旅立ちのきっかけは2日前の晩に放送された、NHK「人間ドキュメント」だった。高松の文化財とも称されるうどん屋「池上」の瑠美子おばあちゃんが登場したのだ。番組を見て、転勤の慌ただしさで忘れていた「讃岐うどんへの想い」が沸々と湧いてきた。
そして2日後、瀬戸大橋をマリンライナーで渡る。いやぁ、東京に住んでいた時には考えられない行動やね。電車で1時間半で高松駅に着き、しかも交通費は2千円でおつりが出る。ホント讃岐が近くなったなぁ。高松駅のホームに降り立った時、嬉しさがこみあげてきた。
1軒目 かすが町市場(高松市)
高松駅でレンタサイクルを借り、池上に行った。日曜日だけにすでにお客もたくさん来ていたが、瑠美子おばあちゃんの元気な姿が見られたので、待ち時間も苦にならない。温いのを一玉食べて、ようやく胃袋が目覚めた。
次はたっぷり食べようかな、と自転車をこぐ。今回は日帰りであり、あと2軒巡れればいいかという考えだ。その気になれば気軽に来られるんだし、無茶はしないでおこう。次に目指すは「かすが町市場」だ。なんでも工場の建物がそのままうどん屋になっていて、しかも野菜や花やいろんな雑貨も売っているらしい。一体どんな店だろう。
池上から30分以上かかってようやく着いた。建物はまさしく工場そのもの。表には花が売られている。中に入ると野菜が売られていた。直売所のようだ。さらにはひょうたんが飾られていて、なぜか太鼓も置いてあって、子供がたたいて遊んでいる。中はだだっ広くて天井も高くて、ホントに工場がそのままお店になっている。全然うどん屋っぽくないぞ。
その向こうにずらりとテーブルが並んでいて、かなりの広さだ。奥がうどんスペースで、天ぷらやご飯類が並べられていたり、麺を温めるお湯とてぼが用意されていたりと、セルフスタイルの店である。メニューを見ようとして、ふと目にとまったのが一枚のポスター。
「しっぽくうどん 始めました」
美味しそうなしっぽくうどんが写っていて、食欲をそそる。そういえば香川ではしっぽくうどんをまだ食べたことがなかったっけ。というわけで、しっぽくうどんの小を注文した。
手にしたしっぽくうどんは、里芋や大根、にんじん、椎茸などの野菜がたっぷりのっていて、具たくさんの豪勢なうどんだ。ねぎが白いのは珍しいなぁ(こっちでは青いねぎを使うのが一般的だから)。里芋はホクホクだし、大根やにんじんはだしの味が染みて美味いし、だしもええ味してるし、うどんも美味いし、体も温まるし。やっぱり冬はしっぽくがええなぁ。あ、まだ10月だったっけ。
帰ろうと思って出口に向かうと、テーブルの上に「恐るべきさぬきうどん」が置いてあって、そばには新聞や漫画本も置いてあって、読書コーナーのような一角がある。せっかくだから新聞を読んでいくことにした。読み終えて帰ろうとすると、今度はお菓子がたくさん並べられているのに気づく。これはどう見ても売り物だな。手作りのおはぎが並んでいるのも見つけた。おやつに買うてったろ。町市場という名前のとおり、いろんなものが並んでいるうどん屋だった。
・・・しっぽくうどん(小) 280円也 (2003/10/26)
「かすが町市場」公式HP www.taiyow.co.jp/udon/ichiba/