| TUGUMI |
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| 推薦文 |
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海の近くの街で暮らすおそろしく意地悪な、それでいて美しく、そして儚いつぐみ。 彼女の傍若無人な振るまいに右往左往させられる姉、いとこ、周りの人々との一夏の、凝縮された物語。切なく、楽しく、ジーンと来ます。とにかく、すっごい好きな作品です。読んでください。
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| 感想 |
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かなり以前に一度読んだのだが夜中寝付けなかったので手にとってみた。途中まで読むつもりだったが気がつけば全て読み終えてしまった。以前1度読んだとき「TUGUMI」に出てくる人々と別れるのがイヤでイヤでたまらなく、最後の方は意識的にゆっくり読んでいたのを覚えている。 ばなな作品特有の本当に魅力的な人間ばかりが出てくる。まずつぐみ。いつ死んでもおかしくないような病気にありながら、いたずらや自分の感情に関する事のためになら健康な人間以上の努力をし、滅多に素直になることもなく、それでも周りの人間を次々とひきつけて行く。 そして、そんなつぐみの唯一の理解者とも言える従妹のまりあ。つぐみを大きな目で見守っている。全て彼女の視点から描かれているのだが、その視点が素晴らしい。人を恐ろしく良く見ている。語り手だから当然なのだが、その人を見る目が素晴らしいのである。 つぐみのおかげすっかり聖人の域に達してしまったかのような優しさと弱さをもっているつぐみの姉の陽子。つぐみの彼の恭一はあまりぼくの印象には残らなかったが、それでもこの物語の大事な登場人物である。 死や別れなど、ばななの作品ではいつもそんなことを考えさせられる。そして、すごく心地が良い。ただそうしたものを恐れるのではなく向き合い、見つめる事で、死や別れにさえ愛を感じてしまう。彼女の作品には暗闇があり、そこに月がある。その情景がぼくはすごく好きだ。 彼女の作品で1番好きのは「キッチン」なのだが、彼女の作品がどんなだったかを思い出そうとする時「TUGUMI」の画がまっさきに浮んでくるのである。(2000/12/13) |