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精神障害者保健福祉手帳等級の判定基準

この文章は「SATOYASU 心の blog」精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)の認定基準 [2005/07/12] を元にしています。

精神障害者健康保健福祉手帳に適用される病名

精神障害者保健福祉手帳の病名等の基準は自立支援法施行後も変更されていない為申請方法・基準等については以前のままです。ですから適用される病名については旧制度の通院医療費公費負担制度に適用される病名と同じです(参考 第32条通院医療費公費負担制度(旧制度)の対象になる精神病名等

福島県精神保健福祉センターがホームページに掲載している ICDコードの一覧 から再度引用させて頂きます。

■ F00-F09 症状性を含む器質性精神障害■

F00 アルツハイマー<Alzheimer>病の痴呆
F01 血管性痴呆
F02 他に分類されるその他の疾患の痴呆
F03 詳細不明の痴呆
F04 器質性健忘症候群,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F05 せん妄,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F06 脳の損傷および機能不全ならびに身体疾患によるその他の精神障害
F07 脳の疾患,損傷および機能不全による人格および行動の障害
F09 詳細不明の器質性または症状性精神障害

■ F10-F19 精神作用物質使用による精神および行動の障害 ■

F10 アルコール使用<飲酒>による精神および行動の障害
F11 アヘン類使用による精神および行動の障害
F12 大麻類使用による精神および行動の障害
F13 鎮静薬または催眠薬使用による精神および行動の障害
F14 コカイン使用による精神および行動の障害
F15 カフェインを含むその他の精神刺激薬使用による精神および行動の障害
F16 幻覚薬使用による精神および行動の障害
F17 タバコ使用<喫煙>による精神および行動の障害
F18 揮発性溶剤使用による精神および行動の障害
F19 多剤使用およびその他の精神作用物質使用による精神および行動の障害

■ F20-F29 精神分裂病,分裂病型障害および妄想性障害 ■

F20 精神分裂病
F21 分裂病型障害
F22 持続性妄想性障害
F23 急性一過性精神病性障害
F24 感応性妄想性障害
F25 分裂感情障害
F28 その他の非器質性精神病性障害
F29 詳細不明の非器質性精神病

■ F30-F39 気分[感情]障害 ■

F30 躁病エピソード
F31 双極性感情障害<躁うつ病>
F32 うつ病エピソード
F33 反復性うつ病性障害
F34 持続性気分[感情]障害
F38 その他の気分[感情]障害
F39 詳細不明の気分[感情]障害

■ F40-F48 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害 ■

F40 恐怖症性不安障害
F41 その他の不安障害
F42 強迫性障害<強迫神経症>
F43 重度ストレスへの反応および適応障害
F44 解離性[転換性]障害
F45 身体表現性障害
F48 その他の神経症性障害

■ F50-F59 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 ■

F50 摂食障害
F51 非器質性睡眠障害
F52 性機能不全,器質性障害または疾病によらないもの
F53 産じょく<褥>に関連した精神および行動の障害,他に分類されないもの
F54 他に分類される障害または疾病に関連する心理的または行動的要因
F55 依存を生じない物質の乱用
F59 生理的障害および身体的要因に関連した詳細不明の行動症候群

■ F60-F69 成人の人格および行動の障害 ■

F60 特定の人格障害
F61 混合性およびその他の人格障害
F62 持続的人格変化,脳損傷および脳疾患によらないもの
F63 習慣および衝動の障害
F64 性同一性障害
F65 性嗜好の障害
F66 性発達および方向づけに関連する心理および行動の障害
F68 その他の成人の人格および行動の障害
F69 詳細不明の成人の人格および行動の障害

■ F70-F79 精神遅滞 ■

F70 軽度精神遅滞
F71 中等度精神遅滞
F72 重度精神遅滞
F73 最重度精神遅滞
F78 その他の精神遅滞
F79 詳細不明の精神遅滞

■ F80-F89 心理的発達の障害 ■

F80 会話および言語の特異的発達障害
F81 学習能力の特異的発達障害
F82 運動機能の特異的発達障害
F83 混合性特異的発達障害
F84 広汎性発達障害
F88 その他の心理的発達障害
F89 詳細不明の心理的発達障害

■ F90-F98 小児<児童>期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害 ■

F90 多動性障害
F91 行為障害
F92 行為および情緒の混合性障害
F93 小児<児童>期に特異的に発症する情緒障害
F94 小児<児童>期および青年期に特異的に発症する社会的機能の障害
F95 チック障害
F98 小児<児童>期および青年期に通常発症するその他の行動および情緒の障害

■ F99- 詳細不明の障害 ■

F99 精神障害,詳細不明

■ G40-G47 挿間性および発作性障害 ■

G40 てんかん
 G40.0 局在的に発症する発作を伴う(巣状)(部分)特発性てんかんおよびてんかん(性)症候群
 G40.1 単純部分発作を伴う(巣状)(部分)症候性てんかんおよびてんかん(性)症候群
 G40.2 複雑部分発作を伴う(巣状)(部分)症候性てんかんおよびてんかん(性)症候群
 G40.3 全身性特発性てんかんおよびてんかん(性)症候群
 G40.4 その他の全身性てんかんおよびてんかん(性)症候群
 G40.5 特殊なてんかん症候群
 G40.6 大発作,詳細不明(小発作を伴うものまたは伴わないもの)
 G40.7 小発作,詳細不明,大発作を伴わないもの
 G40.8 その他のてんかん
 G40.9 てんかん,詳細不明
G41 てんかん重積(状態)
 G41.0 大発作性てんかん重積(状態)
 G41.1 小発作てんかん重積(状態)
 G41.2 複雑性部分てんかん重積(状態)
 G41.8 その他のてんかん重積(状態)
 G41.9 てんかん重積(状態),詳細不明
G47 睡眠障害
 G47.0 睡眠の導入および維持の障害[不眠症]
 G47.1 過度の傾眠[過眠症]
 G47.2 睡眠・覚醒スケジュール障害
 G47.3 睡眠時無呼吸
 G47.4 ナルコレプシーおよびカタプレキシー
 G47.8 その他の睡眠障害
 G47.9 睡眠障害,詳細不明

同じく福島県精神保健福祉センターの説明
通院医療費公費負担制度および精神障害者保健福祉手帳の診断書記載にあたってのお願い
が参考になりますので参照して下さい。

一つ注意点ですが「重度かつ継続」の評価について解説されていますがこれは新制度の自立支援費支給制度を申請した時に判定される物です。精神障害者保健福祉手帳の申請に際しては「重度かつ継続」の評価は関係ありませんので混同しないように願います。
しかし現実には精神障害者保健福祉手帳を申請して自立支援費支給制度を利用しない方は居られないと想定される為、精神障害者保健福祉手帳申請時に自立支援費支給制度を同時に申請する手順が説明されている為少し混乱を招き易い記述になっています。

なお上記説明の中で精神遅滞の人は精神障害者保健福祉手帳の対象とならないとの記述がありますが療育手帳については医者の診断書は必要なくIQテストや面談等全く違った判定方法で判断しており病名として厳密に区別している訳ではありません。
参考 愛知県豊田市障害福祉課療育手帳の申請

精神障害者保健福祉手帳用の診断書の記述内容について

次に 第32条通院医療費公費負担制度(旧制度)の対象になる精神病名等 と同様に

■精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係通知の改正について(◆平成14年03月29日障発第329008号)

から精神障害者保健福祉手帳用の診断書を引用します。通知のこの部分については障害者自立支援法が施行された現在でも変更なく有効です


診断書(精神障害者保健福祉手帳用)
----------------------------------------------------------
氏名
----------------------------------------------------------
明治・大正・昭和・平成   年  月  日生( 歳)
----------------------------------------------------------
男・女
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住所
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@ 病名 (ICDカテゴリーは、F0〜F9のいずれかを記載)
(1) 主たる精神障害          ICDカテゴリー(   )
(2) 従たる精神障害          ICDカテゴリー(   )
(2) 身体合併症
----------------------------------------------------------
A 発病から現在までの病歴(推定発病年月、精神科受診歴等)
----------------------------------------------------------
B 現在の病状、状態像等(該当する項目を○で囲む)
 (1) 抑うつ状態
   1思考・運動抑制 2刺激性、興奮 3憂うつ気分 4その他(   )
 (2) 躁状態
   1行為心迫 2多弁 3感情高揚・刺激性 4その他(   )
 (3) 幻覚妄想状態
   1幻覚 2妄想 3その他(   )
 (4) 精神運動興奮及び昏迷の状態
   1興奮 2昏迷 3拒絶 4その他(   )
 (5) 分裂病等残遺状態
   1自閉 2感情鈍麻 3意欲の減退 4その他(   )
 (6) 情動及び行動の障害
   1爆発性 2暴力・衝動行為 3多動 4食行動の異常 5その他(   )
 (7) 不安及び不穏
   1強度の不安・恐怖感 2強迫体験 3その他(   )
 (8) 痙れんおよび意識障害
   1痙れん 2意識障害 3その他(   )
 (9) 精神作用物質の乱用及び依存
   1アルコール 2覚せい剤 3有機溶剤 4その他(   )
 (10) 知能障害
   1知的障害(精神遅滞)   ア軽度 イ中等度 ウ重度
   2痴呆
----------------------------------------------------------
C Bの病状・状態像等の、具体的程度、症状等
----------------------------------------------------------
D 生活能力の状態(保護的な環境でなく、例えばアパート等で単身生活を行った場合を想定して判断して下さい。)
..........................................................
1 現在の生活環境
  入院・入所(施設名  )・在宅・その他
2 日常生活能力の判定(該当するもの一つを○で囲んで下さい。)
 (1) 適切な食事摂取
   自発的にできる・自発的にできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (2) 身辺の清潔保持
   自発的にできる・自発的にできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (3) 金銭管理と買物
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (4) 通院と服薬(要・不要)
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (5) 他人との意思伝達・対人関係
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (6) 身辺の安全保持・危機対応
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (7) 社会的手続や公共施設の利用
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
 (8) 趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加
   適切にできる・概ねできるが援助が必要・援助があればできる・できない
3 日常生活能力の程度
 (該当する番号を選んで、どれか一つを○で囲んで下さい。)
 (1) 精神障害を認めるが、日常生活及び社会生活は普通にできる。
 (2) 精神障害を認め、日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける。
 (3) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。
 (4) 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、常時援助を必要とする。
 (5) 精神障害を認め、身のまわりのことはほとんどできない。
----------------------------------------------------------
E 現在の精神保健福祉サービスの利用状況
(社会復帰施設、小規模作業所、グループホーム、ホームヘルプ、訪問指導等)
----------------------------------------------------------
F 備考
----------------------------------------------------------
 平成  年  月  日
 医療機関所在地
 名称
 電話番号
 医師氏名(自署または記名捺印)
----------------------------------------------------------

診断書の記述についてのポイント

旧制度の通院医療費公費負担用の診断書と@〜C、E以降は全く同じです。

診断書の構成から精神障害者保健福祉手帳は

(1)病名が適用される病名である事
(2)病状・症状の程度
(3)生活能力の状態の程度

によって判断されます。

(1)と(2)はあくまでも病気に関する事であり病人としてどうなのかと言う事です。

ですから障害者であるかどうかの判断は基本的には(3)の生活能力の状態の程度 によって決まります。
もちろん(1)(2)との整合性は必要となります。

生活能力の状態の程度について

「2 日常生活能力の判定」

で8種類の個々具体的行動の能力を判定します。

「3 日常生活能力の程度」

は 2 を踏まえて5段階で総合的な評価を判定します。

ですからこの5段階のどれに○を付けるかによって実質的に主治医による申請者が何級であるかの意見表明になります。


2 の生活能力の状態の程度 について

例えば最初に

 (1) 適切な食事摂取
   自発的にできる・自発的にできるが援助が必要・援助があればできる・できない

とあります。

これだけ見れば普通の人なら当然食事くらい援助なんかなくても「自発的にできる」に○を付けるでしょう。

しかし生活能力を判断する上での条件がいくつかあります。

まず診断書自体に書いていますが

保護的な環境でなく、例えばアパート等で単身生活を行った場合を想定して判断して下さい。

と言う条件。

また精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項に詳しい説明がありますが

「(1)適切な食事摂取」の説明として

食物摂取(栄養のバランスを考え、自ら準備して食べる)の判断などについての能力障害の有無について、意志の発動性という観点から、自発的に適切に行うことができるかどうか、助言、指導、介助などの援助が必要であるかどうか判断する。

と書かれています。

つまり適切な食事摂取とは目の前に出された食事を適切に食べる事ができる事ではなく「栄養のバランスを考え、自ら準備して食べる」事なのです。

他の7項目もかなりレベルの高い視点からの判断を求めています。

自発性も判断の要素として含まれていますし「援助」は「助言、指導、介助など」と幅広い行為としてとらえられています。

食事を作ってもらう掃除や洗濯をしてもらうは「介助」ですし、自分で予定を立ててその通り行動できなくて前日や当日に予定を言ってもらったりするのは「助言」「指導」です。

それらが必要な場合「援助が必要」という事になります。

このような基準からもう一度「2 の生活能力の状態の程度」を見直してみると

病気でない人でも特に(1) 適切な食事摂取 (2) 身辺の清潔保持 に関しては
 「援助があればできる」または「できない」になってしまう人も少なくないのではないでしょうか。

手帳の申請ができるのは初診日から6ヶ月以降です。

それだけの期間治療しても症状が思わしくない人であれば医者が本来の基準に従って「D 生活能力の状態」を記述すれば精神障害者保健福祉手帳の取得はそれ程ハードルは高くないはずです。

ところが医者が病名の基準や本来の「D 生活能力の状態」の判断基準を理解していない為に不当な評価を受ける場合が少なくない様です。

実際に当事者から聞いた話ですがうつ病で仕事を休職し数年間家にこもりっきりになっていても「うつ病では手帳は取得できない」と言う医者が居たり「神経症では手帳は取得できない」と言う医者がいるそうです。

医者任せにせず基準に沿った診断書を書いてもらい為の働きかけも大切

精神障害者保健福祉手帳の申請に際し生活能力について改めて問診を行う医師は案外と少ないようですし判断基準についてしっかり確認する、あるいは判断基準について熟知している医者もあまり多くないように思われます。私は本来の基準を適用した診断書が作成されればもっと多くの人が精神障害者保健福祉手帳を取得できるのではないかと思っています。
医師との信頼関係も大切ですので難しい面もあります。適当に診断書を書いてしまいそうな医者であっても少しでも患者の声を聞く姿勢を持っている場合でしたら患者の側も生活能力の項目に関して現在の自分の状況について文章化して資料として提出し率直に相談できる方向に持って行くような努力も必要ではないかと思います。

[ 2006/04/12 ]
[ 2007/02/21 ] リンクずれ修正

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