キューバの旅-1
キューバ行きは、出国前に漠然としか頭の中になかったのです。というのは、ガイドブックに載っていた、国内でのビザ取得に要する日数と料金の高さに半ばあきらめていたのです。
格安航空券は一般に、帰国便の変更ができません。
私の旅は、着陸と離陸の場所と日時以外、日程を決めないで行動するのがほとんどです。メキシコシティから南東にバスで約7時間、その昔サポテカ文化の花開いたオアハカに数日間滞在した後、再び20余時間バスに揺られるとユカタン半島の古都メリダに着きます。
メリダの近郊には、マヤ遺跡のピラミッド群がこれでもかというくらい聳えています。二昔前に訪れたとき、野口英世の弟子Dr. Otilio R. Villanuevaと語り合った(と言っても、当時スペイン語はほとんど解らず、彼が一方的にしゃべった)のと同じホテルに部屋をとり、受付嬢にキューバ行きの希望を言うと、早速に電話をかけて捜してくれました。
残念ながら、捜してくれたツアーは短期間の割に高かったので、結局断りました。
街をぶらぶらしながら旅行社を回り、カンクン発の4泊5日で350ドルのツアーを見つけました。これには、空港ーホテル間の交通費(タクシーで片道15ドル以上)、朝食付きのホテル代、ビザ代が含まれており、適当と判断して申し込みました。
後で分かったのですが、ツアーといっても実は一人だけだったのです。
さらにカンクン空港では、往復航空券を持っていればその場でビザを10ドルで発行してくれる、ということ知りました。正直言ってキューバ航空の古い機体は、私を少し不安にしましたがそれも僅かの時間で、機は首都ハバナのホセ・マルティ空港に到着しました。
入国検査の前に、素敵なキューバ女性が地図を売っており、情報の少ない私にはこれ幸いだったので一部買い求めました。価格は3ドル位だったと思います。
ついでながら、ハバナでは観光客に限らず流通しているお金は米ドルが一般的です。ただしつり銭としての小額コインは流通量が少ないので、等価のキューバ製コインが使われています。入国検査はあったかなかったか覚えてないくらいに簡単で、旅券に押された入国スタンプは、遠慮がちに小さなものでした。
メリダの旅行社では、ゲートを出たところに出迎えの者が居るということでしたが、乗客が全て空港を離れてしまい、私一人になっても一向に現れる気配はありませんでした。
またしても「メキシコ的約束」だったのかな?と思い直し、さてどのようにしてホテルに行こうかと思案していると、空港の職員らしき男性が「誰を待っているの?」と話しかけてきました。