Schwedenplatz なんやらな?別館

当麻寺 (たいまでら)

「フタコブラクダ」、二上山(にじょうさん)のふもとにある当麻寺。京都からは少し遠いのでなかなか行く機会はありませんけども、ふと訪れるにはなかなか良い古刹です。ボタンの名所として知られており、その時期には人出がありますけど、普段は静かなたたずまいのお寺です。

近鉄京都駅や奈良駅から近鉄電車に乗って橿原神宮前駅へ。京都駅からは直通の特急・急行電車が出ています(特急だと京都〜橿原神宮前は一時間弱)。そこで電車を乗り換えて大阪方面に6駅進みますと当麻寺の駅があります。当麻寺駅から大阪・あべの橋まで40分ほどですから、京都からより大阪からのほうが近いですね。

当麻寺の駅を降りて参道を西へと進むと、当麻寺の正門にあたる東大門に至ります(仁王像が安置されているため仁王門とも呼ばれる)。15分ほどかかるでしょうか。東大門をくぐってさらに進んでいきますと、国宝本堂の正面に出ます。

この当麻寺は軸が交差しているめずらしいお寺です。現在正門は東面する東大門。本堂も東を正面としております。ところが本堂の前方左右にある講堂と金堂は正面を南側としており、有名な東西両塔も南面しています。ちょうど本堂の前方でこの二つの軸が交差します。

当麻寺は不思議なお寺でして、金堂・講堂・両塔は南面しているのに、すぐ南側は山になっています。正面となるべきところが山になっていて、正門である南大門は結局建てられませんでした。ほかに古代の寺院であれば必ずといっていいほどつくられた中門や回廊の遺構すらありません。

当麻寺の創建期に関してはあまりよく分かっていないようですが、この地の豪族・当麻氏の氏寺が起源のようです。両塔などが南面しているのはそのころ建てられたもの、あるいは当時の名残でしょう。のちの時代に氏寺としての役目を終え、一方で曼荼羅信仰が強まってくると、それが置いてあった本堂の重要性が増し、本堂の正面である東がお寺の正面になったのでしょうか。

もうひとつ、当麻寺のめずらしいところは真言宗と浄土宗が同居する点です。お寺の宗派に関してはまだまだ勉強不足でよく分からないのですけど、2つの宗派には当然教義の違いもあるでしょうし奇妙な感じがします。早くから真言密教化していたようですが、曼荼羅が重んじられるようになってくるにつれて浄土宗が入ってきたようです。


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2004年2月15日作成。
2005年1月5日更新。

○撮影時期:2002年10月中旬。

○アクセス:近鉄当麻駅より徒歩15分ほど。


当麻寺本堂(国宝)

当麻寺で一番大きな建物で、当麻曼荼羅が置かれていることから曼荼羅堂ともよばれます。上述の通り正面は東側。二上山を背にして建っています。正面七間・側面六間、寄棟造の本瓦葺で、背面に三間一間の閼伽棚(あかだな)が付いています。

当麻寺1
当麻寺本堂正面。

現在の姿は1161年に大改造を受けた後のものです。周囲一間が入側となっており、東側二間が外陣、その奥の二間が内陣になっています。内陣と外陣のあいだは欄間や格子戸で区切られていて、中世密教本堂の原始的ともいえる形をしています。

当麻寺2
本堂正面を北寄りから。

改造以前は、内陣付近にあった七間四間の仏堂に孫庇が付いたものであったと考えられています。現在内陣には大きな須弥壇の上に国宝の厨子が置かれており、厨子の中には当麻曼荼羅が祀られています。1505年に完成した文亀曼荼羅と呼ばれるものです。



当麻寺金堂(重要文化財)

本堂正面から見て右手、南側に建っているのが金堂。鎌倉時代に再建されたもので、正面が五間、側面が四間の入母屋造(いりもやづくり)・本瓦葺の建物。拝観の出入りは北側からしますが、建物の正面は南側になります。

当麻寺3
当麻寺金堂北側。

正面と背面は中央三間が扉、両側面も中央二間が扉となっていて、残りはすべて壁になっている(窓がない)のは珍しいところ。本尊は弥勒仏坐像(国宝)ですが、重要文化財の四天王立像も見ておきたいところ。あごひげをたくわえ、西域的な雰囲気の像です。



当麻寺講堂(重要文化財)

本堂正面から見て左手、金堂のちょうど真北に建っているのが講堂。正面七間・側面四間と金堂よりも大きな建物で、それでいて組物は金堂の二手先(ふたてさき)に対して三ツ斗(みつど)ですので、安定した感じになります。

当麻寺4
金堂より見た当麻寺講堂。

寄棟造・本瓦葺で扉があるところ以外は壁になっており、窓がないというのは金堂と同じ。鎌倉時代の再建です。本尊阿弥陀如来坐像(重文)や地蔵菩薩立像(重文)のほか、ちょいと珍しい妙幢(みょうどう)菩薩立像などが安置されています。



当麻寺東塔(国宝)

当麻寺といえば、やはり国宝に指定されている東西の両塔。まずは東塔ですが、高さは約24メートル。奈良時代の古塔です。初重は方三間ですが、二重・三重はそれぞれ方二間になっています。組物の間には束(つか)が入らないので、あっさりした感じになります。

当麻寺5
当麻寺東塔。

さすがに建立から長い年月が建っていますので、細かな部分になると後世の変更があるようです。塔の必須部分である相輪(そうりん)は、宝輪が八輪と珍しいもので、水煙(すいえん)も二等辺三角形のような独特な形です。



当麻寺西塔(国宝)

西塔は東塔よりも少し新しく、平安時代の初期に建てられたと考えられています。高さは約25メートルと東塔より少し高く、三重とも方三間となっています。ですから東塔と比べると、すこしズドンとした感じですかね(逓減率がなく上のほうまで太め)。

当麻寺6
当麻寺西塔。

初重に窓がなく壁になっている点も、東塔と異なっているところ。組物も後の時代に建てられた、室生寺五重塔などにつながっていくものです。相輪の宝輪は同じく八輪。その上の水煙は、とても優美な意匠となっています。



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