那須ヶ原山から坂下峠 ちょっと脇道へ

職場で藤原花見山行を呼びかけるも、みなさん忙しい人ばかりで成立せず。まあ、あの大渋滞に巻き込まれたくはないし。
花がなんだ、フクジュソウがなんだ、と強がりを言って、またまた地味な山へと向かうのでした。県境縦走路だけでは面白くないのでちょっと逸れて、この山域らしい藪尾根を楽しんできました。密藪の難路も、木々の葉が落ちて下草やイバラがうるさくないこの時期は明るい快適な尾根歩きができるはず、、
山行日 2004年3月27日(土)晴れ 風強い
コース 林道駐車地9:00---那須ヶ原山登山口9:20---那須ヶ原山10:00---
三ツ頭山10:20---(支尾根)---614P11:00---三ツ頭山12:00---
唐木キレット12:30---坂下峠12:55---林道駐車地13:40

那須ヶ原山へ

 坂下峠へ向かう林道脇の小屋の前に駐車。支度をしていると風が冷たい。橋を渡るとコンクリート舗装の林道。この林道が急傾斜でかなりきつい。スタートから息が上がってくる。このままでは登山口に着く前にばててしまいそう。
 ふと、道端を見ると狸がいる。しかもこの狸、立っているぞ。よく見れば信楽焼だった。ここは信楽にほど近いところだが、どうして道端に置いてあるのだろう。
 20分ほどでやっと那須ヶ原山の登山口に着く。歩き出してすぐに黒部滝に出会う。なかなか女性的な良い滝だ。まるで絹のように水を落としている。道はすぐに山腹に取り付き、ぐんぐんと高度を上げていく。始めの林道歩きで調子が狂ったのか、何だかすでにバテ気味である。この道は地元の方の参詣道らしく、植林下のきちんと整備された道なのだが、設置してある階段の段差と私の歩幅が合わない。一つ合わないとずっと合わないのだ。それでも、尾根に沿って進む頃にはペースを取り戻してきた。
 鹿よけのネットをくぐって伐採地を登っていくと世界が変わる。振り返ると大展望が広がっていた。近江盆地、綿向、雨乞、御在所、鎌、仙ヶ岳、いい眺め。足元は霜柱が融けだしてぐちゃぐちゃだ。この強い風さえなければじっくりと展望を楽しむところだが立ち止まると、伐採したさえぎるものない吹きさらしでは寒くて寒くて。再び樹林の中にはいると風は優しくなり、木々が「ギギーッ」と歌っている。歩きやすい背の低い笹の中の道をたどればすぐに山頂だ。先客がひとり、油日岳の方から来たという。

三ツ頭山から南西尾根上614P

那須ヶ原山から三ツ頭山の間は適度にアップダウンがあっていい感じの道が続いている。葉を落とした木々のトンネルは明るく春めいて何となくうきうきする。ほどなく三ツ頭に到着。
 西尾本第6巻P267三ツ頭山の項に次のような記述がある。
「しかし南尾根のコースはこの山の持つ最大の魅力である。けもの道の交錯したこのルートは野性的で、未知をめざす探検的要素にあふれている。中津川の源流は一様に同質の魅力を持つが、南鈴鹿の貴重な財産として長く残しておきたいものである。」
 それなら行ってみましょうと言うことで、五葉松や山の神と呼ばれているピークへ続く南尾根をちょっと覗いてみようと思った。これらの尾根の末端は仏が平や経塚山へ続いている。三ツ頭山から南に派生している尾根を適当に下っていく。尾根にはかすかな踏み跡があって例の紫ひもが結んである。最初はどんどん高度を下げて行くが、やがて傾斜は緩くなりはっきりとした尾根を行くことになる。歩きやすいと思えば藪こぎを強いられたりして、人の気配がしないいい感じの所である。五葉松や山の神に向かう南尾根なら複雑な分岐があるはずなのだが、歩いている尾根は全然分岐なんて出てこない単純な一本尾根なのだ。しばらく歩いてこの尾根はP614mに向かう尾根であることに気が付いた。いくつかの小ピークを経て到着したP614mでひとりごちた。雑木が密生していて、展望が優れているわけでないが誰も来ない安心感と言ったら変だろうか、これはこれで南鈴鹿の良さである。花が咲くわけでもなく、ブナがあるわけでもなく、二次林のコバでもない。ひと気の無さ、野生との近さがいいのだろう。このまま下ってしまいたい気分だが、車は滋賀県側。引き返さなくては。
 この辺りの山域はほとんど知られていない。主稜線以外はほとんど歩かれていない。名阪国道を挟んで南北両側は未だ未開の山域だ。(大袈裟か)

唐木キレット 坂下峠

三ツ頭に戻って県境を行く。すぐに例の南尾根への入り口が見つかった。三ツ頭の一番東側のピークから南へ続いている尾根があった。この尾根が五葉松へ向かうルートだ。気持ち良い樹林の中の道。唐木岳、唐木のキレットとどんどん通過していく。所々大展望が広がり、そしてまた気持ちの良い樹林が続く。諸戸林業は大伐採を始めたのか、中津川沿いに伐採が目立つ。粗成花崗岩と言うのだったか、ぼろぼろと崩れていく。降り立った坂下峠もいまだ崩壊の途中であった。ここに道を恒久的に取り付けることは無理。見ている間にも石ころが転がり落ちる。でも中には猛者もいるのだろう。坂下峠の荒れた地道に四駆のタイヤ跡がついていた。
 坂下峠からはとぼとぼと歩いて駐車地まで戻る。

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