| 第14回公演 | 「梅雨時の狂騒曲−夏直前の山模様−」
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| 2000年7月 (上武信地方) |
毎年訪れる「梅雨」。私にとってこの時期は夏山に向けての最終調整期間でもある。 妻の里帰りも重なって、今年はただひたすらに休日という休日は山に登り続ける日々が続くのであった。 |
| 「二子山」 日帰り |
民宿登人裏登山口(8:45)−股峠(9:30)−東岳(10:15/10:30)−股峠(11:00) −西岳(11:30)−岩屋(12:20/13:10)−民宿登人(14:00) |
| 「武尊山」 日帰り |
裏見の滝駐車場(7:15)−手小屋沢避難小屋(9:00)−武尊山(10:35/11:30) −剣が峰山(12:30)−裏見の滝駐車場(14:20) |
| 「鳥甲山」 日帰り |
ムジナ平登山口(6:30)−シロクラ(9:00)−カミソリ刃渡(9:30)−鳥甲山(10:20/10:50) −アカクラ(12:00)−屋敷登山口(13:15)−ムジナ平登山口(14:40) |

6月27日、秩父:二子山。
暗い広葉樹の森は
昨日の雨をたっぷりと含み瑞々しい空気を生む。
今日は幸い雨が落ちていない。しかし、ガスで視界はほとんどない。
太陽光もここまでは届くわけもなく、蒸し暑さがないのは
私にとってありがたい事であった。
淡々と歩を進めると股峠についた。
ここを境に
東岳と西岳がそれぞれ右と左と道を分ける事となる。
ここ二子山は何時か行ってみたい山のひとつであった。
その魅力はこれから目指す東、西、双子の峰の岩稜にある。
いつもの私は月イチが山行のペ−ス。
仕事が落ち着きつつあり、妻子も里帰り。久しぶりの単身貴族の身。
このチャンスを逃してなるものかと休日ごとの山行計画をたてた。
その第一回目がこの山行であった。
東岳は
かなりカライ岩場があると聞いていた。
確かにガスに濡れた岩場はいつもよりフリクションが利かない。
目の前にした核心部はザイルは垂れているがどうもスタンスが取れない。
しかも足元は30cm程の草付テラス。滑れば崖下にまっさかさまだ。
「ああでもない、こうでもない」
と体位を変えながら考えた挙げ句、この登りはたとえ登れても下る事は困難と判断。
違うル−トを探す事にした。
登山道を少し戻ると、スタンスと足元の安心できる岩壁があった。
確実に3点確保をしながら登ると程なく東岳。
ここで一休みとする。しかし、「なぁ−んにも見えないや」。
一休み後、山頂を後にする。
この東岳は岩のル−トが何本かあるようだ。
踏み後にしたがってそのいくつかに踏み込んでみる。
これも練習練習。
最初のル−トは岩壁を下ると断崖のスラブに突き当たり退却。
二本目は登りと違ったル−トで下る事が出来た。
岩の冷たく硬い感触が指先に残る。この感触、ほぼ一年ぶりだ。
西岳へは、股峠まで戻り
そこから健脚コ−スとファミリ−コ−スがあるようだ。
もちろん健脚コ−スをと思っていたが、ついぞ分岐点に出会わずに稜線に
出てしまった。首をひねりながらも戻る気にもなれず、この先へと進むと
程なく西岳山頂に到着する。
下山途中、あいにく雨が落ちてきた。
梅雨時とあって、生ぬるい雨であった。
森の中でふと足を止める。目を瞑り天を仰ぐ。
木の葉に落ちる雨の音。
地面に落ちる雨の音。
草葉に落ちる雨の音。
頬に落ちる雨の音。
遠くに落ちる雨の音。
近くに落ちる雨の音。
様々な音が交錯する。
その様子が真暗な瞼の裏にくっきりと画となって写る。
「雨、これもまた、たのし」なのである。

7月4日、上州:武尊山。
梅雨の中休み。
日帰り登山にうってつけの「山日和」となった。
前夜に突然山行を決めたこともあって行き先に悩んだ。
私的には岩場と稜線のある近場で初めて行く山が希望であった。
地図を見るにつれ、武尊山は岩場も多いことに気づき山行を決めたのだ。
なるほど、山頂に近づくにつれ岩場が出てきた。
しっかりした岩は安定したホ−ルドとスタンスとなり
鎖は使わず登る事が出来た。
山頂が見えた。
山頂からは剣が峰へと下る。
林道を駐車場に向けて歩く頃、
稜線はもうガスに霞んでいた。

7月10日、信州:鳥甲山。
台風一過の晴天は今日も続いていた。
苗場山の向こうに入道雲が見える。まるで夏真っ盛りのような一日の始まりだ。
前方にアカクラが見える。
「あら、ホントに赤いんだねえ」などと感心していると
細々とした登山道脇に細長い生物がにょろにょろと・・・。
瞬間、私の動きが止る。
この紋様は間違いなくマムシだ。
刺激しない様、そろそろと道の端っこを通過する。
その後、そのテの生き物とは何度となく出会った。
広葉樹林からダケカンバ林と植生が変わり、急登に汗するとシロクラに着く。
さて、ここから先がこの山の核心部である。
カミソリの刃渡りとは良く言ったものだ。
山頂は
オオシラビソなどの樹林に囲まれてあまり展望が得られなかった。
強烈な太陽光が
いまだに容赦なくふり注ぐおやつ時。