5月の本棚 ■GWは本棚の整理だけで終わってしまった。
『死国』◆坂東眞砂子◆角川文庫◆
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ふむふむ。映画は見ていません。…っつうか評判あんましよくないからなぁ。
しかし、この原作がどこまで忠実に描かれたんだろう。
読んだ人ならわかると思うけど、 こりゃ映画化する方が無理でしょう。角川さん、無理矢理
作っちゃったった感じでしょうか。あ、だから見てないんだけどさ。登場人物の数が中途半端な
気がした。もっと出すなら出してくれ。もしくはもっと絞ってくれれば。あぁ、ちょっと消化不良。
『聞く猿』◆ナンシー関◆朝日文庫◆
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あ〜!この表紙のデザイン、全部欲しい。私の好きな黄色のバックに猿の消しゴム版画。
ナンシーさんがテレビ界65人の何気ないひとことに突っ込む突っ込む。私もその場面は見ていた
はずなのに。さすが。ココまで突っ込むと突っ込まれた本人も嬉しくなるだろう。
アリの章の「櫻井よしこ」セミの章の「川野太郎」バッタの章の「ガッツ石松」。
週刊朝日の連載コラムだから一番古いものは95年のなのに何故今読んでもおかしいんだろう。
『幕末写真の時代』◆小沢健志編◆ちくま学芸文庫◆
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みーんな会ったコトない人なんだけど一応高校は出てるからなんとなく知っている名前の人が
どっさり。
うちのばーちゃんちのネコは「小五郎」という名前だった。
それはばーちゃんが桂小五郎のファンだったから。ばーちゃんも桂小五郎には会ったことない
だろうから写真見てファンになったんだろう。ふむ。いい男だ。
しかし私だったら歳三(土方)ってつけたかも。…ってそんな読み方していいのか、この本。
『日航ジャンボ機墜落
朝日新聞の24時』◆朝日新聞社会部編◆朝日文庫◆
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たしか私が就職して何度目かのお盆休みだったと思う。生存者の一人と何度か顔を合わせたことが
あったため、当時は生存者のことばかりが気になっていた。日航ジャンボ事故関連の本を読んだのは
この本が初めてだった。
ボイスレコーダーの記録。日航123便の航図。遺書。乗客者名簿。墜落直後の生存者の声。
混乱する情報。全てが現実だったなんて今も信じられない。
『機関車先生』◆伊集院静◆講談社文庫◆
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気持ちのいい小説を読んだ。
舞台は昭和三十年代、瀬戸内海に浮かぶ小さな島。離島に赴任してきた機関車先生と子供達の交流を
すがすがしく描く。
機関車先生のピンチを助けに来た子供達がいい。風呂敷をマントのように翻し「いざとなったら
助けてやろうと思った」とたのもしいことを言う。四年生のヨウは先生が大好き。校長先生も下宿先の
よねババアもみんな機関車先生が大好き。こんな先生に私も会いたい。
『レッツラゴン1〜4巻』◆赤塚不二夫◆ごま書房◆
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あっ、おやじ、また酒呑んでる。手術して15キロも体重落ちたのにぐいぐいイってる。
ダンナがそろそろヤバイかもしれないって買ってきた「ギャグゲリラ」と「レッツラゴン」だった
けど、まだ描けるかな。いや、描けるっていうかあの人は存在自体がギャグだしな。
あれ?愛読者カードの他に予約購読カードが入ってるわ。
我が家には両誌とも4巻まであるから両誌5〜12巻の16512円か。えぇ〜いっ予約しちゃえっ!
『まことちゃん22巻』◆楳図かずお◆小学館◆
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あ〜あ〜。またバラで載せようとしてる。だってやっと「ひがみちゃん」出てきたんだもん。
それに沢田家にそっくりな恐竜一家のお話も載ってる。家族とはぐれたマコトザウルスがサワダ一家
ザウルスと再会するまでの感動(?)小編。
しかし楳図せんせはスクリーントーンを使わないでよくココまで描き込むよなぁ。
過去に肝臓悪くした時に一度だけ締め切り遅れたって言ってたけどそれ以来一度も遅れたコトない
んだと。う〜。すごい。
『橋ものがたり』◆藤沢周平◆新潮文庫◆
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友達のぐいんちゃんが「2冊あるから」と言ってくれた本。
時代小説、実はそんなに好きな方じゃなかったんだわな。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」も時代小説と
してではなく青春モノ、恋愛モノとして好きになったもんで。
でもハマっちゃった。人情モノの10編。それぞれが橋に関わる物語。
「赤い夕日」「殺すな」が特にいい。切なく、力強い江戸の世界に没入してしまいました。
『別冊本の雑誌4恋愛小説読本』◆本の雑誌社◆本の雑誌社◆
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ふふふ、10年も前のブックカタログ。まだ椎名誠さんがあまりテレビとか出てなかった時に
古本屋で見つけました。ちょっと昔の恋愛小説読みたくなって本棚の奧からひっぱりだしてきました。
ここで群ようこさんは畑山博さんの 『海に降る雪』は「ヒロインのセリフが気持ち悪くてガマン
できない」「恋愛小説は嫌い」と断言してらっしゃる。はは。私はこの小説、ものすごく好きなん
だけどな。
ちなみに群さんのお薦めは林芙美子のちゃぶ台小説『放浪記』。気になるぞ。読んでみっかな。
『貴方には買えないもの名鑑』◆原田宗典◆集英社文庫◆
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以前この原田さん、毎日新聞に「こんなもの買った」というコラムを書いていた。
毎日バカグッズを買ってきては妻になじられバカにされるがやめられないというエッセイでした。
その原田さんがまたバカグッズを買いまくってるのか…と思ったらどうやら架空のグッズらしい。
お金を出して買えるモノだけでは満足できなくなったようだ。
切ったら既に生ハム内蔵の「生ハムメロン」とかみんなで揺する「貧乏列車」。
イラスト長岡毅。「犬鼻」装着の男性はうちのダンナに似ている。
『地を這う虫』◆高村薫◆文春文庫◆
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「マークスの山」「レディ・ジョーカー」読んでないんです。高村さん初体験がこの作品集。
高村さんって女性なんだよなぁ。なんていうか男同士の物語というか、女も出てくるけど全然
ネックになってないというか、いや、すごくうまいとは思うんですわ。元刑事、というちょっと
特殊な経歴を持つ男たちの物語。
ただ他の長編はまだ読めないなぁって思いました。文庫の作品集だけで今のところは満足。
ちなみに文庫は93年の単行本を全面改稿したそうな。でも同じタイトルなんだな。
『本の雑誌1999.6蝙蝠傘一人旅号』◆本の雑誌社◆本の雑誌社◆
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あれま。もうそんな時期か。毎月いろんなアンケートハガキが入ってるんですが、今回は
「一九九九年上半期ベスト1」。いろいろ読んだけどコレってのが思いつかないなぁ。
読了直後は結構感動しているはずなんだけど。
吉野朔実劇場の「装幀の秘密」を読んで思わずニヤけてしまった。東野圭吾さんの話題作「秘密」に
ついて語ってるんですが、今まであちこちの書評で語られなかった内容を思いきりバラしてるん
ですわ。もう私は読んじゃったから笑って読めたけど。でもどっかで誰かがネタバレ覚悟で話を
切り出さないと永遠に読まなきゃわからない、読んだ人だけわかればいいってことになっちゃう
もんな。
『やっぱりおおかみ』◆佐々木マキ◆福音館書店◆
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本屋さんで色が気に入って買った絵本。絶滅したと思われるおおかみが本当は一匹だけ残っていて
仲間を捜してうろつくというお話です。
結局おおかみはウサギも豚もオバケも自分の仲間とは認めず、ひとりでおおかみとして生きていく
ことを自認するのですが、その気持ちに寂しさはありません。
3歳〜小学校初級向きの絵本。でも大人でも充分楽しめます。裏表紙の絵は額に入れておきたい
くらい好き。
『奇跡の人』◆真保裕一◆角川書店◆
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97年5月の発売と同時に買ってあったのに最初の14ページだけ読んで放ってありました。
だって最初の部分、好きになれなかったんだもん。テレビでもやってましたね。評判は聞いて
いませんが。
交通事故で8年間にわたる入院生活。その8年間と息子を守り続けた母の死。母親が守り続けて
きたモノに嫌悪感を覚えた。母親になったことのない私がどうこう言えることではないのかも
しれないが。ラストはちょっと作りすぎたような気がする。
『僕を殺した女』◆北川歩実◆新潮文庫◆
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秋田の謎のしーさん(誰だよ)お薦めの一冊。しーさんは読んでいて止まらなくなったと仰って
ましたが。
謎解きがややこしい。じっくり読まないと鍵を見落としてしまって、何度も前のページを読み返す
ことになります。私がバカなだけか?ふふ。
朝起きたら男であるはずの僕が女になっていた、というところから難解な物語は始まります。
題材としては珍しくはないが「僕」が「女」になった時の描写がうまい。
北川歩実さんというのは男なのか女なのか年齢も公表してないらしい。作家自体がミステリー。
北川さん28歳女性説に勝手に一票。
『自殺者現代日本の118人』◆若一光司◆幻冬舎アウトロー文庫◆
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しつこいようだが、私は若一さんの「ペラグラの指輪」に続く「死」を題材とした長編小説が
読みたい。
先月の本棚で海外の「自殺者の時代」に対して今月は「現代日本の118人」の自殺ドキュメント。
「父上様、母上様、三日とろろ美味しうございました」で始まるマラソンの円谷幸吉選手の肉親に
宛てた遺書。周囲の人間から次の金メダルを期待され、プレッシャーに押しつぶされ自らの命を
絶った27歳。
巻末の自殺と日本の動きの年表が悲しい。
『サラリーマンの魂』◆しりあがり寿・押切伸一◆扶桑社文庫◆
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「サバイバル入社式」「バタバタしてます!」以外はどーでもいい。漫画は面白いけど活字になると
つまらない。一番面白かったのがナンシー関さんのあとがき。 何故買ってしまったのか自分でも
わからない。会社の本棚にそっと置いておこう。
『ちくろ幼稚園』◆西原理恵子◆小学館◆
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会社の女の子から借りたコミック。「りえこちゃん」は可愛いんだけど他の登場人物の絵が怖い。
すごく。早く読み終わりたかった。
『漫画の時間・晶文社』でいしかわじゅんさんが「妙にウケを狙ったあざとい絵と内容だと思って
いたが、だいぶたってから再読し最初から丁寧に読んでいれば単純に割られたコマに溢れ出る
オリジナリティに気づいたはず」と評価していた。
でも私はこの作品に関しては彼女のうまさにまだ気づけないでいる。
『ナイフ』◆重松清◆新潮社◆
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いじめを題材とした短編集。好きな作家の書いた小説なので期待して読んだ。
期待を200%満たしてくれた作品。
私も小学生の頃にオルガンを弾いていていきなりフタを閉められたり、椅子に画鋲を置かれたり、
学校の帰り道に待ち伏せされて砂をかけられたりもした。誰にも相談はしなかった。出来ないのだ。
誰かに相談するなんてプライドが許さなかった。でも学校が好きだった。
収録の「エビスくん」の中のヒロシに小学生の私を見た。悲しいワケではないのに涙が止まらない。
『百年目の青空』◆宮沢章夫◆マガジンハウス◆
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宮沢章夫はいい。一生懸命悩んでいるようで恐らく悩んでないところがいい。
ヒトの奥底に眠る疑問や感情を容赦なく引っぱり出して活字にしてしまう。
腰痛持ち必読『出られないものには入らない』、モノを大事にする人必読『よくわからないネジ』。
装幀しりあが寿。いいぞ、とっても。
『うつくしい子ども』◆石田衣良◆文藝春秋◆
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9歳の女児を殺した犯人は13歳の少年だった。14歳の兄は現実から逃げずに真実と犯行の理由を
求めてひとりきりの調査を始めるが。神戸連続児童殺傷事件を思い出させる。
実際に起こった事件をモチーフにした小説というのは難しい。事実は小説よりも奇なり。
著者は子どもの心も大人の心も描ける作家だと私は思っている。
この作品が長編第一作目。今後の著者の独自の世界に期待したい。
『林檎の木の道』◆樋口有介◆中公文庫◆
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もと恋人の女の子が自殺した。葬式の日にぼくは彼女と同じ幼稚園に通っていたことを初めて知る。
たった2カ月のつきあいとはいえ、何故彼女はそのことを言わなかったんだろう?ぼくは彼女の死の
真相を探り始める。高校生の夏休み。
主人公のぼく・悦至が佐藤愛子さんの「太郎物語」の太郎に似ている。…ってことは私の大好きな
タイプ。クールで自分の世界を持っている、けど閉じこもっているワケでもない。
悦至だけでなく出てくる人物全ての設定が魅力的。夏の描写も素晴らしい。蝉の声が聴こえてくる。