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浄土寺浄土堂(国宝)

刑事の世界に「現場百回」という言葉があるらしい(本当かどうかはよく知らんが)。この言葉は別に刑事の世界だけではないだろう。何度も何度も見ることで、対象に対する理解を深めていく。何度も見ることで新たな発見があるかもしれない。Suzumeも「何度でも古建築を見る」ということを心がけてはいるのだけども、そうそう時間が許してくれない。

何度か見に行った時に、新たな発見があるかもしれない。一度見ただけでは、全てを知ることはなかなか難しいものだ。現場でしか感じえない、なにかその場の雰囲気というものがあるであろう。古建築に興味があるのであれば、是非是非何度も足を運んでいただきたいものである。

冒頭にこんなことを書いたのは、今回浄土寺を訪れて国宝浄土堂を見たときに、改めてこの思いを強くしたからだ。浄土堂クラスの古建築ともなれば、建築史の本にたいてい写真つきで掲載してある。平面図や断面図まで載せてある本もある。でもそれらをしげしげと眺めていても、知識は増えるが、所詮そこまで。建物の発するエネルギーや雰囲気を受け止めることができないし、自分なりにその建物を解釈することができない。

浄土寺浄土堂1
浄土寺浄土堂。

実際に浄土堂の組物を見ると、想像していたよりもずっと力強いものであった。そのほか新発見もいくつかあった。浄土寺は三回目だったが、今回も収穫があったわけである。これからも機会があれば、4回目、5回目と見に行けたら良いと思っている。しかしさすがに「現場百回」は無理か…。刑事の仕事は大変だ。

浄土寺浄土堂は、独特な様式である大仏様(だいぶつよう)建築として有名である。日本に純粋な大仏様は2棟しか現存していない。ひとつは金剛力士像で有名な東大寺南大門(国宝)。そしてもう一つが浄土寺浄土堂である。内部に阿弥陀三尊(国宝)を安置してあるので、阿弥陀堂とも呼ばれている。阿弥陀様は丈六の巨像だ。快慶により造られたものだそう。

東大寺南大門とくらべると、どうしても知名度は低い。でも純粋な大仏様建築として、知る人ぞ知る建造物である。東大寺南大門と同じく鎌倉時代初期のもの。正面三間・側面三間、宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺。一間がとても広く取られているため、三間の建物にしては大きなものになっている。

浄土寺浄土堂2
浄土堂東面。

内部は拝観することができる。阿弥陀三尊を見るのも良いことであるが、ぜひ浄土堂の内部構造を見てみよう。太い虹梁が渡された力強い造りがとても印象的だ。どちらかというと地味な外観との対比が面白いところ。西面がすべて蔀(しとみ)となっているが、これを開け放つことによって西日が堂内に入り込み、阿弥陀三尊を背後から照らすようになっている。つまり阿弥陀三尊の来迎の様子を再現するという、劇的な効果が用意されているわけだ。

浄土寺浄土堂3
浄土堂西面。

→→→浄土寺(主な古建築紹介)

→→→大仏様(だいぶつよう)(浄土堂で大仏様を見る)


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浄土寺浄土堂4
浄土堂の鬼瓦。左右で違う顔。

2005年2月26日作成。

○撮影時期○
2002年10月上旬。

○アクセス○
新開地(神戸市)から神戸電鉄小野駅下車。そこからタクシーかバスで10分くらい。

新幹線(東京方面)からだと、山陽新幹線新神戸駅から神戸市営地下鉄西神山手線湊川公園駅下車、神戸電鉄に乗り換え。

○関連項目○
浄土寺(主な古建築紹介)
大仏様(浄土堂で大仏様を見る)

○参考文献○
『日本建築様式史』 美術出版社 1999年

○関連サイト○
小野市(浄土寺のある小野市公式サイト)


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