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裳階 (もこし) 屋根の形の項でも裳階つき建物の画像を挙げているが、ここではもう少し詳しく見てみよう。 裳階(もこし)という言葉を辞書で調べてみると、「仏堂・塔などで、本来の屋根の下につけた差しかけの屋根。法隆寺の金堂・塔、薬師寺の塔などに見られる。雨打(ゆた)。裳階(しようかい)」(大辞林第二版、三省堂)とある。 実際に裳階付きの仏殿を見てみると、上下に二つの屋根があって、二層(二階建て)の建物のように見えるが、二層ではなく一層の建物である。「二層に見える」というところがポイントで、裳階をつけることで二層の建物に見せかけて、建物を立派に見せるというのが裳階の役割となっている。
もちろん、裳階の本来の役割は、おそらくは雨風を防ぐ補助的な庇(ひさし)だったのだろうけども、時代とともに装飾的な意味合いで使われだしたようである。庇という言葉が出てきたが、裳階は庇の一種。身舎(もや)の屋根とは別の屋根を掛けた場合に、特に裳階と呼ばれるようになったようだ。 裳階は塔にも使われていて、薬師寺の東塔は有名。三重塔であるが、裳階が各層に付いているので六重の塔に見える。法隆寺五重塔や海住山寺五重塔は、初層のみに裳階が付いている例である。法隆寺五重塔の裳階は壁が付いて囲ってあるが、海住山寺五重塔のは吹きさらしになっている。
二重塔のように見える多宝塔も、下の屋根は元来裳階だ。裳階が発達して、二重塔のような感じになったもの。
裳階が一番使われているのは、禅宗様の建物という印象があるかな…。禅宗様の仏殿や法堂などは重層に見えるけども、内部に入ったり、図面を見たりするとそうでないのがよく分かる。上の画像の三井寺一切経蔵も禅宗様の例である。一見、重層・三間四方の建物だが、単層・一間四方・裳階付の建物になる。
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2003年1月12日作成。 ○関連項目(リンクは掲載場所)○ ○参考文献○ |
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