めくるめくさぬきうどん

さぬきうどん巡りの旅 2003年春

堂尾のおばあちゃんに見送られて、坂出駅へと向かう。住宅街を抜けて長〜いアーケードを通って、駅前のサティの裏側を通るとまたアーケード。アーケードといっても車も行き交うふつうの道路にアーケードがかかっているのは、あまり見たことがないなぁ。

上原製麺所8軒目 上原製麺所(坂出市)

短いアーケードを抜けてさらに歩いて路地を曲がると、おお、あった。地図で見たからここに間違いないと思ったけど、ちょっと半信半疑だった。だって看板やのれんはないし、入り口は閉まってるし、人の気配がしないし、どう見てもうどんを食べさせてくれるようには見えん。予備知識がなかったら絶対ここにはたどり着けないぞ、と思わせるたたずまいだ。恐る恐るドアを開けてみる。

うわぁ、中は製麺所というより製麺工場だ。いろいろな機械が置かれて、麺が流れては袋詰めされていく。機械に囲まれた中でおっちゃんとおばちゃんが白い作業着姿で立ってる。上原製麺所は製麺所の中にあって、製麺行程を見ながらうどんが食べられる店だ。と知ってはいたけどちょっとビックリ!

おばちゃんのところへ歩み寄ると「どないします?」と聞かれた。え、どないしますと言われても、何て頼んだらええねん? メニューも見あたらんし、困ったなぁ。数秒の沈黙の後「一玉ください。」と言うのがやっとだった。すると「温めますか? 冷たいまま」と聞いてくれたので「冷たいままで」と答える。ようやく注文が完了だ。おばちゃんが袋に入った麺を開けて丼に移し、だしを注いでくれた。

上原製麺所のかけうどん どんぶりを受け取り、ねぎと生姜をのせて席に座る。席というのが工場の一番端っこ。入口のすぐ近くにテーブルと椅子が、「ここの場所があいているからここに置きました」と語るかのようにポツンと置かれているのだ。仕切なんてないからここに座れば製造工程が丸見えで、麺を作っている様子を見ながらうどんを食べられる。見学後に試食試飲のある工場は多々あれど、見学しながら食べられる所なんて珍しいなぁ。うどん代は払わなあかんけど。

麺はコシが控えめだったけど、それは袋詰めされてしばらく経っていたんだろう。だしはさっきの堂尾よりもほのかに濃いめ。今日は店を巡るたびにだんだんと味が濃くなってくなぁ。それよりこのたたずまいとシチュエーションには驚かされる。こんなお店があるのも讃岐うどんならではだろうな。

・・・一玉 100円也 (2003/5/10)

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