| 安全な豚肉生産へのこだわりI | TOKYO X物語 TOPへ | ||||||
| 東京都消費者モニターのアンケートで、豚肉に求められている要望は、いつも安全性が第一位である。他のアンケートでもほぼ同じである。輸入肉が増え、価格競争が続いている現在、食肉の安全には高い関心がある。 少し前の話になるが、豚は薬づけ飼育だと報道されたことがある。 豚に肺炎や肝臓などの病気が多い実態は、と畜場での肺や肝臓の一部が廃棄されている、いわゆる部分廃棄(ぶぶんはいき)の数値から指摘されたものだ。 と畜場では1頭づつ脾臓やリンパ節など、指標となる場所を厳密に検査し、病気の兆候がないか調べ、肺炎の痕跡のある肺臓や肝臓の白斑が見つかれば、部分廃棄される。廃棄は良いことではないが、次のようなこともある。 抗生物質入りの飼料を長く食べさせた豚は、むしろ病気の痕跡などはないことが多い。農薬を多く使った野菜の方が、虫食いの跡が全くなく、きれいすぎるのと似ている。 畜舎を休ませることなく、同じ畜舎で長く飼っていると、病気が増える。例えば、豚回虫症が増え、肝臓に白斑ができる。 |
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| 豚市場の価格の低迷と輸入豚肉の増大に対応するため、養豚農家では規模拡大が進み、一戸あたりの飼育頭数は増え続けて来た。当然、飼育豚全体に眼が届かなくなる。畜舎いっぱい豚を飼い、小さな豚房に多くの豚を入れることになる。これを蜜飼い(みつがい)と呼ぶ。その結果、豚のストレスが増し、闘争による傷から皮膚病になり、肺炎などの病気が増える。やがて治りにくい慢性となる。治療には抗生物質など薬品が使われる。獣医師による治療と高い薬代を必要とする。 そこで、手間がかからないよう飼料に添加した抗生物質・抗菌剤で予防しようとする。こうして、規模の拡大は薬品の使用増の悪循環に陥ることになる。 こうした事は国内に限ったことではない。 しかし、多くの関係者は、薬品代を減らしたいと考えていることも確かだ。解決法の一つとして、SPF豚(特定病原菌不在豚)による飼育がある。豚の慢性病を親から子に伝わるところを、初めに手術により子宮から無菌的に子豚を取り出し育てる。その後も病原菌を入れないよう密閉された畜舎で飼育し、抗生物質、抗菌剤を与えないでも病気にならない飼育ができるとされている。 TOKYO X豚の完成と同時に、この豚を健康に飼って消費者に安心して食べて頂くために、農家に4つの条件を提案した。いわゆる東京SaBAQ(さばっく)牧場である。 先ず、安全飼育の徹底。肥育期間中は飼料に抗生物質を添加した餌は使わない。予防的な投薬もしない。その代わり子豚にワクチン中心のプログラムを実施する。飼料原料のトウモロコシは非遺伝子組み換え(除草剤に耐性のある遺伝子を組み込んだトウモロコシが作られはじめた。そうしたトウモロコシではないもの)で、ポストハーベスト・フリー(収穫後の農薬未使用)のものを採用する。その後、遺伝子組み換え大豆が出たので、これも非組み換えのものとする。 2つ目は、快適な飼育環境で育てる。動物福祉を考えて畜舎のスペースは広く取り、豚にストレスを与えない。従来の開放型の豚舎で、十分な採光と換気をキープする。 3つ目は、素材豚が生産効率優先の品種ではなく、良い肉質を追及した豚である。飼育マニュアルに沿って飼育し、指定飼料を使うことで、上品な香りとさっぱりした脂肪、ほどよい柔らかさのおいしい肉に仕上げる。 4つ目は、本来の生命の力を生かして育てる。効率を求めず、薬品にたよらず、飼料は大麦を22%含む特別メニューとし、昔ながらの飼育法で育てる。 この4つの提案をしっかり守れる農家でTOKYO X豚を生産し、衛生検査のほか、X豚独自の肉質検査をパスしたものを消費者に届けようと提案した。 SPFは、元々、安全性より、農場の生産性向上を目的に開発された方法であった。 肥育用の飼料には入れてはいけないが、子豚用飼料には一般に抗生物質の添加が認められている。発育の促進と病気の予防のためだ。それを子豚の時期(3ヶ月)に使うだけなら問題は少ないが、肥育豚の後期(6〜7ヶ月)まで使われたという例があった。当然、抗生物質が肉に残留する事故が起こった。 |
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