心 理 学 資 料 室
臨床心理士を目指している管理人が、今までに読んだ心理学関係の本を紹介しています。
中にはテキストのように、読むというより勉強のために開く、という性質の本もあります。
まあ、そのあたりは自分で実際に眺めて、
「ああ、これは読める」などと確かめてみてください(笑)
| 「必修1000 心理学基本用語集」 必修心理学用語編集グループ編/啓明出版 |
| たよりになりますよ〜この本は。心理学用語が、その英名のアルファベット順で配列してあります。各用語についての説明はまったく付いていません。それは自分で調べなければなりませんが、値段も500円とかなり手ごろ。まさに院試対策にはうってつけの本と言えるでしょう。 |
| 「イメージの心理学 心の働きと脳の働き」 J.T. E.リチャードソン/早稲田大学出版会 |
| ゼミでずっとイメージについての研究をしていますが、そもそもイメージとはなんぞやと言うところからはじめるために読んでみました。この本で扱っているのはおもに視覚イメージですが、その性質、記憶や思考などとの関連、半側無視のような脳障害との関連等々、いろいろな側面から解説してくれています。特に、最初のほうにあったイメージについての質問紙(VVIQ,QMI,TVICなど)の紹介は、研究を進める上でとても役に立ちました。 |
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「新版 要説心理統計法」 |
すでに日記でも紹介していたのでもう知ってる人もいるかもしれませんが、これはいい本です。統計の入門らしく、4つの尺度や平均、標準偏差、四分位偏差などの基礎から解説していて、かなりわかりやすいです。もちろん入門の地位に甘んじているわけではなく、各種の検定、分散分析や重回帰分析、さらには因子分析なども解説しています。実験や調査などで統計をやるときにはぜひ当該章を眺めておきたい一冊です。 |
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「ロールシャッハ・テスト 〜その実践・解釈・臨床例〜」 |
偶然にできたインクのしみの図版10枚をみせ、何に見えるかをたずねるという簡単なテストが、実は臨床心理学では一番大きく役立っているといっていいでしょう。これはそのロールシャッハテストの分析法のテキストです。このテストの解釈法にはいろいろありますが、ここでは今日本で一般的な「片口法」の解釈を扱っています。スコアリングの仕方からその計算法、系列(継列)分析、病態別の傾向、実践例などを紹介しています。片口安史氏本人の「新・心理診断法」よりも安価で薄く、結構わかりやすいので個人的にはよく使ってます。図版そのものが載っているので、まだロールシャッハを受けていない人は読まないほうがいいかもしれません。 |
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「カウンセリングの条件 純粋性・受容・共感をめぐって」 |
「カウンセリング論」で配られたテキスト(のうちの1冊)。よくカウンセリングの技法として「話を聞き、クライエントを受容し共感しなさい」と説かれることが多いのですが、その「受容」「共感」の原点とされるのがロジャーズの論文「治療的人格変化の必要十分条件」です。しかしこの論文には「受容せよ」とか「共感せよ」とはどこにも書かれていません。この本ではこのことを論の出発点として、この論文全体について、特にその中で掲げた6つの条件を中心に解説しています。私の周りではこの本はかなり評判が悪いのですが、私個人としては結構平易に書かれていると思います。ただ、話の飛躍があったりいらぬ挿入があったりと一部読みづらいところもままあります。そのへんは多少覚悟したほうがいいかもしれません。また、読む前にロジャーズについて一通り知っていたほうがいいでしょう。 |
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「キーワードコレクション心理学」 |
実はこれ、まだ読み終わってません(笑)。いやでもこれはいい本です。途中でもそれだけは言えます。広い範囲に及ぶ心理学の領域を9つの章にわけ、全部で100個のキーワード形式で概観しています。キーワードは心理学史、知覚、記憶、学習などの基礎理論から感情、心理療法、心理検査、社会心理などの応用分野までほぼ満遍なく網羅されていて、1キーワードごとに2〜6ページの説明がつきます。発達に関するものがすべて抜け落ちていますが(この姉妹本に「キーワードコレクション発達心理学」があるからでしょう)、院試対策としても使えますし、読み物感覚で読んでも結構面白いと思います。 |
「推測統計・はじめの一歩」 |
心理学に統計学はつき物ですが、では統計について分かりやすい本はと探してみると意外とないものです。その中で私が読んでみたのがこの本。1000円しないという、統計本としては手軽なものですが、「はじめの一歩」という割には数式がかなり出てきます。「これこれこうなるからこうなる」と説明するには数式は必要かもしれませんが、私はその数式を理解するのにかなり時間を割いてしまいました。それでも全部は理解できませんでしたが(汗)。なので、入門本としては、数学が得意でない人にはこの本はお勧めできません。むしろ、ある程度統計の意味がわかってきたところで、「はて、この手続きは数学的に見るとどういうことなのかな」と思ったときに開くといい本かもしれません。 |
「臨床心理士への道」 |
臨床心理士という資格についての基本的な情報が得られる本です。若干古い本ですので、指定大学院にかんするところや指定カリキュラム、受験資格の要件などは今と異なっています。そのあたりはこのサイトからのリンクで確認してください。そのほか、著者の学生時代の過ごし方とか、向き不向きなどについても書かれてあり、心理系の大学を考えている高校生などにはかなり参考になるものと思います。さらに知りたいと思う大学生や院生には「臨床心理士になるために」(資格認定協会編)が必要になるでしょう。 |
「自分のこころからよむ臨床心理学入門」 |
心の病、と呼ばれるものは意外と身近なとことろから理解できるものだ、そういう地点から出発し、うつ、対人不安、精神分裂病(現・統合失調症)についてのメカニズムを、特に社会心理学的な観点から解説しています。文章は平易で、恐らく初心者にも理解できるものだと思いますが、決して「さわり」だけを扱うというのではなく、ベックの抑うつスキーマ理論だとか、エリスのABC理論、さらには対人魅力の理論など、かなり深いところまで掘り下げてくれます。まさに、入門書の「鑑」です。臨床を学び始めると対象が「個人」になってしまうのでついつい社会心理学の知識はなおざりにされがちですが、その辺もこの本はしっかりと押さえてあって、社会心理の領域に踏み込むステップにもなれるでしょう。 |
「家族療法」 |
心理療法ののなかに、「家族療法」というのがあるのを知る人は多いでしょう。家族療法は、あるひとが抱える問題を、そのひと一人の問題ではなく家族の問題としてとらえ、家族間の関係(これを家族システムという)を変化させることで解決を図ろうという援助法です。この本には、8つのモデル事例が紹介されていて、セラピストがどのように家族に働きかけていくのかが描かれています。私は今ちょうど大学で家族療法の講義を受けていますが、平行して読むと結構ためになったりします。不登校やいじめなどのすべてが家族療法で治るのだ、という印象を与える可能性はありますが、最後にはベイトソンの家族システム理論についての簡単な説明も載っていて、初心者には分りやすい本かと思います。 |
「臨床心理学への招待」 |
今は懐かしき大学1年のときに、概論のテキストとして買わされた本です。題名のとおり、これ一冊読むと臨床心理学を「広く浅く」ではありますが知ることができます。ただ、明らかに「読み物」ではありません。軽い気持ちでの読破は難しいでしょう。途中で絶対眠くなります。(←経験者/笑) |
「「心の専門家」はいらない」 |
臨床心理に興味のある人や、カウンセラーになりたいと思っている人にとっては、衝撃的な題名ではないでしょうか。この本ではとことんまでに、心理療法、とくにロジャースのクライエント中心療法を批判しています。その代表的な言葉は、心理療法は「自由に決めよ、ただし望まれる形で」である、というものです。別の言葉では、やわらかい人間管理の技法、とも表現しています。この主張が正しいのかどうか、まだ私にはわかりません。しかし、こういう主張があるということを、心理学を学ぶ者として、目を背けるのでなくしっかりと理解しなければならないと思います。ちなみに私は、この本を読んで「臨床心理士を目指すのをやめよう」とは思いませんでした。けれど、自分が将来そういう職についたときに、常に頭の片隅に置いておいたほうがいい主張だ、と感じました。臨床心理を学ぶ人は必読、是非読んでください。そして、この問題を、ゆっくりと考えることをおすすめします。 |