産地:
ドイツ、ザクセン州、
エルツ山脈、フライベルク、ヒンメルスフュルスト鉱山
Grube Himmmerlsfürst, Freiberg, Erzgebirge, Sachsen, Germany
標本の大きさ1cm
この標本はほとんどが硫ゲルマニウム銀鉱の細かい結晶から成っています。硫ゲルマニウム銀鉱は、1885年にフライベルク鉱山地帯のヒンメルスフュルスト鉱山で、フライベルク鉱山学校で鉱物学講座の教授をしていたヴァイスバッハによって発見されました。本標本は産地に書いたとおり原産地標本です。
実は、硫ゲルマニウム銀鉱のゲルマニウムを錫で置き換えたカンフィールド鉱もヒンメルスフュルスト鉱山から産出します。この標本もカンフィールド鉱の可能性は捨てきれません。両者は表面の色で区別ができるとされていましたが、あてにならないことがわかったので、はっきりさせるには分析するしかありません。信じられないことですが、カンフィールド鉱の方が硫ゲルマニウム銀鉱よりも珍しいので、多分この標本は硫ゲルマニウム銀鉱です (ということにしておきます)。
硫ゲルマニウム銀鉱の発見から1年後の1886年、この鉱物から化学者ヴィンクラーの手によりゲルマニウムが発見されました。ゲルマニウムの分離はうまくいかず 、数ヶ月がたちました。ついにぶち切れて塩酸を溶液にどぼどぼ注いだら(普通は実験するときそんなことはしません。)白い沈殿が析出し、それがゲルマニウムの化合物であったそうです。
当時、鉱物から元素を発見する試みは盛んであり、同じくフライベルク産の閃亜鉛鉱からインジウムも発見されています。
ところで、ヴァイスバッハもヴィンクラーも鉱物の名前になってないのはどうしてでしょうか?ゲルマニウムの発見は十分な業績だと思いますし、ヴァイスバッハは硫ゲルマニウム銀鉱の発見以外にもいろいろ鉱物の研究をしています。タリウムを発見したクルークスはちゃんと鉱物の名前になってるのに。。。
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元素発見の歴史3 硫ゲルマニウム銀鉱から見つかった、ゲルマニウム発見の経緯を知る事ができます(第15章)。 ヒンメルスフュルスト鉱山の硫ゲルマニウム銀鉱のことだけでなく、こるケチャカ鉱山のものについても解説されています。 |