6月の本棚 ■雨がざーざー降ってきて 。
『きらきら星をあげよう』◆山本文緒◆集英社文庫◆
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新刊かと思ったら88年の集英社コバルト文庫の復刻版でした。山本文緒さんが好きなくせに
この作品、知りませんでした。あちゃちゃ。
ご本人は巻末エッセーに「十年ぶりくらいに読み返したらもう体中がかゆくなっちゃって
掻かずにはいられない。かゆくて死ぬ」などと書いていますが、私はそのかゆさが心地よかった。
地方から東京の高校に転校してきた日和と家族、新しい仲間との生活。いいよ、これ。
復刻版が出なかったらずーっと読めなかったかもしれない。集英社さんに感謝。
『ぷりぷり県1〜5巻』◆吉田戦車◆小学館◆
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日本のどっかに「ぷりぷり県」がある(らしい)。
ぷりぷり出身のつとむクンは東京でサラリーマンをしているがいつも心はぷりぷり県とともに
いる。えぇいっ。ぷりぷり県の説明はいいわ。あとはみんな勝手に読んで。
他の実在する都道府県の話もあるんですが、特に長崎。長崎はわしのダンナの出身地。
長崎人は全員カステラが好きなのかと思っていたらやっぱりそうだったんだね、とダンナに
話したらブン殴られました。好きなら好きって認めればいいのに。
『野の花』◆木原浩◆山と渓谷社◆
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「野鳥」「山菜・木の実」に続いて、今度は「野の花」。
あぁ、本当にいい写真使ってるなぁ。
東京は野の花が少ない。でも気を付けて見れば道端に一生懸命咲いているではないか。
花の色と見られる場所で分類してあって、とても使いやすい図鑑。
え??野ブドウって食べられないの?ハエ類などの幼虫が寄生して虫のコブがつぶ状になるってか。
あー。食わなくて良かった。
『ジキル博士とハイド氏』◆スチーブンソン◆講談社青い鳥文庫◆
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どろどろ〜。こんなにどろどろした小説だとは思わなかったよぉ〜。小学校中級じゃ、まだ
早すぎるんじゃないかなぁ。
有名な小説なのに今回初めて読みました。
真面目なジキル博士は不真面目なコトも楽しみたい、という欲望から他の人格になれる秘薬を発明
します。いきなり凶暴なハイド氏になっちゃうんだもん。善と悪。
小説ではハイド氏が悪となってますが、こんなクスリを発明したジキル博士の方がよっぽど悪だと
思うんだが。
寝る前に読んだら自分が必死にアリバイ工作をしている夢を見ました。寝ながら泣いていたらしい。
おかげでまぶたパンパンでご出勤。
『オイスター・ボーイの憂鬱な死』◆ティム・バートン◆河出書房新社◆
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おともだちのくろきちさんオススメの1冊。(この時点ではまだ本人は未読。)
ティム・バートンと言えば「シザーハンズ」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」など落涙
モノの映画で有名。映画を見た人ならわかると思いますが、この物語に出てくる子供達はみんな
いわゆるフリークス。
世間の人たちから疎まれて嫌われる。挙げ句の果ては殺され忘れられてしまう。
切ない切ないおとぎ話。どれもこれも救いようのないおとぎ話。
「いかりの赤ん坊」の切なさよ。
『御家人斬九郎』◆柴田錬三郎◆新潮文庫◆
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俳優の渡辺謙さんが斬九郎を演じ、それからずっと原作を読みたいと思ってました。
御家人ってぇのは鎌倉幕府の将軍の家臣の自称だそうな。家臣なんだけど残九郎(斬九郎)は
貧乏なもんで「仕事(かたてわざ)」という内職をしてるんですな。その内職が諸家内密の処刑の
介錯。
やってることはかなり血生臭いんですが、斬九郎の立ち回り、刀さばきにほれぼれしてしまう。
酒好き女好きときてる。モテないわけない。でも彼には80歳になるくそ婆ぁ(母・麻佐女)が
ついている。 私は麻佐女のようなくそ婆ぁになりたい。
『向田邦子の青春』◆向田和子◆ネスコ◆
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81年航空機事故で亡くなった向田邦子さんの妹、和子さんによって描かれた姉の素顔。
向田邦子さんが今、生きていたら70歳。52歳で亡くなった彼女が死なずに生きていたら
どんな脚本を書いていたんだろう。
和子さんには姉のいい思い出しか残っていない。
姉の言葉のひとつひとつが心に残って、今、和子さんにペンを持たせたのではないだろうか。
若い頃の邦子さんはモデルさんみたいにキレイだ。キレイで頭がよくて思いやりがあって
ユーモアも兼ね備えていた。そんな人っているのかなーと思ったらココにいた。
『天使の耳』◆東野圭吾◆講談社文庫◆
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92年刊行の「交通警察の夜」を改題した短編集。
タイトル改題で文庫化はこの作品に関しては正解だな。
交通事故がもたらすヒトの運命の物語。私はこの短編集を読んで気づいた。
ミステリーは好きだが交通事故モノは続けていくつも読むのは苦痛で。
それぞれヒトの微妙な心の動きも描けていると思うし、オチも唸らせる作品が多いんだけど。
交通事故自体、日常茶飯事だからなぁ、あんまり続けて事故られても。
出来るなら「危険な若葉」を短編でなく長編でじっくり読みたい。わがままだな。
『ファイアボール・ブルース』◆桐野夏生◆文春文庫◆
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まず第一に私はプロレスが好きだ。思いりマイナーな選手のファンである。
バグジー・マグローなんか誰も知らないよなぁ。
神取忍をヒントとして作られた主人公「火渡抄子」は強くて美しい。
物語は火渡の付き人の「近田」の言葉で語られる。自らを「自分」と呼ぶ。まるで軍隊の世界である。
近田の一生懸命さがいい。
ミステリー作家の書いたモノにしてはミステリー色が非常に薄いがプロレスモノとしては満足。
後味スッキリ。「OUT」もこんくらいスッキリしてくれたらなぁ。
『何でもない話』◆遠藤周作◆講談社文庫◆
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人の日常生活の「何でもない話」を集めた短編集。
買った覚えはないが会社のロッカーに入ってたんで読んでみた。
なんでもない話の中に隠されたユーモアや恐怖。収録の 「気の弱い男」に妙に納得してしまうのは
自分とは正反対の人間だと思いつつ、この男の中に自分の内なる残忍性を見つけてしまったからかも
しれない。
遠藤周作さんの作品の中では「さらば夏の光よ」が一番好き。再読しよっと。
『出生率0(ゼロ)』◆大石圭◆河出書房新書◆
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う〜〜。どうしよう。ココには読んだ本しか載せないつもりだったんだけどなぁ。
いいや、載せちゃえ。
実はこの本、47ページでめげました。1999年人類に子供が生まれなくなる…っちゅう予言的
レベルだって帯に書いてあったから買ったんだが。いいかも〜と思ったのは最初のプロローグだけで。
横浜・品川・六本木と身近な地名が出てくるのに登場人物がルルだのスーだの。誰それ。
3日で47ページ。しかも読破できなかった。悔しい。でも読めない。
『海の短篇集』◆原田宗典◆角川文庫◆
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まず表紙のスリスリした感じが好き。雨の中を走る電車でうっとり読んだ短篇集。
タイトル通りぜんぶ海の物語。
もともとラジオ放送用の原稿として書かれたものを加筆(92年「透明な地図」を改題。これも改題
して正解)。
釣った魚が喋り出す「人の魚」。海岸で偶然拾った石の物語「成長する石」。読んでいるうちに目の
前に風景が広がってくる「美しすぎる風景」。レンズを通せばニセモノが一目瞭然の「贋のビーチ」。
旅の虫がウズウズしだしたぞ。
『pec magazine6』◆(株)パルコ宣伝部情報編集室◆同左◆
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吉祥寺パルコさんで表紙のカエルの絵が気に入って貰ってきた12ページの情報誌。
しかしカエルは表紙だけだった。けろ。
特集は「センスで楽しむビーズアクセサリー」。子供の頃に根気がなくて断念したビーズの指輪の作り
方が出ていた。 早速100円ショップでビーズを買ってきてチマチマ作り始めたが3個で飽きた。
「落胆度」の深層心理テストでは「失敗時には激しく落ち込み、時がたつと突然立ち直るタイプ」と
出た。みんなそうなんじゃねぇのか?
大好きな吉野朔実さんがこんなところに映画のコラムを書いていたなんて。またもらってこよう。
『本の雑誌1999.7扇風機初仕事号』◆本の雑誌社◆同左◆
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特集は「いちばん切ない恋愛小説」。外国モノなんだけど柴口育子さんの紹介している
『たんぽぽのお酒』がすごく読みたくなった。女95歳、男31歳。年齢差64歳の恋愛小説。
なんか読みたくなるよな。
新刊めったくたガイドで気になったのは高野ひろしさんお薦めの「毒婦伝」。毒婦だよ、毒婦。
新宿行ったら探してこよう。
『風呂で読む中原中也』◆阿毛久芳◆世界思想社◆
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ふふふ。また買ってしまった。湯水に耐える合成樹脂使用の本。
でも湯舟に浸けちゃうとページがめくれなくなります。でも乾かせばまた読めます。
活字中毒などと言いながらお恥ずかしい話なのですが、この本を読むまで 中原中也という人はあの
有名な帽子かぶった写真でしか知らなくて、詩も学校で習ったかな…?程度にしか覚えていません
でした。
「幾時代かがありまして…」で始まる『サーカス』が好き。お風呂で読むのはこればっか。
『仄暗い水の底から』◆鈴木光司◆角川ホラー文庫◆
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東京湾を中心とした「水」をテーマとした短編集。
「浮遊する水」なんか読んだらちょっと水使うの怖くなるよぉ。…とか言いながら水道水でごはん
炊いちゃう私。「海に沈む森」はホラーなのかなぁ。子供のいない私ですが父親と息子の物語に
ちょっと落涙。
彼の作品は「リング」しか読んでません。とっても面白かったんで「らせん」も「ループ」も読めなく
なってしまいました。だって感動薄れそうだったんだもん。
今回は短編集だっていうんで読んでみたんですが、参ったなぁ。面白いんですわ。
「らせん」「ループ」どうしよう。うーん。いや、もう少しあとにしよう。
『油断ちゃん』◆吉田戦車◆講談社◆
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韮崎油断ちゃんは地元商店街を守る秘密の諜報員(あと25年ほどで30歳)。
生まれながらのスパイ。きぃぃぃっ!かっちょい〜。
相変わらずバカキャラクター満載。油断ちゃんのお母さんは油実、お父さんは断三。だからって
「油断」って名前…。
第3話のハニーバニー&ヘアーのうさぎがいい味出してます。本物のうさぎが髪を切ってくれる
床屋さん。… 私もいつかあんなふうに上手に鈍器を使えるようになりたい…彼女のセリフをそのまま
いただこう。