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屋根の形 (やねのかたち) 日本の建築の特徴に、軒の深さがあるそうだ。普段日本の古建築ばかり見ていると、それが当然と思って気付かない。でも大陸の古建築の写真を見ると確かにそんな感じがする。おそらく雨の比較的多い気候において、構造物を守るために軒の出が大きくなったのだろう。 さらにその軒の深さは、雨からの防御という本来の役目の他に、建築全体の美的要素の重要な一部分にもなっているように思う。屋根の形は建物の外観においても大きなウエイトを占めるからだ。すこし意識して建物を見ると、屋根の形にいくつかの種類があることに気付くだろう。 私たちが寺や神社に行くと何気なく眺めている屋根だが、その形には大きく分けて何種類かある。ここではとりあえず4種類を挙げようと思う。 寄棟造(よせむねづくり)。奈良に行くと、この形をした屋根の建築をよく見るであろうか。東大寺大仏殿をはじめ、興福寺東金堂、唐招提寺金堂、当麻寺本堂などなど寄棟造の名建築に出会うことができる。東大寺大仏殿を例にすると、屋根の形が正面からは台形に見え、側面からは三角形に見える。妻側も屋根になっているので、このタイプの屋根では妻飾もなく、とうぜん懸魚なども見られない。
切妻造(きりづまづくり)。かつてはこの形の屋根が一番格の高いものだったようだ。神社の本殿に切妻造の屋根が多いのは、その名残であろう。時代が後になると、寺院の重要な建物には使われなくなってくる。お寺では小規模の門であるとか、僧坊などで見られるであろうか。このタイプの屋根では、妻飾を見るのが楽しい。
入母屋造(いりもやづくり)。京都の寺院にある大建築物の多くは、入母屋造(いりもやづくり)と呼ばれる形の屋根である。時代が後になるとこの入母屋造の格が高くなったようで、重要な建築はほとんど入母屋造で建てられている。本堂など中心的建物のほか、三門や多くの楼門などもこの入母屋造である。妻飾にバリエーションが多い。
宝形造(ほうぎょうづくり、方形造とも)。屋根の形が四方どこから見ても三角形をしている。一番よく見かけるのは、五重塔か三重塔の最上層の屋根だろうか。方三間とか、平面が正方形の建物はたいていこの宝形造のように思う。このタイプも妻飾はない。
ときどき平面が六角形や八角形をした建物がある。法隆寺夢殿がその代表例だ(夢殿は八角形)。それにあわせて屋根も上から見ると六角形ないし八角形をしている。このタイプの屋根をそれぞれ、六注造(ろくちゅうづくり)、八注造(はっちゅうづくり)という。
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2003年1月12日作成。
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