| 第11回公演 | 「紺碧の空、智恵子の空。空な懐旧の詩。 −安達太良山−」
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| 2000年2月上旬 (福島県) |
賑やかなスキ−場を脇目に、静かな登山道をゆくと勢至平。夏はキレイなお花畑も冬は風雪荒れ狂う猛吹雪となる事が多い。
ゆったりのんびり、安達太良山行に「くろがね温泉」は欠かせない存在である。 |
| 第1日 |
奥岳駐車場(10:45)−勢至平(12:10)−くろがね小屋(13:45) |
| 第2日 |
くろがね小屋(7:20)−峰の辻(?:??)−安達太良山(9:00/10:20) −ゴンドラ山頂駅(11:30) −奥岳駐車場(11:50) |
風雪の
勢至平。
ここが私の正念場であった。
ああ、けれども
それは遊びぢゃない
暇つぶしぢゃない
充ちあふれた我等の余儀ない命である
生である
力である
今、自分が望んでいるのは、こういう事なのだ。
こころよ、こころよ
わがこころよ、めざめよ
君がこころよ、めざめよ
この静寂なる小屋の一夜に駆け巡る懐旧。
私は今何かに囲まれている
ある雰囲気に
ある不思議な調節を司る無形な力に
そして最も貴重な平衡を得ている
私の魂は永遠をおもひ
私の肉眼は万物に無限の価値を見る
しづかに、しづかに
わたくしの心は賑わい、
山林孤棲とひとのいふ
小さな山小屋の囲炉裏に居て
ここを地上のメトロポオルとひとり思ふ。
さあ、出発だ。
そして私のいきり立つ魂は
私を乗り超え私を脱れて
づんづんと私を作ってゆくのです
いま死んでいま生まれるのです
稜線に出た。
風のふくやうに、雲の飛ぶやうに
必然の理法と、内心の要求と、
叡智の暗示とに嘘がなければいい
自然は賢明である
自然は細心である
一瞬の出来事だった。
私と安達太良山の乳首との出逢いは鮮烈なものだった。
あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。
山頂直下
好展望のもとシャッタ−を押し続ける。
智恵子の空はなんと素晴らしい事だろう。
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
下山は気持ちの良い
雪原を歩く。
われらは雪に温かく埋もれ
天然の素中にとろけて
果てしのない地上の愛をむさぼり
はるかにわれらの生を讃めたたへる
山スキ−ヤ−と入れ違いに我々が
樹氷帯に入る。
仕事が出来たらすぐに山へ帰りませう、
あの清潔なモラルの天地で
も一度新鮮無比なあなたに会ひませう。