快晴 仙ヶ岳

 いつものように大堰堤の駐車スペースで支度をしていると、朝早くからいろんな人がやってくる。松茸取りの二人連れ。収穫はなかったようだ。単独の渓流釣師が川から上がってきた。「どうでした?」と聞くと「ダメだねぇ、ハヤばっかりだねぇ。」とのこと。そういえば今日が解禁期間の最終日曜。「今日が最後だからがんばって下さいね。」と声をかけたら、「会社がリストラで退職した。毎日釣りばかりなんだ。」と意外な返事があった。ちょっと沈黙が続いた。釣りも人生もぼちぼち行きましょう。
 このあたりは、松茸山。モノモノしい警告看板が掲げてある。焼けた車が放置してある。何だか物騒。

石積み堰堤から稜線へ

 石谷川白谷は名前の通り白い花崗岩がごろごろした明るい谷。崩れた花崗岩がザラザラと谷を埋めている。この堰堤を越えるためには左岸から巻くのだが、そのルート上に岩が崩壊している。まだ、土が付いた岩がルンゼを埋めている。この山はこうしてどんどん崩れていくのだろう。尾根はますますやせ細り、谷はどんどん埋まっていく。一般ルートの白谷コースだが、このあたりから谷の中を行ったり、巻いたりして道がはっきりしなくなる。傾斜がだんだん急になってくるし、道は荒れてくるし、息が上がってくる。やがて水音がしなくなり、谷は岩だらけになる。そのまま谷を詰めると仙の石あたりに出るらしい(テープあり)。左折すると西尾本B峠。峠についたら一息つこうとがんばるのだが、、

仙の石(東峰)から南尾根

 ずっと歩き通してきたのでかなりばててきた。標高差にしてあと10mで峠だ。休めるぞ、と思っていると何やら人の話し声。それも半端な数じゃなさそう。峠に飛び出したら、大集団の20mほど前だった。何だ?休むに休めずその大集団に追われるように仙の石に向けて歩くのだった。足は棒になっているのに後ろには何十人のも大パーティー。大きな声でわいわいやりながら秋の山を楽しんでいる。仙の石に着いたが、ここも何十人もの登山者が弁当を食べている。展望を楽しむスペースもない。快晴で遠くまで良く見えるのに残念。それなら、と南尾根の第1ピークで休むことにした。実は、登山道はP1を巻くようについている。だから、多くの登山者はピークまで来ない。登山道から1分で誰も来ない展望台だ。
 おにぎりを食べながら、遠望を楽しみ、眼下を眺めては仙ヶ岳を堪能した。素晴らしくいい天気。
 さて、そろそろ出発しようか、とザックを背負ったとたんビリビリ、ブチッと言う音。なんと、ザックの背負い紐の縫製が破れて切れたのだ。今日はかなり重い荷物をぎゅうぎゅうに押し込んでいた。荷物の容量と重さに耐えきれなくなった年代物の小さなザブザックはもう背負えない。ただの布袋と化してしまった。
 紐が切れたザックを小脇に抱えて鈴鹿屈指の険路である南尾根を下降していくことになった。慎重に慎重に、滑り出したら止まらないぞ。そうなる前に荷物を捨てようか?転倒数回、ただでさえ膝にくる急坂なのに、両手で体を支えられない。這々の体で不動明分岐まで降りてきた。ここからもかなり荒れた道。いつもの倍の時間をかけて下山した。

白鳥の湯

 あまりにも下山で膝や足を駆使したので、温泉に入ってから帰ることにする。亀山保健センターの白鳥の湯。150円でいい湯に浸かれる。駐車場から南鈴鹿の山並みが見える。
 惨めな下山を仙ヶ岳が笑っていた。

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