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妙心寺 (みょうしんじ)

右京区花園にある禅宗寺院、妙心寺。臨済宗妙心寺派の大本山です。双ヶ丘の東側、住宅地に囲まれた広大な敷地。雄大な中心部の伽藍があり、それを囲むように多数の塔頭寺院が建ち並んでいます。京都の禅宗大本山の中で、一番中心部の伽藍が整っているのはこの妙心寺かもしれません。

南側正面の妙心寺道から、北門のある一条通りまでおよそ500メートル。東西もおよそ500メートルほどの敷地。この中に中心伽藍のほか、塔頭寺院が47もあると聞いています。江戸時代の最盛期には90を数えたというから更に凄いですね。広い敷地は昼間は開放されているようで、近所の人が自転車で通り抜けたり、近くの学校の生徒が部活で走ったりしているようです。

妙心寺の開創は、花園法皇が自身の離宮を寺に改めたのが始まりのようです。付近の地名「花園(はなぞの)」は、おそらく離宮があった事からでしょう。花園天皇は日本史でいうところの、持明院統と大覚寺統の時代の天皇。22歳のときに決まりによって後醍醐天皇に譲位して上皇となりました。その後、法皇となったときの話です。

室町時代には妙心寺は苦難の歴史を歩みます。足利義満の時代、謀反を起こした大内義弘と通じていたという理由で住持が幽閉され、さらに妙心寺は中絶に至っているようです(いわゆる応永の乱の時の話)。この時30年ほどで妙心寺は再興されていますが、京都五山にも列せられることはありませんでした。応仁の乱が起こると妙心寺も例外ではなく、兵火によって伽藍はことごとく焼失したようです。応仁の乱後まもなく再興。現在妙心寺に現存している建物は、江戸時代の建物が多いです。

妙心寺への行き方ですけども、京都駅からなら妙心寺へは、JR嵯峨野線(山陰本線)に乗って行くのが良いと思います。バスよりも所要時間が少ないし、渋滞も考えなくてよいですから。JR花園駅から歩き、妙心寺南門から入って境内を散策したら北門へ。北門からは、仁和寺、等持院、龍安寺などが徒歩圏内となります(仁和寺へはバス停2つの距離)。


妙心寺三門(重要文化財)

妙心寺の三門は朱色に彩色されています。妙心寺の中心伽藍で彩色を施してあるのは、この三門だけです。北側に建つ仏殿や法堂は無彩色で、木の色そのまま。そのために三門だけが浮いたような感じもします。晴れた日には三門が鮮やかに浮かび上がるので、仏殿や法堂はどうも地味に感じてしまうかもしれません。朱色の三門は大徳寺にもあります。


妙心寺三門。南東から。

五間三戸の重層。左右に山廊を持つ典型的な形式の三門になります。山廊からは階段が伸びており、門の二層へと登ることができる造り(普段は公開されてないので登れません)。三門は二層で行事を行うため、このように登れる造りになっていますが、妙心寺でも観音懺法会などの行事が三門で行われます。そういう目的があるためか、二層内部には須弥壇が置かれ、鮮やかな彩色が施されています。


三門を仏殿(北側)から。

様式は禅宗様です。東福寺や南禅寺の三門と比べると一回りか二回り小型なので、軒下の組物なども小さめに造られており、綺麗な印象を与えるでしょうか。この三門では彩色もされているので、組物が浮かび上がって鮮やかに見えます。建てられたのは1599年です。


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妙心寺境内。

2005年7月8日作成。
2008年10月19日更新。

○撮影時期:
2002年1月下旬
2002年2月下旬
2003年11月上旬
2005年3月下旬

○アクセス○
京都駅からJR嵯峨野線、花園駅下車徒歩(南門に着く)。

京都駅から市バス26系統、妙心寺北門前下車すぐ(北門に着く)。

四条河原町から市バス10系統(北野天満宮前経由)、妙心寺北門前下車すぐ(北門に着く)。

四条烏丸から市バス91系統、妙心寺前下車徒歩(南門に着く)。

○関連項目○
妙心寺その2(主な古建築紹介)

○参考文献○
『古寺巡礼京都10 妙心寺』 淡交社 1977年

○関連サイト○
妙心寺(公式ホームページ)


妙心寺仏殿(重要文化財)

仏殿は三門の北側に建っています。仏殿はその名の通り、仏像を安置するところで、禅宗寺院の伽藍では三門と法堂の間に建ちます。京都の禅宗寺院ではたいていの場合、この3棟(三門・仏殿・法堂)のうちどれかを失っているので、三棟ともそろっている妙心寺はめずらしいほうです。木造建築を後世に末永く伝えるというのは、それだけ難しいことなのでしょう。


妙心寺仏殿。

妙心寺においても伽藍の維持には大変だったようで、妙心寺の仏殿はかなり新しい1827年に完成しています。現存する三門・仏殿・法堂はいずれも建築時期が異なっており、自然災害やらで破損などしては再建されてきたのでしょうか。仏殿は1827年の完成から、引き続き内部の工事が続けられるなどしており、いろいろ紆余曲折があったのかもしれません。


仏殿正面。

仏殿も三門と同じく、禅宗様式で建てられています。江戸時代後半の建物ながら、型破りなことはせずに古い様式を守って建てられているようです。三間四方の一重・裳階(もこし)付きで、入母屋造りの本瓦葺。大きく反った屋根が印象的です。内部も正面の開口部から見ることができるので、禅宗様建築の構造など見ると面白いと思います。



妙心寺法堂(重要文化財)

仏殿の北側に建つ大建築です。正面五間・側面四間、一重・裳階つき。裳階も入れると正面七間・側面六間にもなる妙心寺最大のお堂。仏殿とは廊下でつながっており(この廊下は重要文化財・仏殿に附指定。五間の長さ)、背面から伸びる廊下は寝堂につながっています(こちらは重要文化財・法堂に附指定。七間の長さ)。1656年にできた建物のようです。


妙心寺法堂。

同じ禅宗様とはいえ、仏殿とは200年近い時代差があるので、それなりに様式差が出ていてもおかしくない様な気がします。かといってそれを見つけるだけの知識もありませんけども…。

法堂の鏡天井(かがみてんじょう)には雲龍図が描かれています。作者は狩野探幽です。拝観料を払うと、浴室(重要文化財)内部とともに見せてもらえます。

→→→妙心寺その2(主な古建築紹介)



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