| 北海道の野付半島とサロマ湖で2羽の死亡した白鳥からH5N1鳥インフルウイルスが検出された。 前者が4月24日に死亡しているのが発見され5月5日にH5N1鳥インフルウイルス感染が確認された。一方、後者は5月5日に発見され、10日に同じようにウイルスが確認された。 白鳥の死が確認され、ウイルスが確定されるまでは現場での感染予防対策は全く行われていなかったのに等しいようだ。 それは先に4羽の、やはりウイルスに感染した白鳥が見つかった青森県の十和田湖でも同じで、4月21日に死骸および死にかかった白鳥が見つかりながら、周辺の消毒などが行われ始めたのは、ウイルス感染が確認された4月28日以降であった。 なぜ白鳥は感染死したのだろうか。いくつかの憶測を呼ぶが、それよりも先に現場でのウイルス拡大措置が優先される。他の野鳥、特にマガモが生息している場合、感染した白鳥の水辺での排泄物を介して、マガモたちは容易にウイルスに感染する。またカラスなどの野鳥は感染した白鳥を食べて、感染する。その多くは死亡すると考えられる。キツネ、野生の猫なども感染する機会が多い。 水辺周辺にウイルスが存在している場合は、周辺を歩く人間の靴底に付着し、遠方に運ばれる可能性もある。また車両のタイアに付着して運ばれることも有り得る。 白鳥の見つかった周辺で、また周辺からどの程度ウイルスが拡大したのか、地域の野鳥の状況等の調査を行わない限り不明であるが、遠方に運ばれたものについては、感染死した野鳥、または家きんが見つかることで、明らかになる。 ウイルスを保有した野鳥が見つかったことは、ウイルスが周辺から地域内へ拡大した可能性を示唆していると捉える必要がある。周辺で野鳥の死亡、家きん農場での鶏などの集団死が起きていないから、これでOKとはならない。 東北、北海道の地域でH5N1鳥インフルウイルスが拡大している、または存在している可能性を否定することは極めて難しいという事実を認めた上で、完全なる対策を講じる必要がある。H5N1鳥インフルウイルスを環境から排除することが、新型インフルエンザ対策の第一歩となっているはずだ。 シベリアから飛来してきたカモから白鳥がウイルス感染したという説もあるが、なぜ4月になって北に帰るときに感染したのか理由が見つからない。越冬地で感染したのなら既に多くの白鳥達や、他の野鳥達の死亡が起きていたはずだ。これは韓国でも同じことが言われていて、渡り鳥から家きんが感染したならば、なぜ冬期間に起こらなく、4月という気温が上がってからの時期に感染が拡大したのか、謎のままとなっている。 感染した白鳥は短期間内に死亡するはずだから、十和田湖畔と北海道で見つかった白鳥は、4月中旬から下旬にかけてウイルス感染したと推定される。それ以前には感染していない。 4月上旬から韓国では、H5N1鳥インフルが猛烈な早さで全国の家きん農場へ感染を広げ始めていた。一つの可能性として、韓国からカモによってウイルスが日本の、多分、西南地域に運ばれ、野鳥の休息している地域で、これから飛び立とうとしていた白鳥の群れに、ウイルスを感染させたことが考えられる。 それは極めて狭い地域であったのかも知れないし、もっと広く多くの野鳥が存在している湿地帯であったのかも知れない。 また別な可能性として、シベリアから降りてきていたウイルス感染カモの集団と、白鳥達が出会ったのが飛び立つ直前だった可能性もある。 どちらにしても、周辺で他の野鳥が感染していてもおかしくはない。今後の詳細な調査結果が待たれる。 最後にもっとも飛躍した仮説として、日本の南方のどこかに留鳥となっているカモの間で、既にH5N1鳥インフルウイルスが蔓延しているという考え方も有り得る。 日本の養鶏場は非常に衛生管理が優れているから、たまたま鳥インフルが発生しないだけで、H5N1鳥インフルウイルスは、野鳥の間に存在しているとする考え方である。 野鳥におけるウイルス保有状態を早急に調査すべきと考えられる。感染死しないマガモ等の場合、双眼鏡で眺めていても何も分からない。 「マガモが鳥インフルウイルスを世界に拡大の可能性」というタイトルの研究論文がオランダから出ているが、数種類のカモにH5N1ウイルスを感染させての実験を行い、マガモだけが発病せず、ウイルスを排出して感染拡大する可能性が確かめられている。 本年の3月24日の報道である。オランダの有名な研究陣による報告である。
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