陸羽茶室
| <茶経>というお茶の歴史、楽しみ方の極意などを書いた中国の書物の著者である陸羽(実は三国志の名将・陸遜の末裔)にちなんで名前がつけられた、香港でも有名な飲茶の老舗。初めて行ったのは98年の冬だったと思う。実のところ、あまり良い評判は聞かなかった。味は良いけれど店員さんたちは愛想がなくて態度が横柄だとか、一見の客にとっては敷居が高い以外の何ものでもないとか。それでも一度は味わう価値がある老舗の味、と聞いていたので内心おそるおそる、中環の士丹利街(スタンレー通り)の緩やかな坂をのぼり、陸羽茶室へ着いた。 入り口ではインド人男性が「Welcome」と言って扉を開けてくれる。中へ入ると、ウェイターのおじさんが「げいわいあー?(何名様?)」とぶっきらぼうに聞き、指でVサインを出しながら「りょんわい(二人アル)」と答えると、店内を見回して、壁際の席へ案内してくれた。 「いらっしゃいませお客様、何名様でいらっしゃいますか、お煙草はお吸いになりますか、それでは席までご案内いたしますこちらへどうぞ〜」という日本の接客が当たり前だと思っていれば、そりゃー愛想がないには違いないだろうが、別に中華圏じゃ、フツーじゃん、という印象。 席に着くと、「やむめーえちゃぁ〜?(お茶は何にする?)」と聞かれる。何も言わないと外国人にはもれなくジャスミンティーが出てくるそうだが、香港の人は飲茶の時、プーアール茶を飲むのが常識と聞きかじっていた私たちは、ここはジモティーの猿真似しなくちゃ!と思い、「ぽーれいらぁあ(プーアール茶くださいアル)」と言ってみると、おっちゃん、何故かニヤリッとして、すぐにお茶を持ってきてくれた。テーブルの上には、藁半紙に朱色で印刷したメニューの紙が束ねて置いてあり、付属の鉛筆で、欲しいものに○をつけるようになっていた。しかし読めない(笑)叉燒包(チャーシューパオ)くらいははっきり判るが、あとは「餅」だの「餃」だのという字を頼りに、何が出てくるかはお楽しみ〜、と、いろいろ注文。注文した品が運ばれてきた。見た目はとても素朴な感じなのだが、一口食べると「う、うまいっ!!」と、箸を握りしめて絶叫したくなる美味しさ。プーアール茶がまた、よく合っていて美味しい。私は好き嫌いはあまりないので、苦手な人の多い香菜(コリアンダー、またの名をパクチー)のはいった餃子なんかも美味しくいただける。お茶がなくなると、おっちゃんが、お湯を足しにきてくれる。食べ終わってお勘定を頼むと、おしぼりをくれる。初めて行った時、最後に、「旅行の記念にこのメニューの紙を、一枚持って帰ってもいいアルか」と筆談で聞くと、おっちゃんはまたもやニヤリッと笑い、「ちょっとまて」というようなことを言って奥へ去り、少しするとメニューの紙を持ってきてくれた。そこには、なんと筆で書いた、おっちゃんのフルネームサインが添えられていた。黄先生とおっしゃるのですね、素敵です!一体、どこが愛想が悪いっていうんだ?!以来、味も店員さんも大好きになった私は、香港へ行くと滞在中に必ず2回は陸羽茶室に食べに行く。朝ご飯はここでなくちゃ!とまで思うほどの大ファンだ。 香港ファンをやめられない理由の一つが、この店なのだ。 |
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| 陸羽茶室の看板 | 上:田舎風蒸餃子と特大肉まん、サクサクパイ 下:叉燒包 |
☆蓮の葉包みご飯☆
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| 展開前 | 展開後 | さらに展開後 |
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| メニュー | 器とお茶 | 二階の部屋 |