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浄瑠璃寺 (じょうるりじ) 南山城には人知れず、なかなかの文化財が点在しています。その中でも古建築といえば加茂町です。京都府の南部に位置する加茂町は、もうすぐそこが奈良県。そのためか古くから人の往来が生じました。歴史上一番知られているのは、聖武天皇による740年の恭仁京遷都でしょうか。わずか3年あまりの都となりましたが・・・。 加茂町でも一番南の方にある浄瑠璃寺は、めずらしい九体阿弥陀堂(本堂)が現存していることで有名ですが、建物についてのお話は後述することにしまして、簡単に浄瑠璃寺の歴史を見てみましょう。もともと浄瑠璃寺は薬師如来を本尊としたお寺だったそうで、創建は平安時代の1047年。ほんと小さなお寺だったようです。 1107年に薬師如来を別のお堂に移して、新しい本堂が建てられたようです。それから僧侶の恵信が境内に池を掘り、1157年にはその池の西側のほとりに本堂が移築されました。このときの移築によって、現代の我々が目にする、九体阿弥陀堂と池の景観が出来上がったことになります。 歴史的には興福寺とのつながりが深いお寺ですので、鎌倉時代にはけっこう栄えていたようです。このころはもっとたくさんの建造物があったのですが、時代の流れの中で全て失われてしまい、結局残ったのは平安時代からあった本堂と三重塔だけでした。 浄瑠璃寺は先述の通り加茂町にありますが、奈良との府県境までは直線距離で500メートルほどです。本数はかなり少ないですが、JR・近鉄奈良駅からバスが通っています。浄瑠璃寺とちかくにある岩船寺(がんせんじ)を一緒にまわる定期観光バスも、奈良から出ています。 |
2003年4月27日作成。 ○撮影時期:2002年3月上旬。 ○アクセス: |
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浄瑠璃寺本堂(国宝) 九体阿弥陀堂(九体堂)の唯一の遺構として、とても貴重な存在である浄瑠璃寺の本堂です。九体堂の名称が示すとおり、内部には9体の阿弥陀如来像(全て国宝)が安置されています。先にこの阿弥陀如来像について少し書いておきますと、中央の中尊が高さ224センチほどあって一番大きく、他の8体は高さほぼ140センチで中尊の右側に4体、左側に4体安置されています。 いずれもいわゆる定朝様(じょうちょうよう)と呼ばれる仏像の様式。よく見てみますと、それぞれにお顔が少しずつ違います。浄瑠璃寺に参られたときは、ぜひこの9体の阿弥陀像をご覧になってください。本堂内には他に国宝四天王像(2躯)、秘仏の吉祥天像(重要文化財)などがあります。 さて、浄瑠璃寺の本堂ですが、よく写真で撮られている姿は池の対岸から見た姿。江戸時代以前は、瓦葺ではなく桧皮葺(ひわだぶき)だったそうなので、現在とはかなり違った印象を与えていたものと思います。見る人によって違うのでしょうけれども、桧皮葺の方が軽快感が出ると思いますので、自然豊かな浄瑠璃寺にはよく似合っていたのではないかと・・・。
建物の正面に一間の向拝が付いていますが、私のような古建築素人が見てもすぐに分かるように、後の時代に付けられたものです。江戸時代の終わりに取り付けられたそうなのですが、時代様式が丸出しですので、平安時代の母屋と比べてアンバランスに思えます。
南北十一間・東西四間、寄棟造の建物で、南北に長くなっています。内陣が九間×二間になっていて、南北の一間一間に一体ずつ阿弥陀如来像が安置。中尊が他の8体とくらべて一回り大きいですので、中央の一間だけ少し広くなっており、柱もそこだけ太くなっています。少し狭い目の堂内に、9体の阿弥陀像が一列に並んでいる光景は、なんだか迫力がありますね。
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※本堂内に安置されている四天王像(国宝)は、持国天像と増長天像。広目天像は東京国立博物館に、多聞天像は京都国立博物館におられます。 このうち多聞天像は、京博のホームページでお顔を拝見することが出来ます。トップページから、収蔵品>名品紹介>彫刻の順にクリックし、「多聞天立像」をクリック。 →→→京都国立博物館 |
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浄瑠璃寺三重塔(国宝) 本堂前に立って池の対岸を眺めると、名勝・史跡に指定された庭園がとても美しいです。その景観の中で、これまた美しい姿をして建っているのが、三重塔。もともとは京都の一条大宮にあったものを、1178年に移築したものと伝えられているようです。
三重塔の型通りの三間四方。桧皮葺の屋根をしています。高さは15メートルあまりと、三重塔では小さいほうです。この塔は初重内部に柱(心柱や四天柱)がありませんで、これは現存するものでは最古の例となります。内部に柱がないということは、壁のところに見えている12本の柱のみで、荷重を支えているわけです。
内部は普段非公開ですが、扉や柱に極彩色で絵が描かれています。図書館でその写真を見たことがあるのですが、興味深いものでした。また重要文化財の薬師如来像(高さ約86センチ)が安置されています。薬師如来のお顔は開扉されたときに拝観することが出来ます。 |
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