本日ジュエル文庫発売日

 
「へへ。もう読んじゃったもんねー♪」
「ええーっ」
「昨日、書店行ったらもう平積みなってた」
「え、なになにっ?」
「ジュエル文庫、杏堂みゆき『従者』シリーズ新刊!」(いやなシリーズ名だな…)
「えーっ、だって発売日今日じゃん」
「だよね」
「ちっちっ、書店によっちゃ1日前に並んでるのさっ。いつも出てるとは限んないけど」
「うわー、なんか悔しいっ」
「今から小笠原書房に駆け込むか!?」*小笠原書房・祥華女学院のすぐ前にある小さな書店。
「だめもう昼休みあと5分しかない」
「ああああ読みたいっ、目の前に既に読み終えてる人間がいると思うとなおのこと我慢できないっ」
「なんなら教えてあげよっか♪ あのあと王子が…」
「王子なんてどーでもいいのよ、6巻の最後でさ、
 イシュメールが例の黒づくめに闇討ちされた時の、あの、黒が、イシュ様をっっ」
「イシュちゃん〜〜〜っ」
「あんなとこで続くんだから凶悪だよー、
 ひたすら7巻の発売日を待ちに待ったこの5ヶ月は長かったっ」
「ああ、そうそう。黒づくめの、あの胸の焼印だけどね、やっぱイシュメー…」

「言っちゃだめぇぇぇ!!」

「もがもご…んご」
「ゆわないねっ? 約束ねっ?」
「んごんご」
「ぜったいだよ? いいね? よし、じゃ、はなすよ」
「ぷはーっ」
「…んも〜っ、あたしらまだ読んでないんだからさ、ネタバレ言っちゃだめだよ、黄菜ちゃん」
「ごめーんごめん」
「でもまぁ、だいたい予想はつくんだけど…」
「うん。だって黒ってば、いっつも狙ったよーにイシュちゃんひとりん時ばっかあらわれてさ、
 王子なんか眼中にないじゃんあれ」
「刺客のくせして何気にイシュちゃん助けちゃったり。
 ヴァーツの森ん中でも、さりげなくエスコートしてるし♪」
「なんか健気だよね〜っ」
「でしょでしょ、ぜったいイイよねっ。あたし、王子より、だんぜん黒×イシュだなーっ」
「えー、だってぇ…ようするに黒の焼印がアレだとしたら、ふたりは異母兄弟ってことでしょ?
 まずいよケモノミチはー」
「やっぱ王道、イシュ×王子だね。従者攻、下克上は基本でしょ」
 

「…ここは火星だろうか」
「えっ何? ああ、夏ちゃんたち? はは、賑やかだねーここまで聞こえるもんね。
 でもなんで火星?」
「あいつらの言語は解読不明」
 

 カーンコーン、カーンコーン♪

「わ、予鈴だ、つぎ視聴覚室だったっけ」
「…夏ちゃん夏ちゃん」
「ん?」
「はいこれ」
「あ。杏堂みゆきっっ」
「昨日夏ちゃんの分も買っといたんだ」
「ありがと〜〜〜っ♪」
「愛してる?」
「愛してますぅっ」
「夏ちゃん黄菜ちゃん、なーにしてんの先行くよっ」
「待って待って、いま行く〜」

 ぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱた…
 
 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

                      

出演者/夏・黄菜・クラスメート2人・通りすがりの三島&竹井

奇談倶楽部に戻る