角川ホラー文庫好きの楼華さんのお薦め。ぼくも中学の時少しはまった気がする、とにかくキライな部類ではないと言う事。
いや、むしろ好きなくらいだが、ここ最近進んで買って読もうって気がなかった。とは言えここ数年のホラーブーム。ブームだけでなく、ホラー作家の質があがったものかもしれないが。
さて率直な感想。面白かった。怖かった。1編ずつ分けて感想書きます。
1.「生きがい」 小池真里子
家族を飛行機事故で亡くしてしまい、 家族の世話という「生きがい」を無くしてしまった母親が自分の持つアパートに住む大学生を世話する事に生きがいを見出して、そこに依存していってしまって。。。
ってな話しで、初めのうちはスティーブン・キングの「ミザリー」的な恐怖かと思ってたんだけど、最後の最後のどんでん返しにはまいってしまいました。
6作の中では1番気に入ったかな。
2.「ナイトダイビング」 鈴木 光司
言わずと知れた「リング」「らせん」「ループ」などなど、話題作を次々と放った作者である。ナイトダイビング中の不思議な深海の生物との出会いを描いた作品。海の恐怖がよく描かれてる気がしたけど、どうも尻すぼみ?後半に期待し過ぎてしまったのかもしれない。あんまりでした。
3.「小羊」 篠田 節子
臓器移植が普及しまくって、臓器のために育てられる人間を作ってしまった未来の話し。読み始めはどんな舞台背景なのかまったくわからない。それは、恐らく主人公もまったく分からないと言う状況を表したものだろう。いろいろ推測して読み進めていき衝撃に事実をつきつけられる主人公の少女。彼女は臓器提供のためだけに育てられた人間の家畜。笛吹きの少年によって他の可能性を見出す。話し自体には未来があったりして、きちんと完結した感じで良いなぁって思うんだけど。怖いのはその舞台背景。
バイオテクノロジーの発達でクローンなんかも作れたりするわけで、その人の体に適応する臓器を作りだすのもそれほどむずかしくなくなったりして、極端ではあるけどもこうした世界になってもおかしくないかもしれないなぁなんて思ったり。
4.「白い過去」 坂東 眞砂子
普通に人間の怖さを描いた作品。昔の彼の死の真相から浮びあがる様々な人間模様。ってのはちょっと違うかな。でも、そんな感じ。「死国」や「狗神」などの話題作を描いた作者らしいけども。イマイチ斬新さにかけたかな。悪役がちょっと魅力がない。
5.「兆(きざし)」 小林 泰三(やすみ)
怖い。怖かった。マジ怖いんだって。そんなに怖くないけど。でも、久しぶりに夜トイレ行くのがイヤになる怖さでした。「兆」という幽霊のような存在。それは常に我々の周りに存在してはいるが、気付かない。しかし、ちょっとしたきっかけで彼らは近づき仲間にひきこもうとする。そうして関わっていく者もまた次々と。サスペンス的な要素もたぶんに含んでいて、面白く、そして怖いですねぇ〜、怖いですねぇ〜、怖いですねぇ〜。
6.「Gene」 瀬名 秀明
「パラサイト・イブ」の作者。彼の作品を読むのはこれが初めてだが、なんとも専門用語の多さに辟易した(この言葉使ってみたかった)。鈴木光司の場合の専門的知識にたいするフォローアップというか、難しいけども分かりやすいのだが、どうもこれは難しい。これでも分かりやすく説明がくどくどあるのだが、あまりストーリーに深く関わらなそうなので読む気がしない。でも、話しの筋としてはすごく面白かった。
ってこんな感じ。読んで損はしません。作者によって恐怖の描き方がこうも違うのだと感心させられました。この中で気に恐怖を選んで読んでみるのがいいかもしれませんね。(2001/2/9)