときは遅発型優勢です。消失までにかかる時間が長いときも遅発型優勢です。遅発型が優勢ということは通りにくいということです。
e.測定中注意すること
限界値測定中も普段の除去食療法を続けます。他のアレルゲン食物を間違って食べると目的アレルゲン食物で症状が出たのか、間違って食べた他のアレルゲン食物の症状かわからなくなります。注意して下さい。
限界値測定の経過は毎日ノートに記して下さい。そして、そのすべての経過と結果を報告して下さい。なかにはこちらの指示通りの食べ方をしていない例があるからです。ノートに簡単な記述、これはいいのだろうか、と思ったが書いてあるとそれを手がかりに正しい限界値が判明することもあります。
下痢、発熱性疾患のときは限界値検査を中断し、治るまで待ちます。
2.耐性導入 未
1.通院間隔
1週間に一度が普通ですが、都合によって1−2日ずらしても構いません。あまり、離れるようなら1週とばして14日目に来院して下さい。ある曜日が都合が悪くなったら、1−2日ずつずらして都合のいい曜日に変えてもいいです。2週間毎にしか来られない場合でも効果はあります。ただ、治癒に要する日数が倍かかるだけです。
2.デジカメによる病態写真の取り方
画素数はモニターの画面いっぱい(1024×768ピクセル)よりやや小さめがいいです。
撮る方向、角度は顔正面、顔側面、胸腹部正面、背部正面などがよく、ねじれた姿勢、斜めの角度は避けて下さい。また寝た姿勢よりは起きて立位、座位のほうがいいです。病変部位だけを撮るのではなく、正常部位との比較ができるように撮って下さい。上肢、下肢はなるべく左右対称に撮って下さい。
撮り方はフラッシュをつけたとしても、撮影者の背後には最大限明るい光源を置いて下さい。顔だけがハイライトが当たって白抜けするのを防いで下さい。フラッシュにトレーシング・ペーパーを取りつけると光量は落ちますが、白抜けをやや防ぐことが出来ます。自然光のときは逆光に気をつけて下さい。
毎回、同じ条件で撮るよう努めて下さい。
撮影日、時刻のデータを入れて下さい。
自己血注射は限界値測定のあといつから始めるか
限界値検査がすんだということは誘発症状が出たということであり、その後しばらくは体の中のリンパ球が過敏になっていることを示します。誘発症状が純粋な即時反応のときには翌日には過敏性は消失していますが、遅発型反応の場合は症状が落ちつくまでに様々な時間がかかります。まず、あらかた消失するのが数時間後、また1日経ってほとんど落ちつくというのが多いです。完全に落ちついてから自己血注射を始めるのが最善ですが、ほとんど落ちついていれば始められます。
予防接種について
自己血注射のあと50数時間はアレルギーに対する免疫が弱くなっています。おそらく過剰な免疫が抑制されているだけで体にとって特に不利益なことはないと考えているのですが、とりあえず予防接種と自己血注射の間隔は前後2日ずつは開けることにしています。
BCG接種について
BCG接種の1−2日後にはアトピー性皮膚炎の症状が軽くなり、限界値が上昇することを確認しています。つまり、アトピー性皮膚炎に対してはちょうど自己血注射と同じような作用と考えられます。そこで、BCG接種の当日、または前日と摂取後1,2日目には来院して写真を撮らせて下さい。あるいはご家庭でデジカメの写真をとってmailで送って下さい。また、限界値がわかっていればBCG接種を自己血代わりにし、1日後に治療摂取を行うことを試みています。
3.治療摂取スケジュールの組み方
1回の自己血注射に対して負荷する食べ物は1種類と決まっているわけではありません。出来るだけ多くの種類の食べ物を通して、早くすべての食物耐性を得たいと思っています。
ただし、2つ以上の食べ物を連続して負荷した場合どちらが出たのかわからないということになってはいけません。
限界値を測定したとき症状が出るまでに何時間かかったか、あるいは以前の治療摂取のときにたまたま症状が出たとすればそのときは何時間かかったかを参考にして、なるべく症状が出る時刻が重ならないように計画します。
またここ数回の治療摂取のとき安定して通ってきた食物については通る可能性が高いとみて、数時間後に続けて別の食べ物を負荷します。
4.歩留まりについて
自己血注射の後に卵を1個食べられるようになった。しかし、小さい子どもなので1日に1個食べるのが精一杯だったとしましょう(最大可食量1個)。自己血後のシンデレラ・タイムを除いた普通の日は1/4個の卵なら通ります。それも連日食べると出やすく、1週間に2回くらいが適当です。このことを歩留まり1/4と表現しています。
もし、食欲旺盛な子であって1日に4個食べることが出来れば、1週間に1個を2回くらい食べることができます。ですから、自己血の終わりには出来るだけ勧めて食べさせてやらないといけません。歩留まりが1/4というのは少々不足ですが、体重10kgの子が1/4個食べられるということは60kgの大人が1.5個食べるのに等しく、実際的な不便はそれほどないと思います。
5.自力の耐性導入法について
耐性導入法でも歩留まり以上は食べることができませんし、毎日連続しては食べられません。それよりもっと食べるには自己血によらない耐性導入を行うしかありません。そのやり方は「ときどき、ドンと限界値近く食べる」です。多くのひとたちは毎日少しずつ多くしていったら食べられる、と安易に考えていますが、そうではありません。毎日少しずつ食べるやり方はアレルギーを強くするやり方です。
ときどき、というのはどれくらいの間隔かというと1週間に1度くらいです。また、 自己血注射による耐性導入法では1週間で食べる量を倍にしますが、自力の耐性導入法では食べる量を増やすのも2−3週間でようやく倍量に増やします。また、少しでも症状が出ればいったん量を減らしたり、十分な間隔休んだり、相当ゆっくり目にしないといけません。平均して3−4倍くらい時間をかけてゆっくりとしかすすめません。
ただし、米、小麦のアレルギーについては可食最大量に至ればすぐにシンデレラ・タイム以外で週2回、1/4量、第2週目は1/2量、第3週目は1量、第4週目は連日1量とスムースに増やすことも出来ます。