| 4月21日に十和田湖畔でH5N1鳥インフルウイルスに感染し、死亡した白鳥や瀕死の白鳥が見つかった。28日にH5亜型株に感染していることが明らかにされ、翌日には環境省からH5N1鳥インフルエンザウイルスが検出されたことが発表された。 一方、4月23日には北海道野付半島で白鳥が死亡しているのが見つかり、それは地元獣医の手により解剖され、死骸は保存されていた。28日の秋田の事例が発表された事から、地域の担当者は慌てて環境省に連絡し、取りあえず簡易インフルエンザ検査を行った。その結果A型インフルエンザウイルスに感染している結果が得られた。詳細なウイルス株については、北海道大学獣医学部の方に検体が送られて分析中と言われる。 4月21日 秋田県十和田湖畔で3羽の白鳥が死亡。1羽が瀕死の状態。 4月24日 北海道野付半島で1羽の白鳥が死亡。 4月25日 十和田湖畔の死亡した白鳥でH5亜型鳥インフルエンザウイル スが検出。 4月28日 秋田県と環境省は十和田湖の白鳥事例を発表。 4月29日 十和田湖の白鳥からH5N1鳥インフルエンザウイルスが検出さ れたことを環境省が発表。 5月1日 北海道野付半島の保存されていた白鳥で、インフルエンザ簡易 検査が施行。A型インフルエンザウイルスが検出 この経過から考えると、H5N1鳥インフルエンザウイルスは、4月20日頃から24日にかけて、一団の白鳥の中で広がっていた可能性がある。高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスに感受性ある野鳥や家きんの、感染から発病までの日数は短い。数日以内に死亡すると考えられる。となるとそれら白鳥がウイルス感染したのは4月中旬頃と推定される。 韓国では4月に入ってから猛烈な勢いで家きん農場の間でH5N1鳥インフルエンザが拡大している。さらに4月12日頃には極東ロシアのウラジオストック近くの養鶏場でもH5N1鳥インフルエンザが発生していた。 以上の事実から、4月に入り、韓国、極東ロシア、そして日本でH5N1鳥インフルエンザウイルスが拡大してきたと判断できる。 十和田湖畔で確認された感染死した白鳥から、周辺へのウイルス感染は発生していない可能性が高い。他に死亡している野鳥が見つかっていないことと、家きんの異常な死亡も見つかっていないからだ。ウイルスが周辺に拡大した時期は4月中旬から22日頃まであり、もし感染した鳥や家きんがいたならば、既に発病している。しかしすでにその危険期は遠い過去になっている。何も起こらないで幸運だったと考えられる。しかしマガモ(多和田湖周辺にいるかどうかは分からないが)のような、ウイルスを保有しても発病せず、ウイルスを周辺にまき散らす野鳥もいるから、注意と調査はまだ必要だ。 周辺でのウイルス感染は無かったとしても、感染白鳥によって遠隔地にウイルスが運ばれた可能性はある。多くは北海道かも知れない。現に野付半島で疑い例が見つかっている。またどこかで死亡してしまい、他の野鳥や動物に食われてしまっているかも知れない。これらの野鳥や動物が感染しているとしたなら、それは地域の特定が難しくなる。 野鳥の集団死、野生動物、特に狐やネズミ、さらにはネコ等の死骸が複数以上見つかった場合は要注意となる。 感染した野鳥が遠隔地でさらに感染を広げたかどうかは早急に調査が必要である。これは感染拡大段階の亜急性期とも言える。または二次感染期とも表現可能である。 調査内容は、野鳥の集団死の有無、マガモのようなウイルスのキャリアーになっても死亡しない野鳥の排泄物中のウイルス検査、キツネ等の野生動物の死亡、農家などに飼われている猫の死亡、さらにはカラスや雀等の大量死。 死亡白鳥がどこで感染したかはいまで不明であるが、東北よりも南方の渡り鳥休憩地、また湿地帯等での調査は、すでに済んでなければならない。もしそのような場所で十和田湖畔で見つかった白鳥が感染していたとしたなら、そのような地域では既に野鳥や、周辺の家きん等で鳥インフルの発生が起きていてもおかしくはない。 新型インフルエンザ対策の初動段階は、H5N1鳥インフルエンザ対策である。筆者の目指すところは、H5N1鳥インフルエンザ段階で(人人感染を起こすようなウイルスに変異する前に)ウイルスを封じ込めることである。それが新型インフルエンザ対策の基本で、また、全てと考えている(ウイルスが変異して国内に広がってからの対策には無理があり、どんなに準備しても犠牲は大きい)。 首相や厚労省大臣がどの程度関心を持っているか不明であるが、英国で1羽の感染死した白鳥が見つかったときの反応に比べると、今回の日本のリーダー達の反応は極めて小さいようだ。新型は心配だけど、鳥インフルは家きん農場さえ守れば良いと思っているなら、新型インフル対策を主導するのは無理と考えられる。 管理人 |