無所属・香川県議会議員 渡辺智子(さと子)の県議会リポート
「さとこ通信」Web版
さとこ通信28号(2000.11.20)
永住外国人に選挙権を与えない?!
全国初の恥ずかしい意見書
9月議会最終日(10/17)、永住外国人に地方選挙権を与える法案に反対する意見書案を自民党が可決。
全国の33の都道府県議会からは「選挙権を与えるべき」という意見書が出ているのに、「選挙権を与えるな」というのは香川県議会が初めてです。
3年前の「従軍慰安婦」教科書記述削除を求める意見書のときもそうでしたが、なんでこんな超保守的なことだけ全国に先がけるの?!
日本人になればいい?!
自民党の意見書では外国人に選挙権を与えるのは憲法違反だとしていますが、最高裁の判決も外国人の地方参政権を否定していません。
また、「選挙権を得たいなら、帰化して日本人になれ」というのは、歴史的背景を無視したあまりに傲慢な考え方です。
永住外国人の多くは、戦前の日本の植民地支配の結果、朝鮮半島から強制連行などで日本に移り住むことになった人たちとその子孫だからです。
国際化に逆行
また、この意見書を生んだ背景には「外国人はいざとなると、日本人に敵対するもの、信用できないもの」という外国人観が感じられます。だから、外国人に物事を決定する権利は与えたくないというのでしょう。
こうした意識は、外国人と地域でともに生きようとする国際化社会に逆行するものです。
自民党は全員賛成?
自民党の中にも、比較的リベラルで国際感覚のある人もいるはずなのに、なぜ全員一致で賛成?議案への賛否を会派で縛らずに、一人一人が責任をもって判断し、勇気をもって意思表示するようになれば、議会は本当の議論の場になるはずです。
「議員の県公共工事請け負いは止めよう」
という決議は否決
政治家とお金の黒い関係・・・議員が自らを厳しく律しなければ、政治への根深い不信感は解消できません。
9月議会で全員一致で決議した高松市議会を初めとして、県内の3市16町や徳島県議会でもこうした決議がされているのに、香川県議会は否決。他の会派は全員賛成したのに、自民党が反対したのです。
一方、自民党は、ことばは美しいけれど中身のない「政治倫理確立に関する決議」を可決。
自民党県議の約4分の1が建設業関係者。渡辺は討論の中で「美しいことばだけでは政治倫理確立はできない。議員一人一人が行動で示さねば。関係の議員も、政治を志した者として、政治への信頼を取り戻すために勇気をもって決断して欲しい」と訴えたのですが・・・。
市民オンブズ香川の「談合防止策の改善を求める請願」は不採択に
談合があった場合の損害賠償の最低額を6%と決めておく、また、指名停止期間を2倍に延ばすという、市民オンブズ香川の請願は委員会で不採択となったので、渡辺は本会議で討論しました。
「根拠のない損害賠償を強いることになる」「契約の公平性という点で問題」という請願への行政の反論は、まるで談合した業者をかばっているよう。談合によって失われる県の公共事業への信頼という損害だけでも6%を上回るとも考えられます。
折りしも、サンポート高松区画整理事業の入札で談合の疑いがあり、入札が取り消され、関係業者は他の工事の指名からもはずされる、という事件があったばかり。
県が「談合は許さない」という毅然とした態度を示していれば、こんなことは起きなかったかもしれないのに。
ドメスティック・バイオレンス(夫や恋人からの暴力)対策の推進を求める意見書が
出せた!
渡辺が提案した原案に対して、自民党以外の全会派が賛成してくれたので、無視できなくなったのでしょうか、自民党からそれを簡略化した意見書案が。
細かな手直しをして欲しいところもありましたが、「そんな言うんなら、もう出さん」なんて言われて妥協しました。自民党の議員はその必要性を今ひとつ理解していないようでしたが、少なくとも否決するのはまずい、ということだけはわかってもらえたようです。
自衛隊の旅団化を求める意見書可決
善通寺の自衛隊を今より大規模な旅団にという意見書が自民、改新の賛成で可決。災害支援と地域の活性化のためというのが名目です。
でも、昨年成立したガイドライン関連法によれば、米国が戦争をするときは自衛隊がその後方支援をすることになっています。自衛隊はまぎれもない軍隊なのであり、後方支援基地は敵の攻撃対象にもなりうるのですから、地域の活性化などという目先の利益に惑わされないで!と言いたい。
収穫がたっぷりの視察旅行
企画建設委員会の2泊3日の九州への県外視察の機会を生かし、2日目の夕方から別行動。「バリアフリーをつくる」(岩波新書)の著者、光野有次さんを諫早市に訪ねました。
光野さんは障害のある人のための道具づくりなどに取り組み、障害者も健常者もともに宿泊したり、遊んだりできる「長崎でてこいランド」を創った人。
私も宿泊しましたが、ゆったりと気持ちのいい空間でした。
「虹と緑」の仲間、諫早市議岩永賢一さんにも諫早湾干拓事業の現地を案内していただき、巨大公共事業の矛盾点を具体的に解説していただきました。また、議論の場として機能している活発な議会の様子についても伺いました。
翌日は、福岡県筑穂町のバリアフリー町営住宅と健康福祉総合センターを訪ねました。「議会の視察にあきたらず、自分で企画して見学に来る女性議員だから、きっとやる気のある人だろうと思って、資料を用意しておきました」と言ってくれたセンター長の仲光志賀子さんと意気投合。
介護保険制度の中で、やはり行政がしっかりしなければならないということを現場の力強い実践とともに伺えました。
ちょうど会議があるということで、福岡県女性総合センターまで連れて行ってご案内下さるというおまけまでついて、とても収穫の多い視察旅行となりました。
教育もコスト第一?
中高一貫校の給食は民間委託
来春、高松北高に新設される中高一貫の県立中学の給食は経費節減のため民間委託されることになり、その補正予算案が9月議会に提案されました。
議会最終日、社民と4人の一人会派は、予算を凍結してもっと議論するよう、この補正予算の修正案を提案しましたが、自民と改新の反対で否決。
食のあり方を学ぶ、地元の野菜や魚を使うことで、自分たちと社会とのつながりを体感する、など給食にはさまざまな教育的な可能性があります。
もし、コストを云々するなら、例えば調理施設やその人員を高齢者のデイサービスや配食サービスに活用することによって効率化することもできるはず。
深刻な教育問題を解決するためにも、この給食問題、クラスの少人数化や、学校図書館への人の配置など、教育にかけるお金をケチらないで欲しい。
企画建設委員会から
環境先進県をめざす気は?
渡辺 一般住宅の太陽光発電システム設置への助成策は?
企画部長 国の制度の動向を見極めたい。啓発はするが、県独自の助成は大変困難。
渡辺 一般家庭の合併処理浄化槽の再生水利用促進のための助成策は?
企画部長 小規模雑用水の利用について研究しているが、財政が厳しいので助成策は困難。基本的に市町が対応すべき。
渡辺 直島町に新設される県営住宅を太陽光発電、雨水再生水利用、ゴミの共同コンポスト処理などにより、環境配慮のモデル的な住宅にしては?
住宅課長 団地内の緑化と透水性の舗装などを行う。
本当に談合はないの?
渡辺 第二次水道拡張事業の5000万円以上の工事の平均落札率は98.6%。県の平均落札率より2ポイント以上高いが、高すぎるのでは?
建設管理課長 強いて言えば送水管敷設工事は積算のための単価等が公表されており、他の工事より積算が容易。
渡辺 入札参加業者をもっと増やした方が競争性が確保されるのでは?
建設管理課長 工事の内容や規模などに即しきめ細やかに対応。技術力・経営力にすぐれた地元企業の育成に努める。
企画建設委員会ではこの他、琴電かざしが丘駅エレベーター設置、公共事業再評価委員会のあり方、談合防止策、土庄町採石場問題などについて質問しました。
平和へ・・・行動する高校生たち
(8.15戦争体験を語りつぐ会)
今年の戦争体験を語りつぐ会は、初めての試みとして沖縄・広島・高知・香川の高校生たちの平和への取り組みを報告してもらいました。
沖縄からの3人の高校生は、米軍の原子力潜水艦が寄港するホワイト・ビーチについて調べ、学校で「歌と詩でつづる平和の集い」として報告したこと、米軍の戦車が日常的に町を通る恐怖などを語ってくれました。
交流会で沖縄の歌や踊りを披露してくれる彼女たちを見て、集えば誰もが歌い踊る、豊かな文化の中で育ってきたのだなあ、ということを実感しました。
周りの大人たちが、基地や平和の問題にきちんと向き合って行動する姿を見ているからこそ、彼女たちもまた、まっすぐな視線で問題を見つめ、行動してきたのでしょう。
「沖縄に生まれてよかった。沖縄が変われば、日本が変わる」ということばが印象的でした。
「17歳」が何かと問題にされる昨今ですが、若者たちのありようは大人たち自身の生き方を映し出しているのだなあと改めて感じました。
うれしかったのは、新聞を見て当日参加してくれた高校生が「私も行動する勇気がわいてきた」と発言し、早速香川のグループに加わってくれたこと。やっぱり勇気と元気は伝染するんですね。
平和憲法を生かす香川県民の会
政党を越えて発足
日米新ガイドライン関連法、国旗・国歌法、盗聴法、憲法調査会の設置など、戦前への回帰を思わせるようなこの国の動きに危機感を抱いた人たちが、政党の枠を越えて「平和憲法を生かす香川県民の会」を立ち上げました(10月30日設立総会)。渡辺さと子も代表呼びかけ人の一人です。
政治への失望が、人々をこうした危険な政治の流れにも無関心にさせていますが、今何が起きているのかをしっかり見据え、私たちができることは何なのかを発信し、行動していきたいと思います。
あなたもぜひご入会下さい。