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ループ

書名:ループ
著者:鈴木 光司
出版社:角川ホラー文庫
価格:648円(税別)

推薦文
「りんぐ」「らせん」の謎がついに「ループ」で明かされます。蔓延する新種のガンウィルス。その裏になんらかの繋がりを感じ謎を解き明かしていく主人公医学生の馨。理系的な専門用語も飛び交ってちょっと頭が良くなった気すらしきます。 「りんぐ」「らせん」と世界観はどんどん広がり「ループ」ではさらなる広がりをみせます。前2作を読んだ方は必読の書。世界観変わるかも。
感想
友人の熱烈な薦めで読んでみた。「リング」「らせん」ともにかなり以前に読んでいて続編「ループ」があるのもわかっていたのだが、文庫じゃないと手が出しにくいもんである。前2作の内容を覚えていないと楽しめないかとも思ったが、そうでもなかった。もちろん事前知識があった方がいいに決まっている。これは3部作を構想して書かれたものではないらしいが、その伏線の張り方はただ感動するばかりだ。ちょっと力技的なもんがないでもないが。

やたらと頭の良い馨(主人公)、前半都合のいい様に物事が進むが全て計算されていたとなればなるほどといった感じ。やや、物語の進みかたが早過ぎる気もした。それだけこの世界に捕らわれてしまっていたのかもしれない。そうした所に多少難を感じるものの遺伝子操作、仮想現実と言ったそう遠くない未来がリアルに描かれている。決して小説の中の世界だけで終わるものではない気がする。

ループ界におけるガン化。実際に徐々にではあるが現実の世界でも広がってるのではないだろうか。遺伝子解読が進むにつれヒトの構成はつぶさに理解され劣ってるものが排除されるようになるのは時間の問題である。そうなれば、優れた遺伝子のみが生き残り、いずれガン化していくのではないだろうか。
なんて考えるのは飛躍しすぎか。プラトンの「洞窟の比喩」のようなループ界。授業でプラトンの話しを聴いていた以上にリアリティがあった。
知的刺激はもちろん文章表現のうまさにも感動させられる。
3部作とも非常に良い作品だったので、3部作を意識して書いてより完成度の高いものを望んでしまうがそれは贅沢かもしれない。(2000/10/14)


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