お金の塔参詣 新緑の谷尻
この時期に毎年お金参りをしています。お金の塔については西尾本に詳しく載っていますが、探すのに随分苦労されたようです。今は奥村氏の標識のおかげで誰でも簡単に見つけることができます。
佐目の住人達は定期的にお金の塔へ参詣を行っていたそうです。
お金参りの正道は佐目の集落から大峠、北谷尻谷、コリカキ場を経てお金の塔までのロングコース。
朝明からの近道で参詣してきました。ついで谷尻谷周辺で新緑を満喫してきました。
山行日 2002年4月27日 コース 朝明--ヒロ沢--お金の塔--お金峠--コリカキ場--ワサビ峠--根の平--朝明 メンバー K氏(都合によりキャンセル) 私

朝明からハト峰
朝明駐車場の集金係のおじさんはまだ来ていないようだ。ラッキー。500円儲けた。神崎川に降りるのにハト峰を使ったことがないので今日はハト峰旧道を行くことにした。林道を離れて旧道を行くうちにいつの間にか道を間違えたようである。一般道のはずなのになんだか道がはっきりしない。テープ、目印の類が無い。
「あれれ」と思ったが今更引き返すのも悔しい。(こんな時はすぐ引き返すのが基本なのだが)どうせ今日はバリルート。ならば最初から、と遮二無二藪をこぐうちに県境縦走路に飛びだした。位置はハト峰の南、小ピークのあたり。ハト峰が下に見える。獣道に随分助けてもらった。道だと思うと歩きにくいが、道じゃないと思うと歩きやすい。
しかしこんなところで道に迷うとは思わなかった。
ヒロ沢 神崎川
ハト峰からヒロ沢を下る。ここでもまた考え事をしていて気が付いたら道を外れていた。注意力が鈍っている。ヒロ沢の出合の広場はゴミだらけ。まだ使えそうなテントが捨ててある。捨ててあるというより放置してある。ガスのカートリッジ、空き缶などおそらくマナーの悪い一部の釣り人なのだろうな。神崎川を飛び石づたいに渡り左岸の道に出る。新緑の緑が鮮やかな森が広がってきたら、お金峠への分かれ道である。
お金の塔 お金峠
お金谷の道形は注意すれば見つけられる。この道形通りに行くと体力をあまり消耗しない。昔の山人はうまく道をつけたものだと思う。道形をはずすと息が上がってくる。左側に杉林が現れてくるとお金の塔直下。でも直登は辛そう。そのまま、谷道を行くと懐かしいオクムラ氏の標識。疲れ切った体に活を入れながら小尾根に乗って1分でお金の塔。今年もお参りして安全山行を祈願する。元々、お金の塔は鉱山関係のお宮だそうだ。さて、お参りのあとお金峠まで喘ぎ喘ぎ上っていく。峠にはさわやかな風が吹いていた。
お金の塔。別名天狗岩。
どの写真も同じようなものになっているのは、
この角度からしか写真が撮れないから?
それにしても不思議な形。
コリカキ場 ブナの台地
お金峠から下っていくと、雰囲気の良い平坦な二次林の台地になる。この森は鈴鹿の中でもきわめてよろしい所。上谷尻谷、北谷尻谷ともにブナの林の中を縫う穏やかな流れになる。下流の厳しさが嘘みたいだ。正直に神崎川から詰めてくるのを正道とすれば、今日のコースはつまみ食いコースと言えるかもしれない。それにしても、この森の、この優しさは何だろう。この穏やかさは何だろう。この静かさは何だろう。コンビニのおにぎりを食べるのが恥ずかしいほどの清楚な景観。視界に入るものに不快なものはなにもない。手にした人工的なおにぎりの包み紙がこの森の雰囲気に合わない。しかし、ここでも釣り人とおぼしき人が捨てていったゴミが見受けられる。
イワウチワは今年はもう終わったのか。昨年あんなに咲いていたのに。
人の声が聞こえたような気がした。せせらぎの音だった。昔、鉱山の時代はこの場所を多くの人が行き交っていた。その人たちの情念がせせらぎを人の声に聞こえさせたのか。
鈴鹿最奥と言えども、ほんの少し前までここで人間が業を営み生活していた。まるでまぼろしのように消え去った人たちがいる事を覚えておこう。
ワサビ峠
昨年の山旅と同じコースとなるのだが、ワサビ峠へ訪れたくなってワサビ谷を登る。ひとがんばりでワサビ峠に着いた。昨年のようにトリカブトの新芽とヤマエンゴサクが迎えてくれた。この峠の風情は鈴鹿の峠の中でも屈指のものだと思う。県境の峠のように賑やかに看板や立て札があるわけでもない。全く使われなくなった荒れた峠でもない。時々、人間がここを通過するのだろう。寂しくオクムラ氏の案内板だけが風に揺れているのである。ザックを投げ出して深い山々の中に身を置いていることを実感する。ここから朝明まではまだまだ遠いが、そんなことはもうどうでも良くなって、午後の優しい光の中で、時間がたつのを忘れて風に吹かれているのだった。