郡界尾根から東雨乞 七人山 樹林の山旅

秋が日毎に深まっていきます。1か月前はあんなに暑かったのに、今は涼しささえ感じるようになりました。
まもなく、鈴鹿は錦秋の衣を纏うのでしょう。その前に、緑のブナの森に会いたくて雨乞郡界尾根を歩いてきました。

山行日  2001年10月 6日(土)
山 名  東雨乞岳 七人山
メンバー  S氏  私
ルート スカイライン登山口 7:45--沢谷峠 8:10--いいなのコバ 9:10--東雨乞P 9:50--
七人山コル 10:20--七人山P 10:30--南側の尾根 11:05--クラ谷 11:30--武平峠 12:25
天 候  晴れ

駐車地---沢谷峠

武平峠トンネルを滋賀県側へ少し下りたところに駐車。仕度を整えて、車道を歩き始める。道が大きくカーブしているところにガードレールの切れ目があって、マジックで「雨乞登山口」と書いてある。小さな沢を渡って山腹に取り付く。しばらくは植林下の急登。すぐに小尾根に出て、尾根伝いに行く。人が少ないコースのはずなのに、黄色や赤のテープが目立つ。ぐんぐん高度を上げていく。尾根に沿ってジグザグに踏み跡はついている。やがて、傾斜がゆるくなり歩きやすくなったら沢谷峠へ左に曲がる。ここは間違いやすい分岐だ。直進方向に「雨乞岳」という標識があるが、これを行くとクラ谷ルートに出るのだろう。左折したらしばらく背の低いササの中を下っていく。下りきったところが沢谷峠。ススキの向こうに鎌ヶ岳が大きく見えている。
沢谷峠から見る鎌。

郡界尾根を行く

明るい尾根は気持ちいい。踏み跡ははっきりしているし、紫、黄、赤のテープが多数つけてある。結構人が来ているみたい。右側はさわやかな二次林が続く。ふと気がつけば、足下は天然のカーペット敷きである。たくさんの落ち葉が堆積してふわふわの尾根道が疲れてきた足に優しい。鹿の声、そして、イワカガミの群生。今は葉だけが光っているが初夏には見事だろう。そうしているうちにシャクナゲが茂ってくる。鈴鹿山奥の人少ない尾根ではシャクナゲの藪に手こずることが多いがここはそんなことはない。歩くところだけは空いている。優しい尾根道である。
 ちょっとした岩を越えたり、風の音を聞いたりしていると「三重・津・山ねずみ」と記したプレートが懸けてあった。このひとをS氏は知っているらしい。この辺りまではは木々が覆い被さってやや暗い雰囲気である。ここは地形図の1014P。このピークを下りて鞍部を越えていくと森の雰囲気が変わってくる。

いいないいなのコバ 1014P其の二

右側に小さな沢が沿ってくる。いつの間にか明るいのびやかなブナの森。いいないいなのコバである。
なんていい所なんだろう。ゆったりとした気分になって森の中を歩く。あっちへ行ったりこっちへ行ったり。S氏も大満足。この森の良さを文章では表現できそうにない。デジカメ画像でも表現できない。1014P其の二と記した木がある。三人山(山人山)とはここのこと?
   
ブナ 緑の葉色が清々しい。 小沢の源頭 明るくのびやかな森
 いいなのコバを過ぎて灌木の中に獣道が行き交う背の低いササ斜面を登る。息が切れてきたがもうひとがんばりと上を目指す。やがて、木はまばらになりササの背が高くなってくる。最後は笹こぎを覚悟していたが歩くところはきれいに刈ってあって感謝。こんなにしてもらってあるということはこのルートが一般的になってきたのだろうか。鈴鹿の山並みが一望である。

東雨乞P---七人山

9時50分 東雨乞ピークに到着。吹きさらしの山頂は風が強く寒い。360度の大展望。南鈴鹿の山々、鎌、雲母峰、御在所、国見、釈迦、藤原、御池と県境沿いの山々。
クラシイブネから佐目峠への草原。遙か愛知川の河口は私の故郷。

滋賀県側から県境の山々の表情
いつも見ている三重側の険しさと違って
優しく見える。


七人山 山頂部のの樹林
しばらく休憩して七人山コルを目指す。やっぱりササトンネルは好きになれない。風が通らない。景色が見えない。ずるずる滑る。歩きやすくなってきたと思っているうちに七人山コルに到着。ここも雰囲気の良い森である。
すぐピークに向けて歩き出す。高みに着くがどこがピークか分からないほどなだらかで優しい山頂である。西尾本によると昔の鈴鹿の様子を残している山ということだ。
この周囲は千種越の間道として人の往来が盛んだかもしれない。鈴鹿峠という表通りを通過できない人々の通った千種越。その裏通りのクラ谷の山道。今は一般ルートになっているが峠をいくつも越えるつらい道だ。わけありの旅人が人目を忍んで通ったかもしれない。
鈴鹿の怪談話は神崎川源流のこの辺りが舞台か。
鉱山が発達して、精錬に大量の炭を還元剤として使う。炭を焼くために大量の木を切る。だから江戸時代は禿げ山だらけだったという話もある。
いずれにせよ鈴鹿の山は人間生活との関わりが深いのである。
 南に張り出した尾根を下降。七人山は山全体がコバ風の気持ちよさに包まれている。途中でクラ谷に下りて後は、一般登山道を武平峠に向かって歩く。沢には産卵を控えたイワナが禁漁期だからだろうか、安心してぽっかり浮かんでいた。

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