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秘密

書名:秘密
著者:東野 圭吾
出版社:文集文庫
価格:定価590円

推薦文
妻と娘が実家へ帰り、家に1人残った主人公はぼんやりとテレビを見ていた。すると、そこに二人の乗ったバスが崖から転落したというニュースが飛び込んでくる。奇跡的に命をとりとめた娘だけが彼にとって不幸中の幸いだった、しかし、目を覚ました娘の意識は妻のものだった。

娘の体をした妻との秘密の生活。娘として接したらいいのか、妻として接したら良いのか、主人公は葛藤する。いったいどういう結末になるのか、ミステリーと言えばそうですが、愛(男女の間)と家族愛を含めたラブストーリーだと思います。広末涼子出演で映画化されました。
感想
映画化されていたので知っていたが、あまり売れ線は進んで読まない方なので読まなかった。先日友人にすすめられたので手にとてみたが、厚いのでどうしようかと思った。それに入り変りモノ(っていうジャンルがあるか知らないが)男と女が入れ替わってどうのこうのっていうのは意外とそれだけで奇妙な設定なので、ストーリーがどうなのかと言った不安もあった。

だが、実際読み初めて見ると、思わず止められなくなり電車も終点まで行って、戻ってくるくらい集中して読んで、1日で読み終えてしまった。

妻の意識が娘の中に入り、娘としての生活を送るのだが、その生活がどのようになるのかが楽しみだったり、夫は彼女といったいどうやって接していくのかと言ったところが興味深かった。妻としては再び若い体を手に入れて新たな人生を歩む事が出来るようになったということと、夫としては娘を失ったのか妻を失ったのかわからないような曖昧な状態での生活はそれなりに楽しそうにすすむかに見えた。

しかし、娘が大きくなるにつれ、妻としての人格というよりはむしろ娘としての人格のようになっていく妻(娘)に戸惑う主人公。高校生になりそれなりに異性との付き合いもあり、それを不安に思うあまり盗聴器をしかけてしまう主人公。心の弱さというか、辛さがつたわってくるような気がした。他の男に娘、つまりは妻を奪われてしまうのではないかという不安である。

そして、最終的に主人公は妻が新しい人生を歩む事、つまり妻ではなく娘として接する事を決心する。

やはりどんな物語でもどんな終り方をするのだろうと考えながら読んでしまうところがあるのだが、本書に関してもどんな終り方をするのかある程度の推測はたてていたのだが、そうした推測を裏切る非常に良く出来た終り方だったので、非常に満足だった。弱冠ロマンティック過ぎる気もしないでもないが、ぼくはこういう終り方すごく好きで、久しぶりに良い作品に出会えた気がした。(2003/06/02)

 


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