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ゴールデンボーイ

書名:ゴールデンボーイ
著者:スティーブン・キング
訳:浅倉 久志
出版社:新潮文庫
価格:600円

推薦文
中篇小説。本書には2作収録されています。 「刑務所のリタ・ヘイワース」フランク・ダラボン監督によって映画化された名作「ショーシャンクの空に」の原作です。 妻殺しの濡れ衣を着せられた主人公。無罪を主張するが、無期懲役でショーシャンク刑務所へと投獄される。 その刑務所での親友によって語られる静かな、しかし興奮する、そしてすがすがしくなる物語。感動の結末があなたを待ってます。
「ゴールデンボーイ」明るく頭のよい青年が、同じ街に住む老人がナチスの戦犯だと偶然にも気付き、当時の話しを 聞くためにその老人と接触を持つ。 そして次第次第に主人公の青年が不気味に変わっていく。老人もまた昔の狂気に満ちた頃のように。
感想
「刑務所のリタ・ヘイワース」
今のところもっとも好きな映画の一つ「ショーシャンクの空に」の原作。 全体の感想としては、映画の方が良かったかなって感じ。 映画だけでのエピソードなんかもあったし。 レッド(物語る人)による語りでは、いささかの単調さも否めないが、 しかし、逆にその単調さがラストのあの感動に結びつくのではないだろうか。 30年という長い歳月。時間の力というのを痛く感じる作品だ。 そうした刑務所の中でのアンディー(主人公)のセリフにはいちいち感心してしまった。 人生についての教訓とでも言おうか、彼なりの人生哲学か。それがすっごくかっこいい。 自分の座右の銘にしてしまいたい。 なんとも伝え難いが行間から感じられる土臭く、懐かしい感じの雰囲気が大好きだ。 なによりラストの感動にはたまらないものがある。 言葉に出来ないのがもどかしい。とにかく素晴らしかった。 ラストを読む時は晴れた日の午後、木漏れ日の下で読んでもらいたい。
「ゴールデンボーイ」
こちらの映画はまだ未見だがもっとも好きな映画の一つ 「ユージュアルサスペクツ」の監督ブライアン・シンガーが映画化してるので、 期待はずれってこともないと思われる。 トッド(主人公)とドゥサンダー(元ナチ)の交遊を描いた作品。 自分的にはトッドの気持ちがわかる。 あの強制収容所でいったい何が行われていたのか。書物に残らない形での 悲惨な出来事を覗いてみたいという気持ちは少なからずある。 そうした話しを聞きに元ナチと語り、お互いに影響しあって、崩壊していく。 お互いに秘密を握ってしまったために、解消できない二人。 幾度となく危険に見まわれるのだが、 この二人の頭の回転の早さに驚いた。特にトッドに関してはまさに秀才だ。 読んでる身としては客観的に眺めてるのだから、もっと冷静に考えられて 当然なのだが、実際にその場にいるトッドはより確実な抜け道を探して 窮地を脱して行く。あれくらいクールになれたらどんなにかっこいいだろうか。 それに対して周りの両親などの間抜けさだ。 トッドの視点、ドゥサンダーの視点など、視点がちょこちょこ変わる。 両親からの視点もたまにあるのだが息子を過信する両親の心情というのが よく描かれてる。学校でも成績優秀、スポーツ万能、目の不自由な老人に 本を読んであげる(この名目でドゥサンダーと会う)優しさ、こんな 息子がいればどんな親でもそうなってしまうのかもしれない。 自分もトッドほど優秀ではなかったが、表面上は優等生で通して来た部分があり 共感する部分がある。まぁ、うちの親はそれほど過信はしてなかったが。 いつからか自分も犯罪心理学に興味を持ち、異常犯罪なんかにも興味を 持つようになった、そこらへん似てるのかもしれない。 自分はそれほど優秀でもなく、それほど熱中しなかったのが幸いしたのか、 トッドのようにはならなかった。 誰しも人間「影」の部分を隠しもっている。 光があれば、影がある。 光が強過ぎれば、影もまた深くなる。 それが「闇」になってしまってはならないのだと思う。 人間に内在する恐怖を書かせたらやはりスティーブン・キングの右に出るものはいないのでは ないだろうか。(2000/5/20)

 


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