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ぼくは勉強が出来ない

書名:ぼくは勉強が出来ない
著者:山田詠美
出版社:新潮文庫
価格:400円

推薦文
高校生の時田秀美(主人公)。 なさそうでありそうな高校生活を舞台に 学級委員の選出や、友人の自殺、友人の告白を頼まれたり、 そんなエピソードの中で勉強は出来ないけども、妙に冴えた主人公が いろんな事を学び、いろんな事を教えてくれる作品です。 著者は大人になってしまった方に読んでもらいたいそうですが、 高校生にも是非読んでみてもらいたい作品。
感想
本が読みたくて、ネットでいろんな事を教えてくれる 人に推薦本を聞いたら、これを薦められた。 「新潮文庫の100冊+50」にもリストアップされていたので 結構有名な著書なのだろう、すぐに見つかった。 タイトルからして、なにか自分の好きな作品ではないような気がした。 「どうせ勉強の出来ない主人公がなにやら理屈をこねてるのだろう」と。 まぁ、その通りの作品だったのだけども。 もしぼくの想像してる程度の主人公だったなら、最後まで読む事をせずに途中で 投げ出していただろう。 それでも、最後まで楽しく読めたのは、それだけ主人公が魅力的だったと言う事。 ただ、たぶん彼が同じクラスに居ても仲良くはなれない気がする。 どこか似てる気がするからだ。 ぼくは彼ほどかっこよくはないだろう、しかし、考えることは近い気がする。 作中では彼は特別なように描かれている、まぁ、主人公なんだからそれくらい 当たり前なのだが、誰もが彼のように考える事はあるのだと思う。 ただ、それを通せるかどうかとなると少数なのだろう。 話しとしてはそれほど特異な話しでもなく、誰もが経験した事があるかもしれない 事を舞台にしてるため、なにか同じクラスに居てそれを共に経験してる錯覚に襲われる。
「ぼくは勉強が出来ない」学級委員の選出から始まる。 ぼく自身も学級委員をしたことがあるので、いろいろと考えさせられる部分があった。 実際考えていた。 自分で言うのもなんだが、ちょっと成績が良くて品行方正で先生の言う事を良く聞くと言うだけで 半強制的に教師によって仕立て上げられた。 だが、そんな奴の言う事なんて誰が聞くだろうか。 「静かにしてください!」何度叫んだことか。 ズバ抜けてなにか才能があるわけでも、みんなの人気者なわけでも、なにか褒賞を与えられるわけでも、罰を 与えられるわけでもない人間の言う事をみんなが聞くわけないのだ。 そもそもリーダーというのは…(略)。
話しがずれた。 「時差ぼけ回復」。クラスメイトの自殺が起きる。 これも実は経験したことがある。 正直今になって、いろんな事が見えてきた気がする。 あの頃は自分の心の中がまったく見えていなかった。 友人の突然の、しかも自ら招いた死。衝撃的過ぎて深く考えることもなく、ここまで来てしまったが これを機に考えさせられた。
この本を思い返す事は、なにか想い出を振りかえるのと同じような感覚である。 恋愛のごたごたも描かれてはいたが、それはそれで面白かった。 作品よりなにより、高校時代を思い起こしたというのがこの作品の感想である。 しかし、ぼくは男子校。舞台は共学。 ちょっと共学の雰囲気というのがわからないのが、なんとも残念である。 そして、なんとも羨ましい気がしてくる。(2000/8/26)


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