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模倣犯

書名:「模倣犯」
著者:宮部みゆき
出版社:小学館
価格:上下巻各1900円

推薦文

大ヒットセラーになったので推薦の必要もないかと思われますが、恐らくあの分量に読むのを断念した方も多いはず。

マスコミも、世間も、警察までも、手のうちで遊ぶように殺人を犯して行く犯人。真の悪。それらに翻弄される一般大衆と、犯人のゆがんだ信念。前代未聞の驚愕のサスペンス。

感想

と、推薦文で書いたものの、実際サスペンスという感じはさほど感じられなかった。単なる快楽殺人とは一線をかいた(ものとして)犯罪を犯していく、今までになかった形の犯人像を描いている。

連続女性誘拐殺人という犯罪に対し、マスコミ、世間、被害者など、多様な面からの描写が非常に細かくてそれぞれに感情移入出来るといえば出来るが、時として展開が気になるあまりうざったく感じる事もある。

小説としては良く書けてるのかもしれないが、物語として、サスペンスとして観るならあまり面白い作品とは言い難い気がする。

完全犯罪的に犯罪を犯していく犯人の終盤での幼稚さ。それが今回の犯罪の根源でもあるのだろうけれど、あまりにもあっけなさすぎて肩透かしをくらった気分になる。強いて言うならこの作品の主人公は犯人なわけで、もう少し犯人のいろんな意味での強さが欲しかった。幼稚なら幼稚で、もっとみせてほしかった。

こういう希望があがる時点でやはり作品自体に愛着を持ってしまってる証拠だろうか。分量が分量だけに、模倣犯の世界にいる時間が長いせいもあるかもしれない。しかし、これがヒットするとはイマイチ疑問である。(2002/7/21)


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