穴の開いた虫歯は治せません!
「歯医者のくせに虫歯が治せないなんて」 と思われるかもしれません。
通常、虫歯は削らなければ治療できません。
もちろん、歯を削って詰めることにより、機能は回復させることが出来ます。
しかし、「風邪が治る」「骨折が治る」と言う場合、ほぼ元通りになるのに対し、
虫歯を削って詰めても、元とは全く異なる状態に変化してしまいます。
変化しても、より強くなるのであれば問題ないのですが、
残念ながら治療により歯は弱くなり、

虫歯の再発
歯周病の誘発
歯の根の破折
など
歯の寿命を大きく左右する病気の原因になって
しまいます。
『雨降って、地固まる』
ではなく、
『弱り目に祟り目』
になってしまうと言えば、おわかりいただけるでしょうか?
『風邪は万病の元』
と言われますが、
『虫歯治療は万病の元』
と言ってもよいのではないか、と私は考えています。
虫歯の再発 
虫歯のために削ったところを何かで詰めたとしても、高い確率で
詰め物と歯の境目から虫歯が出来てしまいます。
これを『二次う蝕(二次カリエス)』とよびます。
お口の中へは、低温から高温まで様々なものが入ってきます。
また、かむ力は数十sに及びます。
つまり、大変過酷な環境なのです。
従って、詰めたものが『一生問題を起こさない』ことは殆どありません。
歯の詰め物はやがて歯から剥がれてきます。
すると、目には見えない僅かな隙間が出来、そこに虫歯菌が侵入します。
隙間に侵入した虫歯菌は、外から見えない部分で虫歯を引き起こし、
内部で広がります。
気がついたときには虫歯は既に拡大し、歯をたくさん削って治療することになります。
成人の歯科治療の多くは、この二次カリエスの治療や
脱離(詰め物などが取れること)の治療、
つまり、同じ歯を何度も治す『再治療』なのです。
虫歯治療を何度か、繰り返しているうち、
やがて歯を抜かねばならなくなってしまいます。
つまり、虫歯は治療しても『治る』のではなく、
何とか取り繕っているだけなのです!
歯周病の誘発 
歯の詰め物、かぶせものは実は歯にピタリと合うことはありません。
自費診療で高価な材料を使用し、時間をかけてこだわって治療したとしても
数十ミクロンの隙間が出来てしまうと言われています。
一般的な保険診療や、時間をかけない自費診療では、
数百ミクロンの隙間が出来てしまいます。
そこには細菌が滞りやすくなります。
これは虫歯の原因にもなるのですが、歯ぐきの周囲に及ぶ
かぶせものなどでは、滞った細菌が歯周病の原因にもなります。
歯の根の破折(歯根破折) 
虫歯治療を繰り返しているうちに、虫歯は歯の神経(歯髄)に及び、
神経を取らなければならなくなります。
歯の神経は専門的には歯髄と呼ばれ、血管・神経・歯を作る細胞など、
様々な細胞からなる組織です。
このうち、歯を作る細胞を『象牙芽細胞』と呼びます。
歯には先に述べたように大変強い力がかかるので、
使っているうちに少しずつ見えない亀裂が入ります。
ところが、象牙芽細胞はその亀裂を修復してくれるので、
歯髄の健康な歯が大きく真っ二つに割れてしまうことは殆どありません。
ところが、治療によりひとたび歯髄を取ってしまうと、
その瞬間からこの修復作用が全くなくなります。
つまり『枯れ木』状態になってしまいます。
その結果、長年使用しているうちに亀裂は内部でどんどん広がり、
やがて歯が根っこまで真っ二つに割れてしまいます。
歯が割れてしまうと、多くの場合抜歯するしかなく、
歯を失う結果となります。
この歯の破折は前触れなく突然起こり、しかも完全に防ぐ方法は
ありません。
つまり、予防や早期治療で対応可能な虫歯や歯周病に比べて、
恐ろしい病気、といえます。
良心的な治療をしている歯科医師にとって最も恐ろしく、
どんなによい治療しても完全に防げない歯根破折を起こさないためには、
・ 歯の神経を取らなくて済むようにすることが重要で
↓
・ そのためには予防が第一
です。
では、どうすればよいのでしょう?
(1)穴のあく前に(削らず)治療する

穴があく前の初期の虫歯であれば、削らず治療できます。
初期虫歯は完全に治せます のページをご覧下さい。
(2)予防する

虫歯は予防が可能です。
予防するのが、最良の対応法と言えるでしょう。
詳しくは 予防歯科 のページをご覧下さい。
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