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法隆寺東院伽藍 (ほうりゅうじ・とういんがらん)

金堂や五重塔が建ち並ぶ、法隆寺の西院伽藍。その東側にある国宝東大門より東を望むと、夢殿の屋根が見えています。この眺めはなかなか趣きがありまして、雨の日や雪の日などはなかなかのものかと・・・。それでは石畳の参道を歩いていきましょう。

夢殿を中心とする東院伽藍は、斑鳩宮(いかるがのみや)の跡地です。斑鳩宮は聖徳太子が、601年に建てさせたといわれている宮殿です。この宮殿のお隣には、聖徳太子によって法隆寺が建てられました。それが今日の西院伽藍になります。

聖徳太子が亡くなったのち、太子一族は蘇我氏によって滅ぼされてしまいます。それにより斑鳩宮は焼失してしまったようです(643年)。のちの時代に斑鳩宮を復興しようという機運が出て、行信という僧侶により伽藍が造営されました(739年)。この伽藍を上宮王院(じょうぐうおういん)といいます。

そのころは法隆寺と上宮王院は別々のお寺だったようです。官寺だった法隆寺はいろいろありながらも維持できていたようですが、上宮王院のほうは官寺であったわけでもなく、荒れ果てた状態だったようです。859年に道詮という僧侶により上宮王院は再興されますが、これ以降は法隆寺との関係が強まり、ついには完全に法隆寺の支配下に入ります。

現在では、東院伽藍は法隆寺の一部として、多くの参拝者を迎えています。修学旅行や、地元の学校なら社会見学などで、多くの方が訪れたことがあるかと思います。夢殿内部の秘仏開扉は春と秋にしか行われませんが、建物自体はいつでも見ることができます(拝観料要)。


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2003年8月10日作成。
2005年2月1日更新。

○撮影時期:
2003年1月上旬
2003年2月下旬。

○アクセス:JR法隆寺駅より徒歩20分ほど。西院伽藍南大門前までバスの便あり。


法隆寺東院四脚門(重要文化財)

東大門から参道を歩いていくと、まずくぐるのがこの門。手前の道は一般道になっていまして、左へずっと進むと法起寺のほうに行くことができます(徒歩15分ほど)。JRの駅からタクシーに乗って夢殿というと、この門の前に着けてくれるようです(利用したことがないので未確認ですが)。

門自体はその名の通り、四脚門(よつあしもん)ということで、よくある感じの門です。両隣の壁ともよく合っていて、夕方などに来るとなかなかよろしい雰囲気で・・・(この門に限らず、斑鳩は夕方がなんだか似合う・・・)。鎌倉前期の建物だそうです。

法隆寺東院伽藍1
法隆寺東院四脚門を西側から。



法隆寺東院南門(重要文化財)

東院の四脚門をくぐらずに少し右に行くと、東院伽藍の南側は空き地になっています。そこにあるのが南門で、こちらは少し規模の大きめな八脚門(やつあしもん)。八脚門という点では、西院伽藍の東大門や南大門と同じ形式です。室町時代に建てられたものです。

法隆寺東院伽藍2
法隆寺東院南門。



法隆寺東院回廊(重要文化財)

西院伽藍にはエンタシスで有名な国宝の回廊がありますけど、こちら東院伽藍にも規模はいくらか小さいながら、回廊があります。内部は化粧屋根裏となっていて、虹梁の上に蟇股(かえるまた)が載り、さらに三ツ斗が載って棟木をうけています。西院伽藍の回廊ですと、蟇股の代わりに八の字型の扠首(さす)となります。

法隆寺東院伽藍3
法隆寺東院回廊のうち、東側部分の内部。

回廊という建造物は、質素な感じで、内側にいたっては柱が並んでいるだけなのですけど、面白い雰囲気を持っていると思います。東院伽藍は東院伽藍の(西院伽藍とは異なった)、何かしら独特なものがあるんですよねぇ・・・。

法隆寺東院伽藍4
回廊の細部。
虹梁の上に蟇股が載り、さらに三ツ斗が載る。



法隆寺東院夢殿(国宝)

東院伽藍の中心にある夢殿。古建築では八角円堂と呼ばれる形の建物です。夢殿は上宮王院の創建と同時に建てられたものと考えられていますが、しばしば修理が加えられているようで、1230年にはかなりの大改造を受けています。

法隆寺東院伽藍5
法隆寺夢殿。

大改造以前の姿は復元図により見ることができますが、現在よりも背が低く、屋根の傾斜も小さかったようです。屋根が改造されるとだいぶ建物の印象が変わるようですが、この夢殿の場合はそれがプラスに働いているような感じです。改造前の実物を見たわけではないので、なんともいえない部分でもありますが。

法隆寺東院伽藍6 法隆寺東院伽藍7
左:軒下組物。通肘木と三ツ斗が載せてあり、その分軒が高くなっている。
右:夢殿軒下の様子。

建物の内部は、正面や両側面の扉のところから、のぞいて見ることができます。聖徳太子等身といわれる秘仏の国宝・救世観音(くせかんのん)像は、春と秋に中央の厨子が開扉されて見ることができます。夢殿西側の扉からは塑造の道詮律師坐像(国宝)を、東側の扉からは乾漆の行信僧都坐像(国宝)を見ることができます。



法隆寺東院礼堂(重要文化財)

夢殿の南側にある建物で、その名の通り夢殿を礼拝するための場所として造られたのでしょう。東西五間・南北四間の切妻造・本瓦葺。鎌倉時代の建築。南側は入れないのでどうなっているのか様子は分かりませんが、他の三面は蔀となっています。回廊は南門にではなく、この礼堂に接続しています。

法隆寺東院伽藍8
法隆寺東院礼堂。



法隆寺東院舎利殿・絵殿(重要文化財)

夢殿の北側にある建物です。向かって右側が舎利殿(しゃりでん)。なんでも聖徳太子が2歳のとき、合掌した掌中から出てきたという舎利を安置する建物なのだとか・・・。そして向かって左側が絵殿(えでん)となります。ひと続きの建物なのですが、中央の通路にて分けられています。礼堂と同じく鎌倉時代の建物です。

法隆寺東院伽藍9
夢殿から見た法隆寺東院舎利殿・絵殿。
中央の通路を挟んで右側が舎利殿、左側が絵殿。



法隆寺東院鐘楼(国宝)

夢殿やその他の建物をじっくり拝見しましたら、北西側の出口から回廊の外へ出てみましょう。出たところに建っているのが、東院の鐘楼です。その名の通り、いわゆる楼造でして、袴腰(はかまごし)がついているタイプになります。

法隆寺東院伽藍10
法隆寺東院鐘楼。

鎌倉時代の建物で、正面三間・側面二間の入母屋造・本瓦葺。袴腰(はかまごし)が付いたものでは現存最古の鐘楼です。同じ鐘楼でも、西院伽藍にある鐘楼とはだいぶ違う雰囲気がでていますから、見比べてみると面白いかもしれませんね。



法隆寺東院伝法堂(国宝)

東院鐘楼のすぐ近くに伝法堂があります。鐘楼の北側に立って、伝法堂の側面を見てみましょう。いわゆる二重虹梁蟇股(にじゅうこうりょうかえるまた)となっており、この伝法堂のものはよく知られています。白い壁に映えて美しいですからね。

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法隆寺東院伝法堂。北西側から。

東院伽藍の講堂に当たる建物で、東西七間・南北四間、切妻造・本瓦葺。解体修理の際にこの建物が移築されていることが分かり、もともとは橘夫人の邸宅にあったのだとか。移築前は東西が五間の建物だったそうで、現在とはだいぶ異なる建物だったようです。

この伝法堂の北側から、東院伽藍のさらに東にある中宮寺に行くことができます。中宮寺には本尊として、弥勒菩薩半跏像(国宝)が安置されています。



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