Schwedenplatz なんやらな?資料館

鐘楼 (しょうろう)

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺。有名な正岡子規の句だけども、お寺といえば鐘(かね)を連想する人も多いであろう。その鐘を吊り下げておく建物が鐘楼(しょうろう)。ちなみに法隆寺には国宝の鐘楼がふたつあるが、子規はどちらの鐘の音を聞いたのだろうか。ちなみに現在つかれている鐘は、たしか西円堂の横にあるものだったと思う。

「楼」という字が示しているとおり、もともとの鐘楼の形は2階建てだったと思われる。平安時代の再建になるが、法隆寺西院鐘楼(国宝)のような建物がその形を表しているであろう。後の時代になると他の形式が出てくるので、今日ではいくつかの型を見ることができる。

鐘楼1
法隆寺西院鐘楼。
有名なエンタシスの東回廊(国宝)と続いている。

よく見かける形の一つが、二階建て構造の下層に袴腰(はかまごし)を付けたもの。袴腰とは字のとおり、袴(はかま)のような覆いのことであり、「袴」の部分は板張りであったり、真っ白な漆喰であったりと、バリエーションがある。石積みのもあるそうだけど、まだ実際に見たことがない。

鐘楼2 鐘楼3
左:石山寺鐘楼。袴腰は漆喰。
右:朝光寺鐘楼。板張りの袴腰。

もうひとつの形は、4本の柱に屋根が乗っかったもの。この形は比較的小規模な小寺院の鐘楼から、東大寺鐘楼(国宝)のような巨大鐘楼まで、一番よく見かける形ではないだろうか。柱が2本増えて、6本柱となった鐘楼もある。鐘が大きなものは、この形で造られていることが多いように感じる。構造上、鐘の重みを支えやすいのであろう。

鐘楼4 鐘楼5
左:東大寺鐘楼。とにかく見ごたえのある鐘楼。
右:清水寺鐘楼。東西で柱が一本ずつ増えて、6本柱。

昔は鐘楼が建つ位置というのは決められていたみたいだが(法隆寺のように経蔵と向かい合わせ)、時代が進むにしたがい、お寺お寺によって色んな場所に建てられていくようになる。比較的新しいお寺である萬福寺(江戸時代)では、鐘楼(重文)は鼓楼(ころう)と向かい合わせに建っている。これは中国式の伽藍配置を導入したからではなかろうか。

鐘楼6
萬福寺鐘楼。禅宗様式で建てられたもの。

名称指定府県年代掲載項目
清水寺鐘楼重文京都府江戸時代清水寺その1
知恩院鐘楼重文京都府江戸時代知恩院
萬福寺鐘楼重文京都府室町時代萬福寺
東大寺鐘楼国宝奈良県鎌倉時代 
法隆寺西院鐘楼国宝奈良県平安時代法隆寺西院伽藍その1
法隆寺東院鐘楼国宝奈良県鎌倉時代法隆寺東院伽藍
石山寺鐘楼重文滋賀県鎌倉時代石山寺鐘楼
鶴林寺鐘楼重文兵庫県室町時代鶴林寺鐘楼
朝光寺鐘楼重文兵庫県鎌倉時代朝光寺鐘楼

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鐘楼7
吊られている鐘も興味深い。
知恩院鐘楼。

2003年1月26日作成。
2005年2月4日更新。

○関連項目○
鼓楼(太鼓を吊っておくためのお堂)

○参考文献○
『寺社建築の歴史図典』 東京美術 2002年


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