6月の本棚 ■本棚の整理は冬がいい。そう、もう遅いよ。
 
 
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パレード ヴェロニカの鍵 よもつひらさか往還 千葉いきもの図鑑

『パレード』◆川上弘美◆平凡社◆ 一覧に戻る

著者の『センセイの鞄』のツキコさんとセンセイの続編というか、センセイがまだ生きていた頃のお話。

前作で久しぶりに感動したので、帯の「ふたりが過ごした、遠いこだまのような時間」という
文字に惹かれて買ってしまったが…。そう、買ってしまった、という感じなんですわ。

『センセイの鞄』は『センセイの鞄』だけで完結した方がよかった。

なんつーか、まんまと出版社にのせられたというかねぇ、この本はこの本で装丁もキレイだし、
挿し絵もいいから、ツキコさんとセンセイの話ではなく全く別の新しいシリーズとして出して
もらいたかった。期待しすぎた私もいけないんですが。

ツキコさんがセンセイとおつきあいしている時にセンセイに聞かせた幼い日の出来事。
確かに『センセイの鞄』もおとぎ話的なところがあったかもしれない。でもこれはねぇ、前作で
感動した人にとってはツライんじゃないかなぁ。

著者としては前作だけでツキコさんとセンセイの話を終わらせることが出来なかったんでしょう。
それはわかる。それはわかりますが、なんともうま〜くかわされたっていうか。
きっとこういうのが好きな人は「癒されます」なーんて言うんだろうなぁ。

『ヴェロニカの鍵』◆飛鳥部勝則◆文藝春秋◆ 一覧に戻る

これ読むのに1週間もかかってしまいました。長編というほど長くはなかったし、文体も初めて
読む作家さんの作品にしては読みやすかったんです。1週間もかかった理由はなんだ?

途中で眠くなってしまうんです。つまらんワケではない。むしろ登場人物と一緒に推理していくと
いうのは面白い。あー、なにがいけないんだ。

事件は郷寺秀という画家が密室で死亡していたことから始まる。第一発見者の久我和村と
香田庄乃。あぁ、わかった。この2人の押し問答がイライラするんだわ。

私は次に言おうとしていることを会話をしている相手に先に読まれるのが嫌いなんです。
言い当てる側にしてみればそんなに悪意はないとは思うんですが、なんていうのかな、
分析されているようでイヤなんですわ。

頼みもしないのに「私はあなたのこと、よくわかってるの」ってのはすごーく気分が悪い。
よくもまぁ、言い当てられた男(久我和村)が冷静でいられるのかがわからん。よほど女のことが
好きなのか、よほど鈍感なのか。でも設定では久我は非常に繊細な芸術家のはずなんですよ。

ミステリーとして読もうとすると、このふたりのやり取りが邪魔なんだけど、芸術家の物語として読むならこのやり取りはどうしても必要なものになってくる。

人間としてすごく重要なモノが欠落している登場人物ばっかで、この人と話してみたいと思わせる
ような人物がひとりもいないってのもそれはそれですごいことだ。

『よもつひらさか往還』◆倉橋由美子◆講談社◆ 一覧に戻る

よもつひらさか=黄泉平坂。現世と黄泉(よみ)の国の境となる坂をいう。
秘密めいた会員制倶楽部のバーテンダーの九鬼氏が作るカクテルを飲むと、いつの間にか夢か現か
わからない世界に引きずり込まれる。

祖父から譲り受けた「入江記念財団」ではあったが、当の慧(けい)君は所有権がどうとか、
財産が増えるなどということなど気にせず、とりあえず出入り自由になった倶楽部に顔を出す
ようになった。

慧君は今まで飲んだこともないような魅惑的なカクテルを飲み、冥界をさまよい遊ぶ。

この作品は1996年から2001年まで「サントリー・クォータリー」というサントリーの
季刊PR誌にカクテルストーリーとして連載されていたものだそうで、倉橋由美子さんはこういう
ところでこんなにいい作品を書いていたのか、とちょっと悔しくなりました。

でも単行本の表紙は私の大好きなイラストレーターのたむらしげる氏ですし、夜寝る前にふとんの
中で読むにはちょうどいい重さだし…あ!もしかして連載していた時にたむらしげる氏の挿し絵が
ついていたとなると、これはやっぱり悔しいなぁ。ホントのところどうなんでしょう?

お洒落で高級感漂う短編集。二日酔いなんかしないの。とーっても美味しいお酒なの。
やっぱりお酒はこんなふうに飲まないとね。

「髑髏小町」ではそのタイトル通り、コマチさんがドクロからガイコツへ、そして腐乱死体を経て
死後硬直し、100歳の老婆となり、時間がたつにつれどんどん若くなっていきます。
でもホラーではない。あくまでも上品な物語を貫いております。

ドクロのクチから若い女性の新鮮な舌が見え隠れする描写なんか、もうゾクゾクしちゃう。

『千葉いきもの図鑑』◆前園泰徳◆メイツ出版◆ 一覧に戻る

うちの掲示板に遊びにきてくれた方のオススメ本。
人から薦められた本は滅多に買わないんですけどね。へへ。ごめんなさいね。だって人が薦める
本ってたいていメディアで話題になったとか、ベストセラー本が多いんだもん。
せっかく読書感想を載せてんだから、あんまり有名でない、でも面白そうな本を読みたい。

この本を買ったのは、薦めてくれた方のコメントがとっても気になったっていうのと、
小説のように人それぞれの(極端な)感想を持つような部類の本ではないということ、
もともと私が図鑑好きだということで、掲示板の書き込みを見て5分後には楽天ブックス
注文してました。

さて。この本は千葉県限定のいきものばかりを集めたオールカラー図鑑であります。
著者は東京大学大学院野生動物学研究室に棲息しているヒト科の30歳。著者近影、一緒に
写ってる馬より可愛いぞ。うしし。

859種ですよ、掲載されてるいきもの。今まで千葉をバカにしてました。ごめんなさい。
こんなにたくさんの動物、昆虫、小植物、鳥がいたとは。いや、たくさんいたことに驚いてる場合
ではないな。こんだけのいきものを集めた著者がすごいんだな。
そーだそーだ、千葉がすごいんじゃないや。
わっはっは。(とにかく千葉県民の皆さんごめんなさい)

この図鑑で一番驚いたいきもの。それは「トリノフンダマシ」。ページをめくった時に思わず
グワって言っちゃいましたよ。どんないきものかは皆さん検索してみて下さい。

持ち運びにも便利な大きさ。装幀もキレイ。もちろん千葉県民以外の人にもオススメです。