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ブラック・ティー

書名:ブラック・ティー
著者:山本 文緒
出版社:角川文庫
価格:定価440円

推薦文
ちょっとした軽犯罪、約束をやぶったり、借りた物を返さなかったり。そんな誰もがひょんなことから犯してしまう罪を題材にした10篇の短編集。読んでいて自分の事とかぶさってすごく息苦しくなりながらも、どこかに許しを乞うようなそんな作品。
感想

平野君からもらった数十冊のうちの一冊。特にお薦めって事で読んで見た。タイトルの「ブラック・ティー」からしてオシャレだし、表紙もすごく興味をひかれた。CDでもジャケットで買ってしまう事もあるように、本もその装丁は結構重要なのだろう。

今回も全編感想を述べたい所だけども、やめておきます。ぼくの犯罪が露見してしまいそうだから。
ともかく、読んでいて息苦しくなる。軽い気持ち罪を犯してしまう気持ちもすごく良くわかるし、またそれがバレそうになったり、バレてしまった時の焦りもまた手にとるように分かる。精神衛生上あまり良い作品ではないかもしれない。でも、面白いのだ。

二話目「百年の恋」
彼が立ちションをしたり、エロ本を買ったり、そうした事がどうしても許せない真面目な彼女。その彼女もまた、軽い気持ちでキセルをしてしまう。これくらいの軽犯罪は誰でもしたことあるだろう。ぼくも腐る程してきてる。ただ、世の中しない人もいて、許せない人もいる。もちろん犯罪なのだから許されるものではないのかもしれない。ちょっと息苦しいのかもしれないが、こんな彼女が欲しいなんて思ってしまった。叱られたい願望が強いのだろうか。ぼくも立ちションやキセルくらいの軽犯罪は結構やってきたし、エロ本だって買う。知らない人がやるならまだしも、恋人となると別なのか。

三話目 「寿」
これはどうでしょう。女性なら良く分かる作品。女慣れしてる、イカした(古い…)男に憧れて、フラれてそんな時優しくしてくれるちょっとダサい男とつきあってしまう。まぁ男でもないことはないか。尻軽とまでは言わないまでも、人間弱いもんで結構簡単になびいてしまうもんである。解説にもあったが主人公と同じようなタイプの人生を送ってきた友人の存在と言うのが確かに効いてる作品である。しかし、自分がこの主人公の立場だったらと考えると冷や汗が出て止まらない。

第八話「ニワトリ」
やたら忘れ癖のある女の子が主人公。ビデオの返却を忘れたり、記念日を忘れたり、約束を忘れたり。周りにもこういう人いるなぁ〜なんて思いながら読んだ。と言いたいところだが、自分もあまり人の事言えないので自分の事のように読んだ。主人公の彼女は彼女なりに精一杯やってるのだが、いろんな事を忘れて周りの人間を怒らせてしまっている。妹に叱られ、彼にもフラれ、やっとこさ事の重大性に気が付きみんなに連絡をとり、借りてるものなんかを聞き出したりする。そうして変わろうと言う矢先に妹に謝られ、彼からも復縁を望まれる。自分の罪についても忘れてしまう彼女だが、周りの人間の罪にたいしてもまた寛容であるのだろう。だから憎めないのかもしれない。

とまぁ、ちょっと気に入ったのだけ紹介させていただきやした。

何度も言うがぼくも多くの軽犯罪を犯してきた。万引きもしたし、立ちションも、キセルも。借りた物を返さなかった事だってあるだろう。さすがに恋人を裏切ったりなんかした事は…多分ないはずだが、第六話「誘拐犯」のように幼い頃、良いと思ってやったことが犯罪に繋がってしまって、自分の力ではどうしようもなくなってしまったこともある。

人はいとも簡単に罪を犯してしまう。それを悪いと思ってるか、いないのか。さすがに今はキセルや万引きの類の軽犯罪はしない。法に触れるのは昔から分かっていたが、なんともバカらしいのだ。物を買ってそれに相応する金銭を払うのは、当然の義務であると言うコトに気がついたのかもしれない。まぁ時として相応しない金銭を払わなければならない時もあったりするが。

ともかく、そんな人間の弱さというか、かわいらしさというか、不完全さというか。そうしたものが描かれた作品。なんだか胸が痛かったです(笑)(2001/3/15)

 


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